新必殺からくり人 噺し家 塩八
演-古今亭志ん朝(三代目 古今亭志ん朝)
口八丁の人気噺し家で、高座名は「今昔亭塩八」。
明るく、口達者な一座のムードメーカーで、お調子者。
女好きで色街への訊き込みなどは喜びいさんで出かけ、次の興業地への先乗りなども務める。
本業で培った巧みな話術で情報収集をはじめ、次の逗留地への先乗り調査など活躍する。
催眠術を使って標的を催眠状態にし、屋根に上らせてから転落死させるなど、自害させることができるのですね。
とんでもない殺しの技ですよ。
探索中、敵に狙撃されて瀕死の重傷を負ってしまう。
それでも陽動のために高座に上がり、顧客の拍手喝采の幻を見ながら舞台の上で息を引き取る。
芸人ということで墓は犬猫並みであったが、実は歴きとした旗本の出だったのですね。
このことは座長のお艶しか知らないことである。
さて、本作に出演する山田五十鈴、緒形拳、芦屋雁之助、ジュディ・オング、このキャスティングは「からくり人」と同様ですよね。
タイトルも相まって、続きものかと思われましたが、新しい展開を見せてくれました。
それが江戸を飛び出し京へ向かう殺し旅です。
安藤広重がただ一人の殺しの依頼人となり、各地で見聞きした恨みや気にかかることを絵に込める。
火で炙るとその部分が赤く浮かび上がるという仕組み。
からくり人たちはそれをヒントに標的を探っていくため、謎解き要素も含まれるのです。