「復旧操作能力」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

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請け現場を若頭のダイゴローとタケに任せ、本日も私は一人、建築士の方が行う関東方面の某公共施設の建築設備検査の応援。

 

建築設備検査、特定建築物調査、そして防火設備検査と、昇降機(エレベーター)以外の3種の「建築設備等」の検査を同時進行という結構忙しない内容。

 

無論、私は防火設備検査員兼消防設備士として、専ら自火報受信機の遮断操作や防火設備の連動起動試験を担当。

最近、3日に1回は一日中防火シャッターやら防火扉などをいじくっているので、ここ数日だけで我ながら随分と古い防火シャッターの復旧操作などにも慣れてきた様に感じる。

 

以前は古い防火シャッターの連動試験は「もしも復旧しなかったらどうしよう…」という不安から、それこそ対応する連動用の感知器の作動試験、表示確認だけで「ハイ! オッケー!」としていた。

 

がしかし、流石に防火設備検査員として呼ばれている以上、やはり全ての防火扉、そしてシャッターの起動試験をやらないわけにもいくまい…。

 

だがここ数日、散々旧式のシャッターや防火扉に触れてきたことで、天井の点検口などからシャッターの機械本体を見ることで大凡の「復旧方法」が分かるようになってきた。

復旧リングなんぞ出ていなくても「あぁこれはここを押せばいいんだな…」などと、割と直ぐに判断が出来る。

 

先日も某現場で防火シャッターが降下したまま復旧せず1時間ほど悪戦苦闘したばかりだが、しかし「何とかしなければ…!」と必死になることで自身の「復旧操作能力」が飛躍的に上昇したように思う。

 

そこで気が付いたのだが、防火シャッターが中々復旧してくれない際に必ず試すべきことがあることに気付いた。

それは、もしも起動したシャッターが中々復旧しない場合、点検口内部からシャッター本体をくまなく観察し、その上で再度起動信号を入れてみる。

 

すると本体のどこかしらが「カチッ!」と動く。

後はもう直接機械本体を手で触れて「触ったら動く部分」があれば、とにかく押すなり引くなり力の限り触りまくることだ。

 

この「力の限り」というのが重要で、自分では「凄い力を入れて押した」つもりでも、しかしシャッター本体からすれば「その程度の力じゃ復旧しねえんだよ!」みたいなことがよくある。

何せ「機械vs人間」なのだから「人間と戦うレベル」の力では通用しないことが多々ある。

 

なので、あんなもん滅多に壊れるものでもないから自身の想定の「1.5倍」くらいの力で押すなり引くなりすれば案外「カチッ!」とロックがかかる。

そうなれば後はもうひたすら巻上げれば全てが終わる。

 

勇気と気合があれば大抵の防火シャッターは復旧する。

それでもダメな時は「あのシャッターは故障しています! シャッターの専門業者による修理が必要です!」と言い切るだけの根性があればどうにかなる。

 

ある程度復旧操作になれてくると、むしろ「このシャッターはどの様な操作で復旧するんだろう…?」という興味の方が勝り、以前はあれほどビビっていた防火シャッターだが、しかし今では「起動をかけてみたい衝動」に駆られるほど。

 

そんなワケで明日も防火設備検査員として仕事をする予定の私。

ところで本日の現場で見慣れない連動用感知器が…!

 

 

相当古いのは確かであるが、しかし未だかつてこんな「メカチック」な感知器を見たことが無い。

個人的にはむしろこれくらいメカチックな造りの感知器も「アリかな」と思った次第。 がしかし… 

 

改めて考えてみたら単に旧式の煙感知器の「カバーだけ」外れ、内部の機器がむき出しになっていただけらしい。

 

 

というワケで「連動用感知器カバー脱落」として不良とさせて頂いた。

それにしてもまさかあの旧式感知器の内部があんなにもメカチックであったとは…。

 

思わず意表を突かれた。