『必殺仕掛人 春雪仕掛針』 音羽屋 半右衛門 | 聖 神吾 hijiri-shingoのブログ

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本来であれば、作家活動の記事をアップするところなのですが、そう毎日毎日ネタもなくて……。
半分、趣味の内容になっています。

 

『必殺仕掛人 春雪仕掛針』
音羽屋 半右衛門 演-北村 聰

 

口入屋を営む半右衛門のもとには、職を求める者たちが引きも切らずにやって来ますよね。

 

彼らと接する日常で、暗黒街の元締として、常に裏の眼も光らせているのです。

 

仕掛人になれそうな人間の品定めというわけですね。

 

 

半右衛門の眼が江戸へ逃げて来た梅安の鍼と、仕掛人の資質を見出し、さらに辻斬りをしていた左内の腕に目をつける。

 

ここに陽気な暗殺者の梅安、家族思いの剣豪の左内という、違うタイプの仕掛人がそろい、裏稼業の受け口が広がった。

 

 

力のない者には温情をかける一方、私利私欲に走る者や、偽りの依頼をする者には死が待っています。

 

弱い者を理不尽に虐げる悪党には、特に容赦がない。

 

半右衛門を手玉に取ろうとした者は、命を代償にその恐ろしさを知ることになる。

 

 

指令を出すだけではなく、敵陣に単身乗り込み、自ら制裁を加えることも多々ある。

 

女房を見殺しにしても掟を守る、この気概は、必殺シリーズのおける元締の基準となり、以降も継承されていくのですね。

 

 

半右衛門は頼みの詳細を仲間には決して教えません。

 

私の胸先三寸に収めればいいこと、その心配は一切無用、知れば殺しの気が散る、思い余って頼みに来た人に難が及ばぬよう、などが理由でしょうか。

 

卑劣な悪人たちによって泣いた人たちの心を、自分と仕掛人との信頼関係で築き上げる。

 

それは元締が自分に課した掟のようです。