大好きなのは、夏の夕方。
昼間の暑さがやわらいで、でもまだ空気は暑さと湿気を含んでいて。
ゆるりとした、風が頬を撫でる。
見上げれば、うっすらとした月と、綺麗な夕空。
大きく深呼吸をして、また少し夜の気配が近づいたのを感じて。
蝉の声が降り注いで、木が風に揺れて、
私はただ佇む。
次に大好きなのは、冬の昼間。
あたたかな日差しが差し込んで、
北風が吹いてくる。
遠くで聞こえる子供たちのはしゃぐ声に
いつかの自分たちを重ねる。
近くて遠い思い出。
コーヒーを入れてベランダにでる。
マフラーをして、日向ぼっこをしながら、コーヒーを飲む。
わけもなく涙が出るのは、
何かを思い出したわけでも、悲しいわけでもない。
ただ、大好きなだけ。
夏の夕方の空気や、
冬の昼間の日差しが。
昨日泣いてしまったのも、それと同じで。
ただ、あの眼差しが大好きすぎるだけ。