八木寺跡・大善寺跡・神武天皇陵 ~ 飛鳥・藤原京廃寺巡り48時間耐久レース(その8) | 日出ヅル處ノ廃寺

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古代寺院跡を訪ねて

飛鳥・藤原京廃寺巡り48時間耐久レース」2日目がスタートです。
レンタサイクルを駆使し、初日の明日香編に続き、本日は藤原京の廃寺をしらみつぶしに巡る作戦

しかし、その前に昨日行き忘れていた定林寺跡を回収しなければならないので、レンタサイクル開店前の早朝から出撃です。
ついでに駅から近い二つの廃寺も回っておくことに決定。

ということで2日目も頑張っていきましょう。
レッツラゴー!

 

 

【第十五番】

  八木寺跡(やぎでらあと)

奈良県橿原市八木町

訪問オススメ度

 

はじめは八木寺跡。

八木廃寺とも呼ぶようですが、このような名称の廃寺があることは今回初めて知りました。
近鉄橿原線八木西口駅の東方の古くからの集落内にあるようです。
この近辺は今井町が昔の町家の面影を残していることで有名ですが、こちらもいいムード。

 

夜明け前の風情。ここは古代の「下ツ道」と「横大路」の交差点なんだとか

 

ネット情報では、写真の延命院と、隣接する八木春日神社近辺が八木寺の想定寺域とのことですが、案内板もなく詳細不明。

 

延命院は八木寺の後身寺院と伝わる

 

基礎だけ残った石灯籠の返花(かえりばな)と水仙

 

境内をうろうろしますが、特に痕跡は見当たらず。

切り上げて次に行きます。

 

 

【第十六番】

  大窪寺跡(おおくぼでらあと)

奈良県橿原市大久保町

訪問オススメ度★★

 

次は大窪寺跡。こちらも初訪問。
八木西口駅の隣、畝傍御陵前駅が最寄りの駅となります。
西に向かってしばらく歩くと国源寺に到着。このあたりが想定寺域のようですが、伽藍配置などは不明。

 

国源寺本堂。正面右側に案内板あり


見落とすところでしたが、大窪寺の前面道路を挟んだ公園内に塔心礎があります。
発掘調査もされ、この心礎のすぐ南側の大きな土坑が原位置かもしれないと考えられているという。

 

江戸末期にはほかの礎石も多く残されていたという


ここから少し足を延ばして、大窪寺の北西方面にあるという塔垣内廃寺の塔跡へ。
とはいっても、ここは神武天皇陵のすぐ東にあり、現在は宮内庁の管轄区域になっていて近づくことができません。

昭和の初め頃までは立ち入ることができたらしいがね。

礎石は現在も残されているとのことですが、詳細は不明。

 

奥の森の中に礎石が残されているらしい。左側が神武天皇陵

その後神武天皇陵に参拝。

 

安彦良和先生の『神武』面白うございました

 

畝傍御陵前駅まで戻り、近鉄電車で飛鳥駅へ。

早朝とあって観光客もまばら。ひっそりとしています。

 

昨日行きそびれた定林寺へは飛鳥駅から徒歩で30分弱

朝のすがすがしい飛鳥の風景を楽しみながら向かうのも悪くはない(ポジティブシンキング)。

 

 

【第十七番】

  定林寺跡(じょうりんじあと)

国指定史跡 奈良県高市郡明日香村立部

訪問オススメ度★★★



定林寺跡への入り口。電柱の左側の坂道を登っていく

 

定林寺跡(じょうりんじあと)は小高い丘の上にあり、アプローチのためにいったん東側の集落までり込む。

坂道を登っていくと、現定林寺。こぢんまりとしたお寺だが、清掃が行き届き気持ちが良い。
さらに奥に向かい、一段高くなった場所が寺院跡

 

定林寺跡。立部寺(たちべでら)とも呼ぶらしい


寺院跡には土壇跡のようなこんもりした土盛りが二つ

階段のついている方が金堂もしくは講堂跡と推定。その左手奥が塔跡と判明しているようだ。

伽藍配置の全貌は不明だが、特殊な形式となる可能性もあって萌え度は上昇


ここにも用途不明の謎の石造物が。遺構では回廊跡も一部確認されている


北の方に少し広い平場があり、その縁は断崖になっていて眺めは良い。
廃寺というよりは山城の感じですな。


定林寺を後にして、北側から廃寺跡をパシャリ。
山岳寺院に移行していく過程にあるものなんでしょうかね。
 

中央やや左寄りに先ほど見た伽藍の遺構。道脇の柱には「立部」と書いてあります

 

ということで、早朝のうちに定林寺は無事回収。

再び飛鳥駅へ戻り、ここからレンタサイクルを借りるために大和八木駅まで戻ります。


 

 

(その9に続きます)