バス運転士を目指す人へ(2) | バス次郎の徒然なるままに〜無意識の中のもう一人の自分〜

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あるときはエンジニア、またあるときはゲージュツ家、そしてまたあるときはバス運転士、その実体は心理学者(臨床心理・人間科学)でもあるバス次郎のブログへようこそ!!

こんにちは。

 

今日は、これからバス運転士を目指す人にとって独車(一人で営業運転できる=一人前の運転士)までの道のりについて解説しようと思います。多少バス会社によって細かいところで違いがありますが、大枠は法律により共通しています。

 

 

まず、バス会社と言っても種類があります。大きくは電鉄系と非電鉄系に分類できます。さらに大手や中小というような分類ができます。

 

 

 

バス会社の種類

 

■ 電鉄系と非電鉄系

 

 ● 電鉄系バス会社:鉄道事業を行っている会社が公共交通としてバス事業を行っている会社。

 

 ● 非電鉄系バス会社:非電鉄系は会社の成り立ちも様々です。

 

 

■ 大手バス会社と中小バス会社

 

 

■ バス事業の制度(新免許)改革

 

これはバス会社設立要件や許可制度の話なんですが、2002年のバス事業の規制緩和によりバス会社の設立そのものが大きく変わり、バス事業への新規参入が出来るようになりました。これにより、古くからバス事業を行っているバス会社では路線の撤廃や事業縮小などに拍車がかかり現在に至っています。

 

 

■ バス事業の中身

 

 ● 一般乗合:路線バスのことです。

 

 ● 高速乗合:高速道路を使った都市間移動の路線バスのことです。高速バスのこと。

 

 ● 貸切:観光バスのこと。

 

 ● 特定:病院送迎、学校送迎、福祉バスなど特定の契約に基づくバスのこと。

 

 

 

 

 

バス運転士になるために必要な要件

■ 運転免許

 

 ● 大型2種免許が必要です

 

■ 経験

 

 ● 大手:未経験可が多く自社の養成制度により免許取得も可能

 

 ● 中小:バス・トラックなどの経験者を採用するところが多い

 

■ 学歴

 

 ● 学歴不問が多いです

 

 ● 近年、大手などは大卒運転士も増えている傾向があります

 

 

 

■ 年齢

 

 ● だいたい40〜50歳までであれば運転士養成制度の利用が可能です。

 

 

 

■ 健康状態

 

 ● 持病がないこと。特に重大な病気の原因となる因子がないこと

 

 

■ バス会社への応募

バス会社を受験するにあたっては以下の書類が必要です。

 

 ● 履歴書

 

 ● 職務経歴書

 

 ● 運転記録証明書(5年)

 

 ● 運転免許証

 

 

■ 書類審査

最初の関門が書類審査です。

ここを通過しなければ話になりません。

 

バス会社は通年募集が殆どですが最近の傾向から見ると、受験倍率は結構高くなってきていると思います。たとえ経験者でも普通に落とされるます。書類作成のポイントはズバリ「志望動機」です。

 

 1)何故、バス運転士になりたいのか?

 2)どんなバス運転士になりたいのか?

 

そんなことが書かれているとポイントが高くなります。

書類は他の受験者が書いているようなことを書いてもダメです。

 

 

■ 試験

試験はだいたいどこのバス会社でも同じように行われています。

 

 

 ● 面接

  ・必ず聞かれる、志望動機が一番大事です

 

 ● 筆記試験

  ・学科試験の内容は会社により異なります

  ・作文を書かせる会社もあるようです

 

 ● 適性検査

  ・クレペリン検査や性格検査が行われます

  ・NASVAの初任運転者適性検査でやるような適性検査

 

 ● 実技試験

  ・大型免許所持者:9mタイプの貸切車や11mタイプの路線車を使って30分くらい走ります

  ・大型免許以外の所持者:会社によって違いますが2トンクラスのトラックやハイエースなどを使っ

    て試験します。

 

 ● 健康診断

  ・普通の健康診断の他に以下の検査が行われます

   ・睡眠時無呼吸症候群検査

   ・脳波検査

   ・視野検査

   ・深視力検査

 

■ 採用後

 

 ● NASVA で初任運転者適性診断を受けます。国土交通省のバス運転士の名簿に登録されます。

 

 ● 基礎研修開始

 

  期間は大体1ヶ月くらい掛けて行います。法律により定められている時間は座学が10時間以上、

  実技が20時間以上で合計30時間以上の研修が必要になります。

 

  バスの特性や安全、乗務員の仕事を覚えます。

  この期間は会社によって異なりますが、アルバイトや契約社員とするところが多いようです。

 

   − 学科(道交法・運送法・旅客取扱などを学びます)

   − 実技(運転訓練、点検・軽整備などを学びます)

   − 見極め試験(路線バスサイズ(11m)で試験を行います)

 

 

 ● 配属後研修

 

  期間は大体1ヶ月〜3ヶ月(人によって異なります)くらい掛けて行います。

  配属後の研修期間は試用期間とするバス会社が多いです。

 

 

  配属後はさらに深く専門的な研修になります。実際に自分が運転する車両(大体最初は路線バスか

  特定バスから始まります)を使って訓練を行います。運転技術、経路は勿論ですが、機器の操作や

  アナウンスなどを学びます。

 

  研修の終わりに見極め試験に合格して路線バスや特定バスの乗務員としてスタートします。

  多くのバス会社は、ここでやっと正社員になれます!!

 

 

 

■ その後の研修

 

 路線バスから高速バスや貸切バスに乗務するためには、路線や特定での経験年数の他にさらに研

 修が必要になることが多いようです。

 

 

 ● 高速バス乗務のための研修

 

  路線バスや特定バスから異なる車両を運転する際は研修があります。

  高速バス特有の学科や実技があります。実際に高速道路を回送で走る訓練や営業運転での研修

  があります。

 

  研修の終わりに見極め試験があり、合格すれば高速路線バスの運転士になれます。

 

 

 ● 貸切バス乗務のための研修

 

  貸切バスに乗務する際も貸切バス運転のための研修があります。

  回送訓練と共に営業運転もあります。行き先は様々です。簡単なところや難しいところなどあります。

 

  研修の終わりは見極め試験があり、合格すれば貸切バス運転士になれます。

 

 

 

■ その他、運転士になってもいろいろなハードルがあります

 

 ● 年2回の健康診断

  バス運転士は年2回の健康診断が義務付けられています。

 

 ● 雪道訓練やフォローアップ研修

  ・冬の雪道を走るための訓練を雪国に行って実際に雪上で訓練します。

  ・タイヤチェーンの付け方も学びます。

 

 ● 社内の研修や勉強会に出席

  ・ヒヤリハット事例:ドライブレコーダーを使った映像を見て学びます

  ・安全研修:外部の専門講師に依頼し安全意識を高めるための研修です

  ・その他チームごとの勉強会を定期的に開催

 

 

 ● 指導運転士昇格試験

  ・指導運転士になるためには法令、運転技術、接偶、管理など様々な点で総合的に優れ、且つ、

    上司の推薦により昇格試験の受験が可能になります。

 

 

 

このようにバス運転士になると言っても決して簡単ではありません。何度も社内試験に合格しなければ独車させてもらえません。当然のことです。そして、路線バスが運転できるようになっても高速バスや貸切バスが運転できるわけではないのです。いくつものハードルを乗り越えていかなければなりません。

 

法律に「運転者の選任」といって、会社は運転士を選任した責任があるわけです。だから国によって決められた教育プロセスに基づいた教育管理や健康管理など徹底した管理によっていくつものハードルを乗り越えなければならないのです。

 

 

今日は、バス運転士を目指す人のためのステップについてのお話しでした。

 

これからもよろしくお願いします。m(_ _)m