片道1時間半通学? うーんイケるっしょ★

謎の体感時間が作動している皆さま、

ご機嫌いかがですか。

 

併願校はおろか、第一志望も決まっていないし、

なんならもう全部出願したいと思ってしまいますよね。

 

私は小受第一戦は、考えられる学校全てに出願するという快挙

ううん、暴挙を成し遂げました。

 

私は片道1時間半もかけて出勤したら、

出勤しただけで自分を褒めてあげたいと思います。

よって、会社にいる間は来たる片道1時間半の帰宅を慮って

ひたすら省エネモードで最低限の動きをします。

 

 

小受の出願校選びにおいては、

なぜか通学時間を自分ごとに置き換えて考えられませんでした。

 

1時間半、

あなたにはその価値があるからっ…!

 

ロレアルメイベリンのキャッチコピーのごとく、

その時間には価値があると信じ込んでいました。

 

 

でもつい先日まで園で過ごしていた子どもが

いきなりある日から電車にのって1時間半も通学するのです。

 

あつ森で無人島に行き、いきなり借金まで背負わされるのと同じくらい

一度に飲み込むことができない事態です。

 

 

しかし我が家は小受第一戦時、

しっかりその無人島へ行こうと挑みました。

 

 

そう、受けられるなら受けたいという母のエゴで

大して対策していない、しかも伝統校を受験するという

負け戦以外何も未来が描けない予想図です。

 

 

何とか学校説明会には出席したものの、

大した熱意を伝えられない私の壊れかけのレディオ(願書)、それを携えてこの戦に挑む。

 

 

控えおろうー!

 

 

ついにその門をくぐります。

 

 

面接室に通されるまで、待機室で待つ。

皆さん持参した折り紙、絵本を使って時間を過ごし

なんなら家族の仲の良さを待機室でチェック中の先生にアピールする中、

私はただブツブツと呪詛のように志望動機を繰り返す

完全に壊れたレディオ。

 

 

ついに教室の前に通され、緊張はピーク。

名前を呼ばれ、一通りの挨拶をし、戦の火ぶたは切って落とされます。

 

 

「志望動機をお聞かせください」

 

 

母は呪詛を繰り返します。

ここはクリア。

 

母は第一関門突破により、この戦の大将然とします。

 

 

続いて

お子さんは異性のきょうだいですね。仲は良いですか。

 

これはイエス・ノー案件だ。

 

 

「イエス・・・!」

 

 

「どんなときにそう思われますか?

ご家庭でふたりは何をして遊んでいますか?」

 

 

この模範解答が、将棋やカードゲームだとは知らない第一戦。

 

母は必死で普段の生活を頭に思い浮かべます。

 

 

昨日は…あの人形ごっこをしていた…!

あの小さいウサギの、たくさんいるやつ。ハウスもあってさ…

黒いつぶらな瞳が可愛くて

大人でも好きでコレクションしてる人もいるやつ…!

 

 

必死で我が記憶との格闘をする母。

いつだって戦うは自分なのです。

 

 

 

 

「シルベスタファミリーです」

 

 

 

 

やった…!でてきた!

そうそう。シルベスタファミリー。

 

 

面接官の先生は、冷静に顔色一つ変えず

 

「あぁ、あの小さなウサギの人形ですね。うちの子どもの好きですよ」

 

 

よし…!
つかみはOK!

 

 

「ではお父さまに伺います。ご家庭ではお子さまたちはどんな風に遊んでいますか?」

 

 

かぶせてきた…!

これはデュオの出番だ。

 

まーつわー (まつわ)

いつまでもー まつーわー

 

 

もうデュオは2回目。気分はあみんです。

それでも私は岡村孝子ではない側の人間。

 

 

「絵本です」

 

 

よし!

シルベスタファミリーと違うカテゴリ、キタ!

 

 

「喧嘩はしますか?」

 

 

「しません」

 

 

「それはどうしてだと思いますか?」

 

 

どんどんこの戦は矢が刺さってきます。

 

交わす大将(母)。

 

 

 

「絵本を読んで、これはどう思った?とか話し合ってるからですかね?」

 

 

じゃない側の私は、

岡村孝子側の人へ繋ぐ。

少し控えめを装ったデュオ。

 

 

「そうですね」

 

 

新婚さんいらっしゃいか。

 

 

あの頃の私につたえたい。

 

デュオにうまく話を繋ぐのではなく、

まず自分が母としてどんな行動をして

子どもたちを教育しているのか、

その日々のなんでもないエピソードを交えて自分の教育方針を伝えることが大切。

 

まさにそれを先生は聞きたかったのだと。

 

 

 

 

「では最後に伺います。本校が第一志望ということで捉えてよろしいですか」

 

 

「ハイッ!!」

 

 

背中に致命傷となる矢が刺さっているとも知らず、大将はでていく。

 

 

つり目が、肩が、踏ん張るように外向きに開いた足が

ありったけのロッキーを発していた。

 

その足に履いた靴の名は、

サクセス・ウォーク。

 

 

 

まさに私がシルベスタファミリーの母だった。

 

 

 

 

 

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