風に揺れる穂。流される飛蝗。
波風に晒され、軋む芝。
舞う砂を踏みしめる感覚が心地良い。
企画前日。
砂つぶのように転がる無数の言葉たちの中で俺はなにを選び歌うのか。
いつもそうだ。
その瞬間。
ステージに足をかけ、最初の音鳴らすまで。
ずっとずっと、この胃の奥が温く蠢く感じ。
脳髄から這い上がる液体に体が騒つく感じ。
いつもそうだ。
ずっとずっと、不思議で、新鮮な気持ち。
ずっとずっと、この気持ちで俺は、大切な言葉をステージで掴み取り続けるんだと思う。
明日の出演者について。
書く。
GRANDSTAND
彼らと出会うそのずっと前からシンパシーを感じていたのは俺だけだったのかもしれないし、そうじゃなかったのかもしれない。
相容れないことはないにせよ、GRANDSTANDとHIGH BONE MUSCLEじゃ音楽性って意味で少し違っていたりする。
それでも俺は、最初からこのバンドのこと、信じられた。
歌に込められた真っ直ぐ過ぎるメッセージが、ひかる君とゆうき君そのままだったから、それはますます確信に変わった。
俺が目を伏せて言えなかったこと。
グラスタは真っ直ぐ目を見て伝える。
ヒーローだと、思う。
BOYS END SWING GIRL
冨塚もそうだ。
真っ直ぐ人の目を見て、笑っちゃうくらいの真実をサラッと俺に叩きつける。
出会った時の若さをそのままに、進化していく彼らの音はより磨かれているし、なにより言葉に背中を押されるのってこういうことなんだなと。
受け止められず立ち止まる俺たちのそばで、煌々と輝きを放ちながら、それでもしっかり手を差し伸べてくれる。
少しの勇気があればいい。
ボーイズの音はそんな風に優しく、心を撫でる。
サンストの、大切な仲間だ。
the irony
音楽の道を歩いていくうちに出会う数々の人。
音。バンド。
きっとthe ironyの測り知らぬところで、俺たちは彼らの背中をずっとずっと見ていた。
見させられていたのかもしれない。
こうして同じ日、同じ場所、同じステージで音を鳴らす日がくること。
分かっていたような、でも、そうじゃなかったような。
アキトさんの音楽に対する意志だとか、バンドに、仲間に抱く想いが乗った彼らの歌は、ライブハウスにいる全ての人たちに宛てられたメッセージだ。
バンドも。リスナーも。箱に対してもそう。
このバンドが放つ嘘偽りなき純真な音に、俺たちは俺たちの音で、応えようと思う。
抱え切れないくらい、俺たちにとって大切な意味を持つバンド。
それがthe ironyだ。
俺が目を背けてきたこと。
眩しくて手を翳し、わざわざ遠回りしながら避けてきた道の真ん中にいるのがこの3バンドなんだと思う。
俺が憧れていながら認められずにいた、そういう一種の偶像のような。
でもそれは、関わらなかった俺の勝手な想像だった。
血の通った言葉があって、熱い魂がそこにはあった。
彼らのライブに胸打たれる瞬間があって、だからこそこの大切な日を共にすることを決めた。
そして彼らは選んでくれたんだ。
FILMS scene-3を。
それなら俺は。
HIGH BONE MUSCLEは。
出し得る全てでもって、ステージの上。
真っ直ぐあなたの目を見て歌おうと。
鳴らそうと思う。
俺たちのやり方で、ね。
9/28(木)渋谷Star lounge
【FILMS scene-3】
act
HIGH BONE MUSCLE
the irony
GRANDSTAND
BOYS END SWING GIRL
OPEN/START 18:30/19:00
adv/day 2500/3000
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大切な日、迎えに行きます。
どうか、よろしく。