大人は勝手だ。弥生は、俺の何に期待して親に選んだんだろう。そこには結果しか無い事を忘れたままに健太は、思考をめぐらせた。大切なのはなんだろう。
信頼。愛情……それから……。
健太は、見付からない答えを求めて思考をめぐらせた。
「ねぇ、健太…」
「?」
「どうして…答え?が必要なの?」
「えっ?」
「見えるものだけを信じるのはやめなさい…」
「……えっ?」
「感じるものだけを信じるのもやめなさい…」
「……」
「見て、感じて、そして、見つけるの」
「………」
「いま、答えを出す必要は必ずしも無いから…」
「ん…」
3歳児に慰められるようにかけられた言葉に健太は苦笑しながら、「そうだね」と笑みで答えた。
「あのね…」
「?」
「必ずしも…って何?」
「……絶対ではない事…」
「絶対?」
「…決まりごと?を守らなくても…」
「いいの?」
「善いこと無いよな……ん~、とりあえず、ご飯にしよう」
「パンだけど…」
「……朝食にしよう…」
「うん…」
健太は、麻奈の返事を待って、少しこげたトーストを口に運んだ。
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