今回は「芝村陣屋」(奈良県桜井市)に向かいます。前のブログで紹介した「柳本陣屋」とは、兄弟の仲のような間柄です。

 

柳本陣屋 https://ameblo.jp/highhillhide/entry-12576313956.html

 

「芝村陣屋」跡に建つ「織田小学校」とその城郭風の校門

 

JR「万葉まほろば線」の「柳本駅」から乗車して次の駅「巻向(まきむく)駅」で下車して徒歩で20分です。

 

「巻向駅」前には「柿本人麻呂屋敷」跡がありました

 

途中、畑地の中を歩くコースを選びましたので、風が非常に強く寒いでしたが、あちらこちらに点在している古墳群が古代に招き込んでくれるような感じを受けました。

 

「ホケノ山古墳」

 

南西方向には、こんもりと木々が生えている小山がありましたが、地図で確認すると「箸墓(はしはか)古墳」です。

 

あの有名な「箸墓古墳」、邪馬台国の「卑弥呼」の時代に近い時代のお墓、また日本最古級の古さとかで一躍有名になったお墓です。こんな身近な所で、出会えるとは想像もしていませんでした。

 

「箸墓古墳」

 

それを横目で見ながら「芝村陣屋」跡である「織田小学校」の裏側に到着しました。

裏に当たる北側には、「堀」代用の「弁天池」が北から西側にかけて折れ曲って横たわります。

 

「芝村陣屋」の「堀」代用の「弁天池」

「堀」代用の「弁天池」

「弁天池」越しに見える陣屋跡に建つ「織田小学校」

 

小学校沿いの脇道を進み表に出ますと、「織田小学校」は白壁の土塀に囲われ、正面には「城門」風の立派な校門が建ちます。白壁には、狭間を意識した大きな窓が左右二つずつ配し、正面の城門風校門の内側は海鼠壁風にタイルを貼り替えています。

 

陣屋跡の石垣上に建つ「織田小学校」の白壁(南東隅)

陣屋跡の石垣上に建つ「織田小学校」の白壁(南西隅)

城郭建築風の「織田小学校」校門

 

再現された白壁の土塀の下には、当時の石垣が南側とその両側に途中迄残っています。

 

城郭建築風の「織田小学校」校門と石垣

 

そして校内の中を覗くと右手の校舎には、「織田家」家紋の大きな「木瓜」が貼りついています。「織田小学校」の名前の通り、正に「織田家」の学校なのです。

 

「織田小学校」校舎に付く織田家家紋「木瓜」

 

ちょっとここで、「芝村陣屋」の藩主(城主)について触れておきます。当藩の藩祖「織田長政」は、「柳本陣屋」藩主(城主)の藩祖「織田尚長」とは兄弟で、「織田信長」の弟であった「織田長益(有楽斎)」のそれぞれ四男、五男です。

 

先日のブログでも記載しましたように、元々は父親である「織田長益(有楽斎)」の領地の内1万石ずつを分けて得た領地で、「長政」は当初、「戒重(かいじゅう)陣屋」(奈良県桜井市)に居を構えていましたが、1745年7代藩主「輔宜」の時に「芝村」へ陣屋を移し幕末まで続きました。

「戒重陣屋」跡(現在は「春日神社」、写真は随分前に撮影したもの)

 

陣屋跡西側の細い道路を入った左手には、「稲荷神社」と「建勲神社」が同じ境内の中に建ち、その敷地の北隅には近年に造られたような「織田信長」の座像がありました。

 

 「稲荷神社」と「建勲神社」

「織田信長」座像

 

「芝」の旧家が並ぶ中を抜けて国道169号線沿いには、「織田家」の菩提寺である「慶田(よしだ)寺」が建ちます。非常に立派で厳かな寺院で、その正門には「芝村陣屋」の「陣屋惣門」が移築されています。正面向かって右側には番所を設け、潜戸もある長屋門形式の門です。長い白壁の塀の向こうに見える正門は、古都のお寺の雰囲気を感じさせるモノがありました。

 

城下の古い町並み

城下の古い町並み

「芝村陣屋 惣門」(現在は「慶田寺山門」)

「芝村陣屋 惣門」(現在は「慶田寺山門」)

「芝村陣屋 惣門」(現在は「慶田寺山門」、番所が付く)

「芝村陣屋 惣門」(「慶田寺山門」と土塀)

 

また、寺院内には、「織田長政」から歴代藩主の墓碑がありますが、特に四代までの墓碑は立派で目を引く存在でした。

 

織田家菩提寺「慶田寺」内の初代「織田長政」墓碑 

織田家菩提寺「慶田寺」内の織田家墓碑 

 

さて、ここからJR「三輪駅」まで歩いて行きましたが、途中にはあの三輪素麺で有名な「池利」の本社ビルの横を通り、「三輪明神」の大鳥居の下を潜って駅舎に向かいました。ここからJR「桜井駅」まで一駅乗り、近鉄「桜井駅」から「近鉄大阪線」で大阪方面へ戻りました。

 

「三輪明神」の大鳥居

 

今回の奈良お城巡りでは、奈良の観光スポットで鹿がたむろする「奈良公園」をバス内から眺め、最後の「三輪明神」でも鳥居下をスルーするだけの、お城巡りに徹した日帰り小旅行でしたが、非常に満足をして帰宅することができました。  

 

下記バナーのクリックをよろしくお願いたします。


お城巡りランキング
街並み巡りランキング