先日CS放送で映画『幕末太陽傳』をテーマにした
トーク番組を観ました。
著名なジャーナリスト同士の番組でした。
以前から興味深い番組でよく視聴していました。
ですが、今回のこのテーマについては、ちょっとがっかり
しました。
というのは、この作品が一般的にも、映画ファンにも
高い評価をうけているので、両氏の厳しい指摘が
個人的に高い評価を期待していたので・・・。
映画『幕末太陽傳』デジタル修復版が公開!、という情報は
つい先日知りました。
ですから、CS放送もこの公開に合わせたものだった
のかもしれません。
そういう現状を知らずにノーマルDVDで視聴しました。
ですから、デジタル版の画質の良し悪しなどは未だに
わかりません。
その情報は以下で検索下さい。
http://www.nikkatsu.com/bakumatsu/
<見所満載>
1.小林旭と石原裕次郎の豪華競演!
競演作はこれ以外には一、二作しかないと記憶
しています。
2.フランキー堺の快演!!
作品を評価する上で最も重要な要素であることは、
「合点承知之介」。
印象的なシーン。
1)刃傷沙汰をおこした親子を、一芝居うって、
こはる(南田洋子)を現場から逃がす場面。
2)小沢昭一扮する貸本屋の金さんと、一芝居うって
相模屋から金をまきあげる下り。お見事です。
3)マルチな才能を発揮する佐平次ですが、なにをやっても
駄賃をうける商才!
等々。
3.最上級の娯楽映画!!!
当時においても、又現在においても斬新性は色あせて
いないように感じます。
川島監督のこの作品テーマのひとつに、ニヒリズム、
あるいは実存主義を感じました。
象徴的なシーンは。
ラストシーンの市村俊幸演じる(千葉の杢兵衛大尽)と
(佐平次)との会話。
(千葉の杢兵衛大尽)
「人間は、はぁ、一度はおっちぬもんでねぇか」
「嘘べぇ、こいでると、地獄さおちれば、なんねぇど」
(佐平次)
「地獄も、極楽もあるもんけぇ。おらぁ、まだまだ
生きるんでぇ」
というような脚本に表現されているように思いました。
私的見解ですが、これがこの作品のテーマのように
思いました。
4.女優陣のパワーと美しさ
南田洋子と左幸子の女郎同士の戦い!
特に、左さんの、女郎の生きることへの貪欲さの演技!
山岡さん、菅井さんの演技も見所です。
私的には、美しい南田さん(南田ファンですから)に
うっとりです。
<作品余談>
この映画のラストシーン。
佐平次が海岸を逃げていくシーン。
川島監督の当初の構想では、現代社会の品川に
佐平次がワープして逃げていく、という設定
だったらしいのです。
この構想は、スタッフの反対にあって実現
しなかったらしいのですが・・・。
しかし、今となってはこちらのほうが興味深く、
現代社会にインパクトがあったのでは
ないでしょうか?
上の写真に興味をもちました。
ロケでの撮影でしょうか?気になりましたので
紹介いたしました。
橋の袂に写っている浅草海苔の天日干しの写真です。
私が幼年時代に育った船橋の土地では
このようにして浅草海苔をつくっていました。
我が家ではこれを生業としていましたので、
非常に懐かしく思いました。
最後に、<ストーリー>などの内容については皆さん
ご承知の方も多いと思いましたので、
省略させていただきました。
では、次回をお楽しみに!
PS:
先ごろお亡くなりなられた二谷英明さんの
ご冥福を心よりお祈りいたします。