「校正など不要」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

それを見た時、一瞬我が目を疑った。

 

実は去年の暮れ頃、排煙機や換気扇などの風量を測定する「風量計」が1台故障した。

最近、月の仕事の3分の1ほどが建築設備検査関連の業務ゆえ、使用する2台の軽バンにそれぞれ1台ずつ積んでいたのだが、主にダイゴローが使用する方の風量計が故障した格好。

 

建築設備検査関連の業務が増大する中、その後追加で2台ほど購入したものの、さすがに故障した風量計をそのまま廃棄するわけにもいかず、一先ず管理するダイゴローがメーカー指定の近所の代理店まで修理に出した次第。

でその修理の見積もりがFAXで届いたのであるが…

 

ネットで買えば精々5万円で購入出来る品だと言うのに届いた修理見積は8万円超え。

メーカー指定だか何だか知らないがこの代理店、途方もないアホ会社である。

こんな舐め切った見積で一体誰が修理を依頼すると言うのか。

 

物自体は修理見積の為に一旦そのアホな代理店に預けてしまっているので、ダイゴローには「とっとと取り返してこい!」と言い放った私。

 

もしもその店に「そのまま廃棄を」などと言おうものなら恐らく原価数千円程度で自分たちで直し、そのまま「まだまだ使える中古品!」みたいな形で3万円くらいで売られてしまうことだろう。

だったら私がハンマーで破壊した方が100億倍マシである。

 

ところでこうした専門機器には決まって「校正」なるワケの分からない制度がある。

5年、ないしは10年に1度くらいの間隔で専門の「校正業者」に機器を預け、機器自体の検査を行ってもらうわけである。

早い話が「道具の定期点検」ということ。

 

しかしハッキリ言って私はそんなもんに出すつもりは一切ない。

聞くところによるとやはりその校正でも毎度数万円単位で費用がかかると言うが、そもそも私は試験機などを10年以上使う気も無い。

「校正時期」=「本体交換時期」であると認識している。

 

他社の現場応援などに行くと、もう随分前に製造中止になり市場に出回らなくなって久しい機器を使っている人たちを時折見かける。

だがこの際言わせて頂くが、そうした古い旧型の道具を渡されるのは少々迷惑である。

先ず基本的に使いにくい。

 

私の中で熱と煙の試験機はヘッド脱着型で試験棒自体は1本で済む能美製が常識と化している。

だが相変わらず当たり前のように熱と煙の古い試験機をそれぞれ1本ずつ渡してきて「2本持ち」での作業を要求される方がいるが、それはレンタカーを貸し出す際にマニュアル車を出してくる様なもの。

 

あるいはウンコをしようとトイレを借りてみたら数台並ぶ大便器が全て「和式であった」みたいなことでもある。

要するに時代にそぐわない、ということだ。

 

古い機器を直しながら何年も使い続けることを「道具を大切にしている」と言う方もいるだろう。

しかし私は単純に「ケチなだけ」だと考えている。

 

例えば感度試験機やガスレベルメーターなどの様に、使用頻度が高くない上に1台あたり何十万もする機器なら話は変わるが、日頃から使用する試験機の類は校正時期と同時に買い替えるべきものだ。

 

またそうした古い機器を使い続けている人(会社)は使う機器の全てが古い。

「買い替える」ということが習慣付いておらず、とにかく「使い続けること」が身体に染みついているのだろう。

 

自身のプライベートで使用するものについてはそれで良いと思うが、しかし業務に使用する道具は「現行品」を使うべきである。

 

「会社がなかなか新しい機器を購入してくれない」と嘆く方もいるだろう。

だがいつまでも古い機器を従業員に使わせるような会社など辞めちまえば良いだけだ。

「道具が使いにくい」=「労働環境が整っていない」ということと同じである。

 

またマンションの居室内など、そうした汚れた古い機器を持ち込むこと自体が住人に対して少々礼儀を欠いたものであると言える。

可能な限り綺麗な現行品での作業を心掛けるのは「プロ」としての責任であり義務でもある。

 

だから私に校正など不要なのだ。

 

 

 

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