かばんの中には大量の折り紙、

でも実は私、折り紙得意じゃない

という皆さま、ご機嫌いかがですか。

 

人には得意・不得意がありますよね。

私は手先の巧緻性は無いに等しいため、

折り紙は説明書を読んでも全く分からなかったです。

 

マニュアル通りに行かないのは、面接も同じ。

 

私はお受験第一戦でことごとく親の面接対策を自覚したため

お受験第二戦では、面接問答を過去問から集めてエクセルで管理していました。

 

するとわかってきます。

ふむふむ、聞き方は違えど、だいたい同じようなことを聞かれている。

 

例えば

 

「子どもにどのように育ってほしいのか」

 

この質問は

一見こどもへの願望を聞かれているように思いますが、

子どもにどのように育ってほしいのか、

そのために親はどのように育てているのか

つまりは家庭の教育方針を聞いているのだと思います。

 

 

 

さてお受験第一戦。

過去問をサラリと見て、だいたいの質問を確認するだけだった愚か者の私。

 

でもなんとなく、教育方針を聞いているのかな?くらいは分かりました。

 

 

そこに突然異彩を放つ、

 

 

「趣味はなんですか」

 

 

これはお見合いだろうか。

私の趣味が知りたいとは。

 

いや、小学校受験は「ご縁」だと聞く。

そうならば、趣味まで合う相手とご縁を結びたいと思うはず。

つまりはお見合いということか・・・!

 

そう脳内変換しました。

 

しかしここで大きな壁にぶち当たります。

 

 

私には、これと言った趣味も特技もない。

 

 

しいていえば、全ての手指の第一関節を曲げることができるくらいだ。

小学生の頃は、その技で絶大な知名度を誇ったことがある。

 

でもまさか面接で親が渾身の第一関節曲げを披露したら

大事故になる。

 

 

私が得意とすることを思い浮かべてみる。

 

 

睡眠、浪費、飲酒、妄想、関節曲げ

私の中には5つが特徴的な尖りを見せたゴレンジャーがいる。

 

 

これはまずい。

少しくらいは健康的な趣味をアピールしなくてはならない。

 

 

そう考えた母が向かった先は、ホットヨガ。

常温よりホットの方が「本気感」をだせるのでは

という謎の理由で体験に申し込む。

 

 

しかし最終的には「暑い」という理由で入会をやめた。

 

 

 

さて、「私の趣味」を装備して、向かうは3回目の面接。

 

 

「続いて、ご両親の趣味を教えてください」

 

 

キタ・・・!これか。

 

 

母は念のため聞き返す。

 

 

「趣味は、‘私の好きなこと’ということですか」

 

 

武士道は首都高速ですかと聞いているようなものだ。

 

 

一見同じように見えるが、

出口(答え)は違うというダンジョンに

私はまだ気が付いていない。

 

 

先生は顔色ひとつ変えず、

「そうです」

 

 

私はこの日のためにホットヨガを経験してきた。

ホットヨガの暑さについてなら、いくらでも語れる。

面接官の先生には、母の空回りしたやる気だけがひしひしと伝わっていたように思います。

 

 

「ヨガです、ホットの」

 

 

なんで「コーヒー、ホットで」みたいな答え方をしてしまったのか・・・

 

 

そこばかりが頭の中で回る。

 

 

次はデュオの相方の番だ。

 

今日の私たちは、あみんではない。

待つわ~(待つわ)の重なるパートをうまくパスする必要はないと

前回の面接で学んだからだ。

 

 

しいていうなら、今日は

藤谷美和子と大内義昭の「愛が生まれた日」だ。

 

私は私のことを話し、デュオは自分のことを話す。

そこにかけあいは要らない。

 

相方が言い終わった最後に優しく微笑んで頷けばいい。

それが「・・・・めぐり逢えた」のところだ。

 

藤谷美和子のようなアンニュイな微笑みを称えるだけ。

夫をアンニュイな微笑みで包む、つつましい妻だ。

 

 

「ではお父さまのご趣味はなんですか」

 

 

「サッカーを少々・・・」

 

愛が生まれた日 この瞬間(とき)に

真実はひとつだけ

あなたとならば 生きていける

 

君とだったら 生きていける

 

「・・・・めぐり逢えた」

 

母は頷く。自分史上最高のアンニュイを添えて。

 

しかしここまで来て異変に気づきました。

これは完全に私たちデュオのお見合いではないか。

私は学校とお見合いがしたい。

ここから先どうやって話を繋げたらいいのか・・・

 

 

しばし沈黙ののち、面接官の先生が重い口を開いた。

 

 

「ご両親の趣味だけを聞いているのではありません。

それを通じてお子さんとどのように関わっていらっしゃいますか?」

 

 

頭の上から大きなタライが落ちてきた。

完全に考えていなかった・・・

 

 

そうだった、学校は時間をわざわざ作っているのだ。

何が悲しくて、いい歳したおじさんとおばさんの趣味を聞く必要があるのか。

 

その言葉通りに「ヨガです、ホットの」という答えを聞いて、

学校がヨガは常温派かホット派をリサーチなんてしているわけがない。

 

 

めぐり逢えなかった・・・

 

 

 

今になって考えると

恐らく一般的な解答はこうだと考えます。

 

 

・ヨガを通じて健康の大切さを日々感じております。

そのため休日はなるべく子どもと外に出て、身体を動かしたり、

四季の移ろいを感じることで、心身の健康に努めています。

 

 

・最近では子どももサッカーに興味を持ち始め、一緒に試合を観戦しています。

そこに映る異国の選手の話から、世界には様々な国や文化があることを学ぶよう

導いております。

 

 

小学校受験の面接は

入口(質問)は何であれ、出口(答え)は

親の教育方針、親と子どもとの関わり方を聞いているのだと、

私はその時やっと理解しました。

 

 

 

タライのおかげで一回りたくましくなれた。

 

次は第4回戦。

なんとか気を持ち直して帰ったことを今でも鮮明に覚えています。

 

 

 

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