「主水の子孫が京都に現われた 仕事人vs暴走族」 中村主水 | 聖 神吾 hijiri-shingoのブログ

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「主水の子孫が京都に現われた

  仕事人vs暴走族」

中村主水 演-藤田まこと

 

この年(1982年)の大晦日が、偶然にも「必殺」が放映される金曜日で、テレビ朝日はこの点に着目した。

 

当時毎年70%以上の驚異的な視聴率を記録し続けていた「NHK紅白歌合戦」に、番組人気が絶頂に達しつつあった本作のワイド版を編成する方針を決定。

 

”打倒紅白”の重責を担う事となった製作サイドは、”時代劇の皮を被った現代劇”というスタンスを採る「必殺」にしか出来ない芸当を見せ付けるのです。

 

 

「紅白」に対して、マンネリズムを感じている視聴者層の取込みを図る目論見を立てました。

 

この方針の下、単なる本作の拡大版ではなく、レギュラー出演陣とその役柄、放映当時の世相を反映させたストーリー展開、コメディ要素の多用など採用。

 

本作のプロットをそのまま現代劇に流用した、”セルフパロディ”作品として同エピソードを企画したのです。

 

 

時代劇の枠をあえて外して”現代劇作品”として、尚且つバラエティとドラマを融合させた異色の番組構成で放映されました。

 

「紅白」を相手に関西で15.9%、関東でも11.2%の高視聴率をマーク。

 

当時、「紅白」の真裏の民放各局の番組視聴率は、総じて一桁台に低迷するのが普通で、二桁の大台に乗せる事はほぼ不可能に近いとまで捉えられていたようです。

 

 

一方、この「必殺」サイドの健闘の煽りを受ける形で、この年の「紅白」の視聴率は久々に関東地区で70%の大台、関西でも6%台を割り込む結果に。

 

この放送史上に残る”大番狂わせ”を「仕事人」は演じたのです。

 

 

そして「仕事人」に対して、放送業界・視聴者からの注目が一段と高まり、ブームは翌年以降、更に過熱化の一途を辿ってゆく。

 

主題歌「冬の花」(歌:鮎川いずみ)が番組内での宣伝が功を奏す形で、有線放送を中心にロングヒットとなりました。