『必殺! THE HISSATSU』
柳橋のお甲 演-朝丘雪路
表稼業は柳橋の芸者で、主水とは別チームの仕事人の元締。
外道仕事人、「六文銭」の一味からの誘いを断ったため、仲間の一人が命を落としてしまう。
お甲も自宅に籠城を決め込むが、山王祭の日に六文銭一味の大神輿に家を破壊されて、さらに侵入後に連れ去られる。
仲間共々、壮絶な最期を遂げるのです。
本作は「必殺シリーズ」通算600回記念として製作された作品で、『必殺仕事人IV』がベースとなっています。
『必殺仕事人Ⅳ』が仕事人ブームの絶頂期に位置する作品であり、この時期、頂点を迎えた必殺人気の勢いは、テレビだけに留まっていません。
その結果が劇場版というわけです。
関西地区で平均30.9%、最高37.3%という当時の22時台の番組としては驚異的とも言える高視聴率をマーク。
概して、関西よりも大きく数字の落ち込む傾向の高い関東地区でも平均18%、最高22%と安定した数字を記録しました。
「新・仕事人」の頃からパロディ色の強いエピソードや、バラエティ的な演出手法を取り入れたシーンが数多く製作・挿入されるようになりましたよね。
シリーズ全体の基本的な作風もソフトタッチに転換。
これらの試みが「仕事人Ⅲ」~「仕事人Ⅳ」の時期に最盛を極めることとなる”仕事人ブーム”の布石となった。
前作の人気を受けて、「余裕」のあふれる娯楽番組のトップとして、全国を巻き込んだ必殺ブームが起こったのです。
お遊び満載となり、「裏稼業」の血生臭さや後ろめたさは完全に払拭されました。