バスは急には止まれません | バス次郎の徒然なるままに〜無意識の中のもう一人の自分〜

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あるときはエンジニア、またあるときはゲージュツ家、そしてまたあるときはバス運転士、その実体は心理学者(臨床心理・人間科学)でもあるバス次郎のブログへようこそ!!

こんにちは。

 

今日はバスの発車と停車について書きますね。

 

 

バスの運転士になった頃はなんでバスってこんな理不尽な仕打ちを受けなければならないものだろうかと思っていました。

 

 

例えば、いきなりバスの前に割り込んでくる車、バス停から発進する際に入れてもらえないこと、歩行者信号が赤なのにバスの目の前を横切る歩行者・・・・など。

 

 

まぁ、百歩譲って、あんなデカい車がトロトロ街中を走る訳だから一般のドライバーから見たらきっと邪魔なんだろうなぁ・・・。と、思うのです。しかし・・・、バスはあんなに大きな車体で路線バスでさえ10トン以上あります。高速車や貸切車は15トン以上(メーカーや装備により異なる)あるわけです。

 

 

 

だからバスは加速もトロいし停車に至ってはゆっくり少しずつしか減速できないのです。

さらにお客様が乗っているわけだから、急ブレーキなんて最悪過ぎます!!

お客様が怪我されたら社内人身事故扱いになるわけですよ。

 

 

 

あんな重たい重量物が簡単に加速できないように簡単に減速できないのは理科でも習ったでしょ?

だから、僕たちバス運転士は相当先まで先読みしながら運転していて急の付く動作はしないようにしているんですね。

 

 

 

それと、バスのブレーキって足の指先で軽く調整しながら踏むんです。乗用車のようにベタって踏むことはしません。そんなことしたらカックンブレーキになってお客様に衝撃を与えてしまいますからね。だからアクセルワーク以上にブレーキワークは神経使っているんですよ。

 

 

このブレーキワークが新人の頃は中々出来なくて苦労しました。どうしてもカックンってなるんですよ。

足の指を使って「抜く」という動作を入れることによって衝撃を少なくすることができるんですが、これを身につけるまでは結構時間が掛かりました。

 

 

 

バス運転士のあるあるですが・・・、

 

 

走行中にいつもと違うタイミングで信号(連動信号が非連動になったり)が変わることがあります。ブレーキをかけても停止線手前で停車出来ない場合どうする?

 

 

バスは急ブレーキを掛けることなく補助ブレーキを駆使しながらいつもどおりに停車しますが、当然停止線を越えます。ただし、これも状況によって、例えば横断者がいればとにかく当然停車しますが、横断者がいない場合ブレーキを掛けることにより社内人身事故を誘発してしまう状況であれば最悪、安全確認の上進行してしまうことも稀にあります。

 

 

バスは急には止まれない!!

 

 

 

 

以前のブログにも書きましたが、

 

発車も停車も曲がるときも加速するときもすべての動作がお客様に気付かれないように運転するのが

理想の運転です。僕もまだまだこの域には到達できていません。

 

 

だけど、神がかった運転士さんっているんですよ。

本当に曲がったのか減速したのか分からないくらいの運転する運転士さんもいます。

そういう運転士さんの運転って一連の動作がスムーズなんですよね。

本当に凄いなぁと思います。

 

 

今日はバスは急には止まれないお話でした。