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▲ 【CONTENTS 1】イントロダクション、夫から見た「元気です」、「元気です」のその後




 

にっこり「末期ガンでも元気です」第1話はこちら

ポラリスHP)



 

第43回です。


まだ私が泣いてないのに、泣かないでよ。

妻の言葉に、我に帰るひるなまの夫。
「先に泣かない」という自分のルールをつくり、守っていく決意をした。
ひるなまに、安心して病院通いをしてほしいし、迷惑をかけたくない。
泣き虫だからこそできる発想だった…



今回は後編です。


ひるなまの夫が、

自分で決めて破ることなく守り通した自分ルール


「先に泣かない」


について、もう少し掘り下げてみます。



  グッジョブ、自分


私は、この自分ルール、

決めてよかったと思っているんです。


なぜか。



…もしこのルールを設けず、



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なんとなく「寄り添おう」


くらいの気持ちだったら、

その後の数年間で、私は一体どんだけ泣いていたことだろうか。



それはもう、

恐ろしいものがある。笑






例えば、

治療方針の説明をする医師や看護師、

自分の考え事に集中したいひるなまの目の前で、


私がボロボロ泣くことがあれば、

それが続けば、

どれだけ迷惑をかけたことだろうか。




結果的に

この自分ルールを決めて以降、


「泣かないで」と

言われたり困らせたりしたことはありません。



本当に。笑


本当なんですよ。




ちなみに、

このルールは完全な自分ルールなので

妻には伝えていません。



  そんな単純なものじゃない



誤解してほしくないのは、

泣くことがよくないこととか、

泣かないことが良いこととか、


そういうことを言いたいのではないんです。


全国5000万人の泣き虫の皆さん、

違うんです!笑




まず、

泣くことが、いいか悪いか、は、

一概に決められるものではないです。


(例 とある2つの映画があります。

 見終わったあと、

 泣く人が多い映画と、少ない映画。

 どちらがいい映画なのか、

 この情報だけで果たして断言できますか)



また、

誰ならば、泣いていいのか。

誰ならば、泣いてはいけないのか。


これも、

一概には言えないことです。


(例 同じ病気で苦しんでいる人がいたとして、

 Aさんは程度が重いから泣いてよくて、

 Bさんはまだ初期だから泣いてはいけない、

 果たしてそうでしょうか)



(例 重い病に苦しんでる「推し」がいて、

 同じ病を経験していないファンが、推しを思い泣くことは、いいとか悪いとか決められるでしょうか)



さらに言うと、

患者本人だから泣いてよくて、

家族だからダメ、

というのも違うかなと。


前提として、患者さんの身体、そして日常における負担は、身の回りの者や医療従事者、サービスによって支えられるべきと、考えます。

この前提のもとで、

支えられる患者さん、支える家族それぞれに、辛いなあ、苦しいなあ、と思うことが恐らく出てきます。


その際、

患者さん本人の辛さと、

それを支える家族の辛さは、


全く異なる種類のものであり、

比べることはできない。

ここ数年でよく分かりました。


例えるなら、野球の三冠王と、将棋の八冠独占のどちらが、偉いでしょうか? みたいな…

その上で、
「私は、患者本人ではないから、家族だから、我慢しなきゃ…特に本人の前では…
怒ったり泣いたりすることを。」

ご家族さんがそう思う気持ちは、
とても共感します。

しかし、あまり我慢してはいけない。

我慢を続ければ続けるほど、
この先大変な苦労と我慢をしながら、シビアな状況に身を置くことになります。



は?

それなら、

自分ルールは矛盾してるじゃないか。


そうです。笑


この自分ルール「先に泣かない」は、

「ぱっと見」、矛盾しているんです



今思うと、

「よく、そんな危なっかしいルールを決めたなあガーン」としか思えません。


だから、

前編でも話したように、

オススメしては、いないのです。




  ひるなまの夫、だから。



私は、涙もろい。

そして、、

下剤を飲んでないからお腹も痛くないし

検査を受ける当事者でもない。


一方で、

大切な人が、私の前で苦痛に顔を歪める時も、

満足に体を動かすことができなくても、


できることは限られるし、

(しかし当初思ってるより多かったです


基本的には、何もできないのです。

医師や薬ではない自分には、

原因を治せない、という意味です。


治したいのに。

これは、身を裂かれるような辛さがあります。



患者の苦しみとそれを見守る者の苦しみは、苦しみの種類が異なる。


これは間違いありません。

身をもって知りました。

家族だって、苦しいものは、苦しいのです。


※そのことに気付いたのは、もうちょっと後ですけども…

「がん患者」と「その家族」


このはっきりとした関係性が、当時は私たち夫婦になかった。診断はまだ先なので。


だから、自分ルールを決めた時、私は気付いていなかった。





分かりにくいのですが、

今回の自分ルール


「先に泣かない」


は、上に挙げた、

そうした家族特有の苦しみとは

別の次元で決めた話です。




涙もろいという「特性」をもつ私が

泣くという「行為」を際限なくやれば


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周りや妻に、
この先どれだけ迷惑をかけるか、
わからないな


と思いました。

だから、ルールを決めたのです。



前後編を使ってやるには

あまりに情けなく恥ずかしいような…

そんな気持ちもあります。笑



家族だから、患者本人ではないから、

我慢しなくちゃ。

そういう意味合いで

ネガティブに決めたわけでは、

ないんです。


めっちゃ泣くからです。笑


↑「元気です」第6話。この時は本人がCTに行っているため泣けた。セーフ。


言い換えると、

「いつ泣くか」「どこで泣くか」

この2つ(空間、時間)を、ルールを作って、

ずらすことにしたんです。


繰り返しますが、

「家族だから、我慢せねば」

という発想でもないんです。



隠れて涙を流したり、角度的に見つからないからとハンカチをそっと押し当てたり、

ということは、勿論ありましたにっこり



ギリギリセーフですよねにっこり


にっこり



泣くのはあくまで、

「感情」の発露の一つ。


感情の全てを我慢した訳でも、

全く泣かなかった訳でもないんです。


夫婦喧嘩、したし。ニコニコ


話せる人には、闘病のこと、話しました。


友達には言いにくかった、正直。

信頼できる職場の同僚や上司、

そして私の家族に。


カウンセリングも行きました。

私はいつもずーっと喋りっぱなしでした。笑

溜まってたんです。



常に抑圧されていたわけでは、

ありません。


だから、ずっとそばにいられたと思ってます。

来ないで、と言われなかったんだと思います。



自分ルール、決めておいてよかった。


そう思いますが、一方で、

危ういバランスの中で成立していた、

ということはお伝えしておきます。


この先のブログでも、

ひるなまの前では基本、涙は我慢していると思いますので、見てみてくださいニコニコ




ん?


あ、自分ルールを守れたってこと、疑ってますか?



本当ですよ! 守れました。



いや、本当!笑



本・当ッ!!!




  支える人のことも、支えてね




自分の大切な人が病を得た時、

向き合い方は、人それぞれ。

そして、苦しみも人それぞれです。



今まさに、必死に患者さんを支えている方。

苦しくて、当たり前です。

誰かを何かを、頼ってください。


その苦しみは、誰かと何かと比べられるものではありません。

あなただけのものです。

唯一無二です。


そして、

もし周りに、

闘病する患者を支える家族がいらっしゃれば…、


願わくば、

支える人のことを、支えてほしいです。


その人の話を聞いてもらえるだけでも、全然違います。メンタルが。


ちょっとしたことでも、嬉しいです。


「〜なら、手伝えるよ!」

「何か、困っていることはない?」


こうした言葉をいただけると、とても嬉しいです。


↑「元気です」第3話。ありがとうひるなま。



最後に、

…↓こういう一見励ましのような言葉を言われてイラっときたら、スルーでOK。



「本人がいちばん辛いから。

 そばにいる君が泣いてる場合じゃない。

 いちばん、がんばらなくちゃね。」



んなことは、分かってるわ!!!

余計なお世話だわ。


よく知りもしないくせにむかつき

と毒づきたくなるような人ほど、


こんなことを言ってきます。



そら、そうよ。支える以上は。

でも、危うい。


第三者から放たれるこの手の言葉は、時として、

何とかギリギリの状態で踏ん張る者を、更に追い詰めます。


軽はずみに、口にしてはいけない言葉です。



辛いのよ。患者さんも、ご家族も。

どちらも。ね。


誰も悪くない。


 
次回は、注腸造影検査です。

次回は、東洋経済ON LINEの記事の紹介、裏話を、お送りしますニヤリ



まだの方、ぜひぜひ、お読みください!


※予定を変更しました。




今回はここまでです。ニコニコ



今日もお読みいただき、

ありがとうございましたにっこり





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では、失礼します。

 

 

※医療従事者の皆さん、いつもありがとうございます

 

ひるなまの夫




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