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結婚生活のすすめ〜last scene〜
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『皆様お待ちです』
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「わかりました。いこっ、茜さん」
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「ん」
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『披露宴っていう形はいい…』っていう茜さんを何とか説得して、式の後、庭に出て少しだけどパーティー的なものをって。
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手を繋いで、みんなが揃うその場に降りてくと、「おめでとう!」の声と指笛が響く。
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RAMPAGEのメンバーが集まるその場所の前に2人で並んで。
「ありがとうございます」 そう頭を下げた。
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「あれ?おらん…」
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一番感謝を伝えたいその人が、俺の視界にはおらんくて。
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「壱馬?どしたん?」
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「陣さん、陸さんは?」
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「えっ?…さっきまで…」
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あっ、おった。
メンバーの一番後ろ。
柱の影になるところにいて、ずっと涙を拭ってるその人を見つけた。
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「陸さん!!」
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でっかい声でそう呼ぶと「もぉ、今呼ぶなって…」ってまた下を向いて。
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「陸さん!」「陸!」ってみんなに押し出されるように、俺と彼女の前にやってきた。
「ふぅ」って大きく息を吐くと、俺と茜さんを見て、あの太陽みたいな笑顔を向けてくれる。
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「壱馬、茜さん。今日は本当にっ…あのっ、よかったな。おめでとう。 ほんとっ、おめでとぉ…、よかった。ほんとよかった…」
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「陸さん…泣きすぎやって、ほんまに」
「陸くん、ありがとう」
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もうダメだって時に何度も支えてもらった。
いつも側にいて、同じ温度で寄り添ってもらった。
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『ありがとう』なんかじゃ、全然足りん位で。
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「陸さん、ありがとうございます」
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そう頭を下げると、めいいっぱいの力で抱きしめられて。
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「陸さん…俺、死んでまうって…」
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「我慢しろ、ちょっと」
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「「(笑)」」
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他のメンバーの冷やかしの声が上がる中、照れるわけでもなく、ぎゅっと陸さんと抱き合った。
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俺が伝えたい『ありがとう』の少しでも伝わってたらええな。
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「じゃあ、ここで?俺らの前でな…誓ってもらいましょうか?」
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「ん?」

悪そうに笑うやましょーさんの後ろ、スマホを構える人だかり。
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「ほら、式では写真は撮れないから」
そこまで言われて、何のリクエストをされとるんかわかった。
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「やっ、ちょっと…。マジっすか?」
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「マジですね。もう、マストですよね?これ。
壱馬、愛の言葉…からの流れで、お願いします」
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「はっ?」
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もう何? どんだけハードルあげるん? 事故ったらどうすんよ、俺…。
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「外さないよな、壱馬?」
陸さんまで…そんなん。
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「よしっ」もう、心を決めて。
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彼女の前、まっすぐに立って視線を合わせた。
空気を読んでなんか、単に緊張しとんのか、固まる彼女の肩をそっと握って。
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…初めて伝えた、その言葉。
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「茜さん…愛してる」
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「ん?えっ?何?」
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「えっ?聞こえたやろ(笑)」
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「ふふっ(笑)、ん、ちゃんと聞こえた。
それもいいね、『愛してる』って」
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「もっかい言うとく?(笑)」
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「じゃあ、来週言って?忘れた頃位に」
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「忘れんなや」
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いつもの俺らのその感じに、ふふって2人で同時に笑ってしまう。
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「…私も壱馬くんを愛してる」






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そう言って、俺の胸元に飛び込んで来た彼女をぎゅっと抱きしめて耳元で囁いた。
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「めっちゃ撮影されとるけど、ええかな?」
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「ん、いいよ。見せつけてあげよ(笑)」
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そっと体を離して、彼女の頭の後、手を回して唇を重ねた。
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地鳴りみたいな歓声があがる中、息が止まる位のキスを…。
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特別な今日は、特別な言葉を。
…特別な思い出を君に。
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happy end
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結婚生活のすすめ
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...fin
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これでこの二人のお話は完結です。
こんな奥さんなら壱馬が幸せになれるかな…と思いながら描いてきました。
壱馬には、誰よりも幸せになって欲しいから。
いつか、チビ壱馬が出てくるお話も書きたいな…とか、ぼんやり思ってます。
いかがでしたか?感想よければ寄せて下さい。

少し長めにお休みを取ります。次作、書いてるんですが、まだまだ序盤で…。しっかり固まってからと思ってます。
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いつも私のお話を読んでくれる皆さんに、たくさんの『ありがとう』を 。himawanco


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