右上奥の歯の根っこが炎症を起こしていて、治療をする必要があった。
この歯はおそらく25年ほど前に治療した歯で、3本の根っこのうちの1つがかなり湾曲しており、奥まできちんと治療ができずに薬剤が途中までしか詰められていない状態だった。
その根っこの先端が炎症を起こしていて、歯槽骨が溶け始めていることが、CT撮影で判明した。
というところまで、先月の記事に書いた。
年が明け、歯の治療を進めることになった。
金属の被せものを外した歯科医は、うーん…と唸った。
どうやら、歯に小さなヒビが入っているらしかった。
「歯にヒビがあると、どうしてもそこが細菌の通り道になる。歯が完全に割れてしまっていれば抜くしかないが、今はまだそこまでの状態ではない。でも、どうしても細菌が入り込むから、いずれはまた炎症を起こす可能性がある」
はぁ、そうですか。
…で、だったらどうすれば?
「ひとつは、このまま治療を進めるか。あるいは、見なかったことにして、また被せてしまうか」
ええ?
後者の場合、無駄に金属の被せものを外してしまったってこと?
結果論とは言え、それはちょっと悲しすぎる。
それに、このまま治療しないで放置したら、溶け始めているという歯槽骨はどうなるんだ?
せめて、一時的にしろ、今の炎症を抑えた方がいいんじゃないの…?
いろいろな疑問が、一瞬のうちに脳内を駆け巡った。
だけど、結局は質問せずにこうお願いした。
「このまま治療をお願いします」
せっかく金属の被せを取ってしまったんだもの、できることはやってもらおう。
ということで、治療スタート。
根っこの掃除をし直して、仮の被せをするところまでおこなって、次回となった。
根っこが湾曲しているため自費診療のマイクロスコープを勧められていたけれど、保険診療内での治療を選択したので、本当にちゃんと根っこの奥まできれいにできたのかはよく分からん。
25年前?に治療してもらったときは、歯科医がとても苦労していた記憶がある。(多分、この歯だったと思うが、他の歯の可能性もある)
それに比べると、今回はかなりあっさりと治療を進めていたように感じた。
治療を見ているわけじゃないから、そんな感じがしただけだけど。
昔は、もっと原始的にゴリゴリと棒状のやすりで根っこを削っているような感覚があった(あくまでも、治療を受けているときの感覚ね)。今回は、なにかピッピッと電子音がする器具を使っているようだった。
まあ、25年も経つと、いろんな便利グッズが開発されたのかもね。
今回、初めてラバーダムというものを経験した。
今どきの歯科クリニックでは一般的なのかな?
歯科医による治療のあと、引き続き歯科衛生士のチェック。
前回、せっかく歯茎の出血箇所が減っていたのに、また増えていた。残念。
歯肉炎を完全になくすのは難しいな…
歯周ポケットは奥歯がどうしても深くて、一番深いところで4 mmある。
4 mm以上は歯周病の判定になり、その場合、このクリニックでは1か月ごとに歯茎のチェックが入るようだ。
なので、奥歯の治療の次回予約と、歯茎チェックの次回予約の2つの予約を取った。
しばらくは歯科クリニック通いが続きそうだ。
と思っていたら、スマホに歯科クリニックから電話がかかってきた。
なんだろう?と不思議に思いながら電話に出た。
若い女性が「次の診察の予約が入っていないので、連絡をしました」と言った。
あれ? 予約を取って帰ったはずだけど、なにかミスがあって予約が入ってないのかな?
「予約が取れてなかったんですね」
「前の診察から期間が長く開いているようなので、確認のお電話をしました」
「? この前、診察を受けましたよね…?」
と言ってから、ハッ!と気がついた。
スマホの画面に表示されていたのは、今通っているC歯科ではなく、前に通っていたB歯科だ! 自分でスマホに登録した「○○歯科クリニック」という登録名の「歯科クリニック」のところだけを見て、つい先日受診したC歯科だと思い込んでしまい、相手が名乗った○○歯科というのも聞き逃してしまったのだ!
うわあぁぁぁぁー! しまったぁぁぁぁー!(滝汗)
「あ、えっと、違いましたね。間違えました」
と慌てて否定したのだが、相手は状況をすっかり理解したようだった。
「ああ、今は違うところに行かれているんですね」
「うっ…、す、すみません…」
「いいですよー。では、そういうことで」
「はい、失礼します…」
別に悪いことをしているわけではないはずなのに、なんだ、この後ろめたさは。
わたしは「全国医療情報プラットフォーム」の構築に大賛成の立場なんだけど、それってつまり、ドクターショッピングも全部丸見えになるってことなんだよね(汗)
ふぅ…嫌な汗かいたわ。
もっと厚かましくなりたい。
いや、もう十分厚かましいおばはんだけどさー