廃寺訪問のオススメ度 | 日出ヅル處ノ廃寺

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古代寺院跡を訪ねて

このブログでは、私が実際に訪れた廃寺のオススメ度を星の数で示すことにしています。

評価は5段階で、最高が五つ、最低が一つですが、評価できない「-」も含めると実質6段階評価

 

その基準ですが、学術的な価値が云々というよりは「行ってみて面白いかどうか」、さらに言えば、私の関心事である「現地で伽藍配置が想像できるかどうか」という視点で決めています。

まあ、あくまで「原則」であって、独断や偏見など、いろいろな要素で星が増えたり減ったりもしますが、一応目安を示すと次のとおりになります。

 

 

オススメ度-(評価不能)

 

案内板等もなく、どこに寺院があったのか現地に行っただけではわからない。資料に記載された位置図と地図を見比べて、はじめておおよその位置の見当がつく程度。そもそも寺院があったのか怪しい場合もある。


【例】渕高廃寺(愛知県愛西市)

 

オススメ度一つ)


案内板や石碑があり、現地で位置を確認することが可能。案内板等が無くても現在の寺社の場所で特定できる場合もある。しかし礎石などの往時を偲ぶ遺構は見当たらず、伽藍配置なども不明な場合が多い。案内板などは遺構から離れた場所に設置されていることもあり要注意。

 

一つの例】額田廃寺(三重県桑名市)

 

オススメ度★★二つ)

 

移設されていることもあるが、塔心礎などの礎石が残り、一部ながら当時の遺構を目にすることができる。伽藍配置は発掘により明らかになっていることもあるが、現状は住宅地や境内地、田畑、山林などで想像するのは困難。

 


【例】粟原寺跡(奈良県桜井市)

 

 

オススメ度★★★三つ)

 

複数の堂宇の位置が基壇や礎石群で確認でき、伽藍配置もある程度明らかとなっている。これらが現地で空間構成を想像する手がかりとなって、古代寺院の伽藍のスケール感を体感することが可能。


【例】宮の前廃寺(広島県福山市)

 

 

オススメ度★★★★四つ)

 

伽藍の中心部分を含んだ区域が史跡公園などとして整備され、修景施設や休憩所などがあり、展示施設が併設されることもある。古代寺院の伽藍を偲ぶだけでなく、交流の場などとして地域住民にも親しまれている存在。

 


【例】法堂寺廃寺(滋賀県東近江市)★★★★

 

 

オススメ度★★★★★五つ)

 

伽藍配置が明らかな上、他に類例がない遺構や出土品、展示施設があり、国内でも第一級の古代寺院跡として非常に貴重。飛鳥時代から奈良時代にかけての歴史に多少でも関心があれば、訪れてみて損はない。

 

【例】上淀廃寺(鳥取県米子市)

 

 

いかがでしょうか?

自分としては、割としっくり来ている評価区分なのですが、もちろん人それぞれで評価軸も違いますから、あくまでご参考程度に。

 

ちなみに私の考える「五つ」は、今のところ上に挙げた「上淀廃寺」の他に、奈良県明日香村の「川原寺跡」、桜井市の「山田寺跡」、大阪府堺市の「大野寺跡(土塔)」、兵庫県小野市の「広渡廃寺」、まだ行っていませんが栃木県下野市の「下野薬師寺跡」です。

 

廃寺ではありませんが、当時の伽藍配置がわかるという点では、古代寺院が再建されている奈良の薬師寺や、大阪の四天王寺も「五つ」に加えても良いかもしれませんね。