ひぐまブログ-凶悪

 Amazon→凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)










「新潮45」編集部編


発行:新潮社(2009年11月)








これはホントに衝撃の内容ですね。


サブタイトルのとおり、ある死刑囚が告発をするわけですが、


数の問題ではないけれど殺しすぎです。





ある死刑囚、後藤死刑囚の告発、というか告白の一部を抜粋すると、


  ・・・焼却場で燃やして処分して始末した。


  ・・・消息不明では無く殺されているのです私たちに。


  ・・・山の中に、死体遺棄するに至る。





この告発を元に上申書を提出したことから、主犯の「先生」こと三上静男が逮捕、


起訴されるに至ったわけです。


「上申書殺人事件」または「上申書保険金殺人事件」といわれています。


しかし立件されたのは3件の告発のうちこの1件だけ。




まさにパンドラの箱を開けてしまったわけで・・・

今後の成り行きが注目されるわけで・・・



人の命を金に変える錬金術師、モンスターです。



ひぐまブログ-冤罪 ある日、私は犯人にされた Amazon→冤罪 ある日、私は犯人にされた

著者:菅家利和
発行:朝日新聞出版(2009年8月)


本編は本人からの聞き取りをもとに書いたのでしょうが、
母親の検事調書に書かれたコトバは衝撃的でした。

 「利和の顔も見たくありません 
  今すぐにでも死刑にしてもらって箱に入って帰ってきて欲しいと思っているのです」

そして逮捕以来一度も母親に会うことなく
服役中に支援者から「半年ほど前に亡くなった」と知らされる。

家族だけには無実を信じてもらいたいという思いもむなしく
面会に来たのはお兄さんが数度だけだったといいます。

彼だけでなく家族の人生も大きく変えてしまったこの事件とは何なのか。


自白を裏付けるような証拠は得られず
DNA鑑定でも疑問が残る
それでも無期懲役になってしまう
これは何を意味するのか。

新たなDNA鑑定も行われ、再審公判では自白テープが公開され、
近いうちにすべてでっちあげだったことが明らかになるかもしれません。

巷間言われていることで、菅家さん本人も言っていますが、
それでもイメージとしてのグレーさというのは少なからず
残って一生つきまとうわけです。

それにしても、被害者の下着に付着した精液と一致したと鑑定されたDNA型が
よくよく調べてみたら一致しておらず、そればかりか前提となる型の判定自体
間違っていた、というのは・・・


菅家さんと同じ、幼稚園のバス運転手という職業だったというだった一つの理由で
菅家さんの無実を信じて支援し続けた西巻さんというのはホントにすごい。
そして無実を信じて手弁当で再審を勝ち取った佐藤弁護士。
頭が下がります。



ひぐまブログ-介護入門  Amazon→介護入門


著者:モブ・ノリオ
発行:文藝春秋(2004年8月)


これは小説なのか、という問題がありそうですけど、芥川賞です。
受賞の背景には「介護疲れで身内を殺害」という暗いニュースが
増えてきた社会的背景があったのでしょうか。

5割増しくらいで「改行」が欲しかったです。。
何とも読みにくい。・・・それが芥川賞? 純文学?
純文学的には結構評価されていたりするんですね。

おもしろい、おもしろくないで評価しちゃいけないんですよね、きっと。


ハッパをキメながら介護って何とも中島らも的なにおいを感じていたら、
らも氏と同じ大阪芸術大出身で、らも氏の『頭の中がカユいんだ』の解説も書いていたりするんだとか。


YO 、朋輩(ニガー)のフレーズが出てくるたびに
「これはロックなのか?」と自分の心に問いかけました。
そこ以外はロックな文体なのになー

それにしても、介護は身近な存在になりつつありますね。