ここ最近(9月10月)でインドネシアにて「facebookからtwitterへのシフトが起こっている」という話題をよく聞くので、自分の意見はあるものの、一度少し調べてみることにしました。
【参考ニュース】
■インドネシアのFacebookユーザが500万人減少で世界8位に転落、一方で増え続けるTwitter
http://www.startup-dating.com/2012/09/indonesia-loses-5-million-facebook-users-slips-down-to-8/
※こちらは原文のデイリーソーシャル(http://en.dailysocial.net/)含め、かなり広まった記事ですが、カナダやイギリスが人口を圧倒的に上回るユーザー数を抱えているなど、不可解な数値が多いです。
■じゃかるた新聞
10/25【デジタル羅針盤】 フェイスブックに疲れる人たち
まず、自分の肌感で言うと、facebookからtwitterへのシフトはほとんど感じられません。
ジャカルタに住んで毎日十数名のインドネシア人と仕事をし、土日に語学スクールで触れ合うインドネシア人に聞いてみたところ、全然そんなことは無いのです。
もちろん、自分の狭いコミュニティだけで判断するのは恐ろしく危険なので、いくつかデータでも検証してみます。
こちらはフランスのソーシャルメディア上のデータ分析を行うSemiocastという会社が発表したデータで、2012年の1/1と7/1を比較し、どのくらいtwitterユーザー数が伸びたかが分かります。
インドネシアは2012年7月1日時点でユーザーアカウントが2940万人おり、1月1日から1000万弱の増加となっております。これは、世界でもUSに次いで2番目の伸び(伸び率は30%強)です。
facebook;はどうでしょうか。
2012年1月1日の約4200万人から、7月1日には約4400万人になり、約200万人の増加となっております(著者がsocialbakersで過去定点観測した結果から推定)。
twitterと比べると非常に少ないですが、なんと直近3ヶ月では伸び率14.81%の5000万人の大台に到達しているのです(10/26時点でfacebook広告マネージャーの参照値50,489,360人)。このペースであと3ヶ月伸びれば、6ヶ月で約30%伸びることになり、計測期間は違えどtwitterと同等の伸び率です。
結論。
facebook、twitter共に同じぐらい伸びていると考えると、シフトと言い切るのは難しい。(本当はfacebookとtwitterのアクティブ率も比較したかったのですが、直近データは見つかりませんでした。)
また、私個人としては、facebookとtwitterの関係を、用途が違うので、車とバイクのような関係と捉えており、車からバイクにシフト(大移動)しないのと同じように、インドネシアの市場の伸びとともに車(facebook)もバイク(twitter)も伸びていくと考えております。(※用途の説明は、今回は省略します。)
しかし、もちろんfacebookからtwitterへのシフトはゼロではありません。
最後に肌感で締めるのもあれですが、モバイルユーザーは小回りのきくバイク(twitter)の方が楽チンで使いやすいということもあり、自宅にPCを持っていないミドルロウワー以下の層は少なからずシフトしていると思われます。私のまわりで、シフトが見られなかったのもPCを持っていない層と接していないからかもしれません。
そしてその逆、PCを持てるようになったことで、twitterからfacebookにシフトもあり得ます。