『心理学の「影の投影の理論」に基づくオウム真理教と日本社会』 目次

 ここでは、深層心理学者であるユングの「影と投影の理論」をもとに、オウム真理教、および教祖であった麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚(※以下「麻原」と表記)、そして事件を考察してみたいと思います(2008年8月作成)。
 
         目 次

【1】影の投影の理論

【2】ナチス・ヒトラーとオウム・麻原の関連性について
 ナチス・ヒトラーとオウム・麻原の関連性について
 ナチスのユダヤ人迫害に見られた「影の投影論」
 影の投影は、被害妄想・陰謀論に発展する可能性がある
 優秀なユダヤ人への恐怖と、貧しい流入ユダヤ人への軽蔑
 優秀なユダヤ人も貧しいユダヤ人も、ドイツ人の影の投影
 オウム真理教に見られた「善悪二元論」と影の投影
 『わが闘争』の反ユダヤ主義
 ユダヤ人陰謀論
 麻原とヒトラー、『滅亡の日』と『滅亡のシナリオ』という2つの本

【3】麻原・オウムと大日本帝国の関係
 麻原・オウムと大日本帝国の関係
 大日本帝国の敗北と「宇宙戦艦ヤマト」の社会的な人気の原因
 「宇宙戦艦ヤマト」人気と同じ心理が信者を『滅亡の日』に傾倒させた
 麻原の未来予言は、大日本帝国の歴史を投影していた
 麻原の日本の破局予言は、麻原・教団に起こった
 オウム真理教と大日本帝国の類似点

【4】日本社会に残存する大日本帝国の要素の存在
 日本社会に残存する大日本帝国の要素の存在
 河合隼雄氏が見た現代日本に残存する大日本帝国的な信仰傾向
 「自分はだまされていた」という心理状態が過去の払拭を妨げる
 日本社会の一部とオウムに見られる陰謀論・謀略説の残存について
 敗戦前後の日本人とオウムに共通する無思考状態

【5】麻原・オウムが批判した国家権力は、自分たちの暗部の投影
 麻原・オウムが批判した国家権力は、自分たち自身の暗部の投影であった
 麻原の日本の破局予言は、麻原・教団に起こっただけだった
 オウムの修行法における、強いプライドの問題
 プライドや善悪の観念を活用できず、それに逆支配されたこと
 ヴァジラヤーナの教えも、プライドの充足のために利用された
 過ちを繰り返さないために最も重要な謙虚さ
 アメリカに対する敵意に対して
 麻原の見たアメリカ・フリーメーソンも、麻原自身の暗部の投影だった

【6】最後に――敵対する両者は、自分の暗部を相手に見る