エアロスミスの11年ぶりの新作『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!』発売を記念して、担当してた時代の裏話をちょろっと・・・。今だからこそ笑い話にできる、というか笑い話にできる程度の話だけ書いとりますが、その第三弾。
●今だから語れる地獄の裏話3~ああ涙のロボット・ウーマン。
今回の新作のひとつ前2001年『ジャスト・プッシュ・プレイ』。ジャケットのイラストは日本人の空山基(そらやまはじめ)さんの作品でした。SONYのAIBOのデザインも有名です。
http://www.sorayama.com/
http://www.ntv.co.jp/sukkiri/contents/times/2010/0326/times.html
そのジャケットに写ってるのが「ロボット・ウーマン」。
2001年3月プロモ来日した時、TVパフォーマンスの時にはこの絵柄の垂れ幕を背景にしてくれと言われ、5本くらいステージにつるしてもらいました。まあジャケットになってるので、これはわかる。でも、本番にはこの「ロボット・ウーマン」を実際に登場させるって話になったんです。
最初はマネキンでも置いとくのかと思ったら。それでは駄目だと。JADEDの曲に合わせて「動くんだ」と、わかったような、わけのわかんないような話になってきて、要するに当然誰かが着なければならないわけで、海外から事前にいろんな指示がきました。
衣装はジャケットと同じようなヘルメットとぴちっとしたシルバーの全身タイツに黄色いドレス・・・が海外から送られてくるので、それを着る人を5人用意してくれと。
服のサイズの問題か?身長がこれくらいの方で、これくらいのサイズで・・・なんてのとともに金髪の外国人の女性にしてくれ!?というわけわかんないリクエストも。
ヘルメットかぶるのになんで金髪???なんて思いつつ。
いろんなルートで外国人のモデルの事務所みたいなところにお願いして派遣してもらいました。
そして、初登場は前回も書いたTV生番組でのパフォーマンス。まず最初のリハーサルは前日。その日は2時間のスペシャル特番だったのでたくさんの日本のアーティストのみなさんも出るので前日仕込みで仮のリハをやり、本番当日は通しでリハーサルという段取りに。エアロ側のスタッフはバンド周りのぞいて総勢40人くらいだったでしょうか。ツアマネ、プロダクションマネージャー、パーソナル・アシスタント、サウンド、楽器テック・・・もうなんでそんなにいるの?ってくらい。誰が誰だかわからん。ほとんどツアーで回ってる規模。エアロが演奏するってことは、こういうことなのね、と感心しつつも、結構地獄だったのは、彼らはエアロの完璧な音を再現するためだけにしか考えてないので、そこは日本側の事情なんておかまいなし。突然勝手にいろいろやりだしちゃって、番組乗っ取り状態(みんな勝手にトランシーバー使いだしちゃったり!!周波数の問題あるのに!)。日本のTV側の事情もちょっとは考えてよ・・・ってことばかりで、平謝りの嵐。
まあ、それはそれとして、前日のリハーサルはエアロの皆さんは出ずに、日本のエアロスミスのコピーバンドのAEROSMILEの皆さんにお願いしてやっていただきました(その節はありがとうございました!)。ロボットウーマンにも来てもらったんじゃないかと・・・。その時にエアロのスタッフから「JADEDのパフォーマンス中は曲に合わせてポーズを変えて動いてみてくれ」なんていわれて、頑張ってやってくれました。すったもんだはしましたが、なんとかその日は終了。
本番当日、エアロスミスのメンバーも来たリハーサルで、ロボット・ウーマンの皆さんと初顔合わせ(っていってもヘルメットかぶってますから顔見えないですけど)。
昨日のリハーサル通りにロボット・ウーマンの皆さん頑張ってくれました。「JADED」の曲に合わせてちょっとづつポーズ変えてくれて。バッチリと思ってたら。
急にスティーヴンがロボット・ウーマンの皆さん集めて一言
「お前らなんで動くんだ?」と激怒
ええええ、昨日動けっていってたじゃん。ロボット・ウーマンの皆さんもキョトンって感じだったでしょうね(ロボットのメット被ってるわけですから表情わからんですけど)。
「動かなくていいから、こういうポーズでじっとしてるんだ」
とスティーヴンがポーズをとって指示だし。
スティーヴンも悪気はなかったんだろうけど、何もそこまで言わなくても・・・って感じ。
天下のスティーヴン・タイラーから直接ダメ出し食らったからモデルのおねえちゃん達もショックだったろうなあ。言われた通りにやってたのにね。。。
あとは指示通り、おっしゃる通りやるしかない。動くなって言うんだから微動だにできない。
そして、もう一回リハーサル。
終わったら、スティーヴンは満足そう。
そして、ロボットウーマンの皆さんに笑顔でニッコリ。
そう、この「笑顔」・・・これでみんなノックアウトされちゃうんですよ。。
いろいろ大変なことや理不尽なこともあるんですが、みんなこのヤンチャそうな笑顔でオッケーになっちゃう。いやほんとに不思議な人だわ。
しかし何が大変かってロボットウーマンの衣装。フルフェイスのメットは結構重くて、全身タイツなわけですから、とんでもなく暑い。かつ変なポーズでじっと止まってなければならないので、ほとんど「苦行」。脱水症状寸前だったみたいです
ロボット・ウーマンの皆さんはその後もいろいろなところで登場。渋谷スペイン坂スタジオでラジオの生放送に出演した時にも、バンがスタジオに横づけになり、もしやエアロか?とあたりが騒然とした状況の中、車から降りてきたのはロボットウーマン。スタジオの中と外に無表情で(あたりまえか?)でポーズをつけて立ち並ぶ。
昨日11年ぶりの再放送になったZEPPでやったMTV Liveでも当然登場。ロボット・ウーマンの皆さん、微動だにしてません!しかし、見てて一瞬ロボットウーマンが動いた!ポーズ変えてびっくり!耐えきれなくなったのか?もしくはアドリブで変えちゃったのか?
きっと全部スティーヴンのアイデアだったんでしょうね、これ。ちょっとしたお遊び感覚と言うか、なんというか。
今、あの時ロボットウーマンやっていただいた5名の方々、どこで何をやってることやら、あの時はホントに過酷なお仕事申し訳ございませんでした。。
またまた長くなってしまいましたが。。。11年前のMTVのライヴ映像見てて走馬灯のようにいろいろ思いだしてきました。また追って。
是非皆さん新作聴いてくださいね!!本当にイイアルバムなので!
●『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!』“MUSIC FROM ANOTHER DIMENSION !”
【収録内容】
<DISC1>
01. ラヴ XXX…ジュリアン・レノンがバック・ヴォーカルで参加
02. オー・イェー(作詞・作曲:J.ペリー)
03. ビューティフル
(作詞:S.タイラー・M.フレデリクセン 作曲:S.タイラー・M.フレデリクセン・B.ウィットフォード・J.クレイマー・T.ハミルトン) …ミア・タイラー(スティーヴンの娘)がバック・ヴォーカルで参加
04. テル・ミー (作詞・作曲:T.ハミルトン)
05.アウト・ゴー・ザ・ライツ (作詞:S.タイラー 作曲:S.タイラー・J.ペリー)
06.レジェンダリー・チャイルド 1stシングル(6/20発売)
(作詞:S.タイラー 作曲:S.タイラー・J.ペリー・J.ヴァランス)
07.ワット・クッド・ハヴ・ビーン・ラヴ~愛と呼べたもの 3rdシングル(10/17発売)
(作詞・作曲:M.フレデリクセン・R.アーウィン・S.タイラー)
08.ストリート・ジーザス
(作詞:S.タイラー 作曲:S.タイラー・B.ウィットフォード・J.ペリー)
09.キャント・ストップ・ラヴィン・ユー(デュエット・ウィズ・キャリー・アンダーウッド)(作詞:S.タイラー・M.フレデリクセン 作曲:S.タイラー・M.フレデリクセン・B.ウィットフォード・J.クレイマー・T.ハミルトン)
10.ラヴァー・アロット 2ndシングル(9/12発売)
(作詞:S.タイラー 作曲:S.タイラー・M.フレデリクセン・J.ペリー・T.ハミルトン・B.ウィットフォード・Joey & Jesseクレイマー・M.モイア)
11.ウィー・オール・フォール・ダウン (作詞・作曲:D.ウォーレン)
12.フリーダム・ファイター
(作詞・作曲:J.ペリー)…ジョニー・デップがバック・ヴォーカルで参加
13.クローサー
(作詞:S.タイラー 作曲:S.タイラー・M.フレデリクセン・J.クレイマー)
14.サムシング (作詞・作曲:J.ペリー)
15.アナザー・ラスト・グッドバイ
(作詞:S.タイラー・D.チャイルド 作曲:S.タイラー・D.チャイルド・J.ペリー)
―日本盤ボーナス・トラック―
16.シェイキー・グラウンド
(テンプテーションズのカヴァー)…リック・デュフェイ(G)が参加
17.アイム・ノット・トーキン (ヤードバーズのカヴァー)
<DISC2>※「デラックス・エディション」(3枚組)のみ収録
01. アップ・オン・ザ・マウンテン
(作詞・作曲:T.ハミルトン)…トム・ハミルトン初のソロ・ヴォーカル曲
02.オアシス・イン・ザ・ナイト(作詞・作曲:J.ペリー)
03.サニー・サイド・オブ・ラヴ(作詞・作曲:S.タイラー・M.フレデリクセン)
[DVD] ⇒Disc 3 “VIDEOS FROM ANOTHER DIMENSION !”
(2012年夏の全米ツアーより最新ライヴ映像4曲+最新インタビュー+ブラッドによるレコーディング中のスナップ・ショット)
01.セイム・オールド・ソング・アンド・ダンス(ライヴ)
02.オー・イェー(ライヴ) …新曲
03.ラッツ・イン・ザ・セラー(ライヴ)
04.トレイン・ケプト・ア・ローリン(ライヴ)(8/6 L.Aのハリウッド・ボウル公演のアンコールでのジョニー・デップ飛び入り映像!)
・スティーヴン&ジョーのアルバムについてのインタビュー + メンバー個別Q&A
・ブラッド・ウィットフォード撮影によるレコーディング
11月7日発売 日本盤
●デラックス・エディション SICP 3737-9 \4,200(税込)
初回生産限定盤 CD+CD+DVDの3枚組
★特殊サイズ紙ジャケ仕様(縦長・銀箔加工・8面紙ジャケ)★ポスター封入(スラッシュによるエアロのイラスト絵柄!)
●通常盤 SICP 3740 \2,520(税込)
●「ワット・クッド・ハヴ・ビーン・ラヴ~愛と呼べたもの」MV
http://www.youtube.com/watch?v=d7lCZ0rpH3o
●日本のファンのための史上最高の日本盤パッケージ!詳しくはこちら
http://ameblo.jp/high-hopes/entry-11386398569.html
●ねた満載!エアロスミス日本公式ツイッターアカウント
https://twitter.com/TweetEmotion69