樹木希林さんがお亡くなりになり、
夫の内田裕也さんが、
遺骨を拾って「懐にしまわれた」と
報道にありました。
当事者でしか分からない事がたくさんあり、
マスコミも含めた「外野」はまったく、
的外れなことを言うことが多いものです。
本人にしか分からないこと。
大切な家族の死。
内田裕也さんの行動を私に重ね、
35年前のきょうの
10月10日を思い出しました。
故郷の北海道を離れ、
東京で予備校に通っていた時、
父が心不全で急逝しました。
私は19歳でした。
東京からどうやって帰省したのか、
葬儀の最中、どうだったのか、
よく覚えていません。
頭の中が真っ白でした。
もう、東京に出ていたのに。
父に反目して出て行ったというのに。
火葬後に骨を拾っていた時、
急に冷たく時間が止まって…、
遺骨をハンカチにくるみ
ポケットに入れようとしました。
隣にいた叔父に止められ、
ハンカチにくるんだ骨を再び出し、
入れるべく骨箱に収めました。
父の遺骨を食べるつもりでした。
父の力を借りたかったから。
父と一体になりたかったから。
変ですよね。
今、考えるとまったく理解できない。
まるで他人事のように振り返る自分がいます。
当事者にしか分からないことは
山ほどあります。
この話も的外れかもしれません。
当事者にしか本当のことは分からないのです。
あれから35年か…。
私はこれを書きながら、
19歳だった当時の私と話をしているような気がします。
まだ引きずっているのかな~。
50代半ばになるのに。
何かの拍子に思い出すのです。
元新聞記者、テレビ局デスク
メディアコンサルタント・荒川岳志