今回は鍼灸道具買い付けがメインの仕事だったので、多くの先生には会えませんでしたが
見学や何人かの先生とお話ができました。
あ、自分は中国語全く話せないので同行の鍼灸師が通訳ですけどね。
上の写真は韓先生。
もう80歳を過ぎておられますが、いまだ現役。
朝の7時くらいから午前のみの診療ですが、一日に50人くらい診ておられます。
先生の優しい雰囲気が上手く撮れたな、と自画自賛であります。
中国と日本の鍼灸は違うんですか?
良く聞かれます。
ホント、これをきっちり定義づけると中々大変で鍼灸の世界でも度々紛糾する話題なのです。
ですが、ここでそんな専門的なことを書いても全員読まないでしょうから
ザックリと平たく言い切ってしまうと
・使用する鍼の本数が多い
・「得気」 いわゆるツボの鍼が当たった時の、ズーンという感覚が強い
・基本 毎日患者さんは来院する
・医師資格なので、血液検査やMRIの検査指示や診断が行える
・漢方薬 湯液の処方箋を書いて指示できる
日本では薬事法の関係でできません
日本との大きな違いは上記でしょうか。
これは自分の知っている天津での事情なので、大きな中国
それぞれ違いはあるかも知れません。
これは心電図を診ながら診断しているところです
中国は鍼の本場
さぞや日本と違って皆が西洋医学よりも鍼灸を信頼してるのだろうなぁ
と思うでしょうが、実は違います。
日本での鍼灸の受診率は全国民の7%くらいと言われています。
中国でも鍼治療の受診率って10%いくかどうかなんです。
ビックリですよね。
どうして?
中国が西洋医学に重点を置くように舵を切ったからでしょう。
実際に中医学を学ぶ人の数は減っているそうです。
では、それでもどうして鍼治療に来るの?
いくつか理由があります。
・西洋医学では治らないが鍼だと良くなるから。
これは日本でもある事象です。
・西洋医学は価格が高すぎて受けられないので
仕方なく鍼治療を受けている。
これは悲しい理由ですね。
中国には日本のように国民保険の仕組みがキッチリできていませんから
西洋医学の治療を受けるとなると、かなり高額になってしまうそうです。
大きくは上の二つの理由が鍼治療を受診する理由のようです。
自分たち日本の鍼灸師も
皆様から選ばれて信頼されるように頑張らなければなりません。
そう中国で新たに決意しました。