The Roosters /『The Very Best Of』 | ongaku:キョウノイチマイby『飄逸庵』

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線維筋痛症から来るものなのか、腕と足が力が入らない。

 

暗い話では無い。

 

何も無い時には気づかないことだが、脱力していると身体の部位は重い。

普段は中々感じる事のできない事だ。

 

ベッドに大の字で横になっていると身体全体で重力を感じる。

普段いかに重力に耐えながら身体を動かしているのが解る。

健常者にはこの脱力した感覚は中々解らないだろう。

 

中々面白いものだ。

 

そんな、遊戯にも飽きたのでよっこらしょと重い身体をなんとか起こして書斎に入って気分転換にこの一枚を聴いている。

 

1997年にリリースされた「めんたいロック」の代表的なバンドのひとつザ・ルースターズの5枚目のベストアルバム。

 

ザ・ルースターズは1979年に結成され、エディ・コクランやボ・ディドリーに影響されたロック・バンド。

『ロージー』や『恋をしようよ』という代表曲に現れているようにアップテンポでスピード感のあるサウンドが持ち味。

スカなども取り入れ、幅の広いサウンドが魅力。

 

フロントマンの大江慎也が1982年ごろから精神的体調不良がちになり脱退し、ギターの花田裕之がヴォーカルをとるが、1988年にバンドは活動停止。

 

2004年にオリジナルメンバーである大江、花田、井上、池畑によるラストライブで正式に解散。

 

初期は明るいロックが多かったが、大江の病状が悪化するにあたってサウンドも陰鬱なサウンドが増えていく。

とはいえ、彼らのサウンドは幅広いアーティスト(Thee Michel Gun Elephant、P-Model等)に影響を与える。

 

この頃のロックバンドに共通している違和感を昔から抱いている(好きとか嫌いとかではなく)。

 

それは、あるフレーズだ。

 

「オイラ」

 

「俺」でもなく「僕」でもなくましてや「わたし」でもない。

 

「オイラ」なのだ。

 

普段、生活していて中々聞くことのない一人称だ。

 

ロックだから許されるのだ。

 

それ以外に使ったらとんでもないことになるのではないか。

例えば、面接だ。

面接官は柔和な面持ちの中にも鋭い視線を投げかけてくる。そして、決まり文句を発するのだ。

「あなたの長所はなんですか?」

そして、答えるのだ。

「オイラの、長所は情熱です」

 

つい出てしまうのだ。ロッカーなのだ。しかも”情熱”はないじゃないか。

 

そこに、ロッカーの悲劇が垣間見える。

 

 

 

 

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