せっかくベルギーに来たということで、ベルギー第2の都市アントワープにも日帰りで行ってきました。
世界一美しい駅とも言われているアントワープ中央駅。
ブルージュ出身のルイ・ドュラソンスリーが設計しており、彼は一つ前の記事で紹介したブルージュ市庁舎内にあるゴシックホールも手掛けています。
まずは、聖チャールズ・ボロメウス教会。
教会正面は、ローマのジェス修道会本部を基礎として建てられ、豪華な装飾の一部はルーベンスの作品と言われているんだとか。
祭壇裏に大規模な保管所が設置されていて、中央祭壇に飾られる絵は礼拝式を行うテーマに応じて滑車によって入れ替えられるそうです。
日本語のパンフレットが置いてあったおかげで、教会内の詳しいことまで知ることができました。
お次は、アントワープのシンボル「聖母大聖堂」
手前の石像が気になった方がいらっしゃると思います。
これは、
「フランダースの犬」の主人公ネロと犬のパトラッシュ記念碑です🐶
アントワープは「フランダースの犬」の舞台になった町で、この聖母大聖堂の中にはネロが見たいと憧れ続けたルーベンスの作品があり、作中最後にはネロとパトラッシュはこの大聖堂の中で天に召されていきます。
主祭壇を挟んで対に展示されている絵が、ネロが見たいと思っていたルーベンスの絵画です。
↑キリスト昇架
↑キリストの降架
↑聖母被昇天
この絵は、ネロが毎日のように眺めていた絵で、作中ではお金を払わずとも見ることができ、上の2作品はお金を払わないと見ることができない設定になっていました。
↑キリストの復活
こちらもルーベンスの作品です。
芸術を通じた神の栄光。
圧倒される美しさです✨
「フランダースの犬」を見たのがはるか昔すぎて、詳しい話の内容は調べるまで忘れてしまっていたのですが、作中最後のネロとパトラッシュが天に召されるシーンだけは鮮烈に覚えていたので、今まで行った数々の教会や大聖堂の中を見学した時に感じていた神聖さを、この大聖堂内ではより強く感じると同時に、苦しさや安らぎなど様々な感情が押し寄せてきて、今まではあまり共感することができなかった教会や大聖堂の存在を求めた人の気持ちというものに少し触れることができた気がしました。
聖母大聖堂近くの通りにある「MELKMARKT」のプレート。
今はありませんが牛乳市場跡で、「フランダースの犬」の作中でネロとパトラッシュが牛乳を一生懸命運んで働いていたシーンを思い出させてくれます。
フルン広場。
ちょうど工事のためのクレーンが被ってしまって残念🥲
銅像の人物はルーベンス。
今までも数々のルーベンス作品が出てきていますが、それもそのはず。
アントワープは、ルーベンスが大規模な工房を経営し数多くの名作が生まれたルーベンスゆかりの地なのです。
アントワープ市庁舎と、アントワープという名前の由来になった伝説を主題とする記念碑「ブラボーの噴水」
市庁舎を囲むようにギルドハウスが建ち並んでいます。
市庁舎の中にある無料で入れるエリアには、アントワープの町の歴史についての展示がたくさんされていました。
ヘット・ステーン。
古城を利用した観光案内所で、特に見るべきものはありませんが、
海の景色が楽しめました。
たくさん歩き回ったので、休憩も兼ねてお昼ご飯を「Elfde Gebod(十一戒)」というレストランでいただきました。
店内にはキリストや聖徒の像がいっぱいあり、神聖な雰囲気。
そんな宗教的な雰囲気なのに、お店の名前はモーセの十戒に「ここのお店ではビールを飲んで楽しめ!」というユーモアあふれるルールを追加し「十一戒」になったんだとか(笑)
ビーフシチューが冷えた体に沁みわたりました。
注文したらついてくるフリットも美味しかったです。
聖パウル教会。
グーグルマップに表示された場所とは入り口が違い、大きな教会なのに入り口を見つけるのに少し手間取りました。
美術館が併設されているかのような教会で、
左がルーベンスの作品で、一番右の作品はヴァン・ダイクというアントワープ出身の画家が手掛けたもの。
大きな絵はルーベンスの作品。
この絵もまたまたルーベンスのもの。
宝物館もあり、充実した内容の教会でした。
こちらの教会は聖ヤコブ教会。
ルーベンス一家のお墓があることで有名な教会なのですが…
なんと改修工事中😭
奥まで続いているように見えましたが、親切なパネルによる錯覚でした。
リアルな改修工事の様子を見ることができる方が珍しいので、逆にラッキーとも言えますが、お目当てのルーベンス一家のお墓は主祭壇の裏にあるため、見ることができませんでした。
そもそも私がアントワープを訪れた月曜日は、多くの美術館の閉館日。
おまけにルーベンスのアトリエも改修工事のため、今の時期は開館していないというタイミングだったので、いつか今回の滞在で回れなかったところを訪れるリベンジツアーをしに来たいと思います。
🌻