Ongaku,キョウノイチマイVol.52 Bud Powell : The Scene Changes
どうも、おと虫ミュージックへ。
店主のおと虫でございます。
ここでは、私のライブラリーの中から名盤、珍盤を一枚抜き出してご紹介しています。
きっと、センスを磨きたいあなたに合った一枚が見つかると思うので、フォローをお願いします。
また、最後に実際の楽曲を聴けるようにお教えいたしますので、最後までお付き合いください。
さて、本日選んだ一枚はコチラ。
ジャズ・ピアノのジャイアント、バド・パウエルの超名盤、「ザ・シーン・チェンジス」です。
このアルバムは、パウエルのアメイジング・シリーズの最後の作品で、シリーズ中最もポピュラーな人気を集めた作品です。
とりわけ「クレオパトラの夢」はエキゾチックなメロディ・ラインが魅力的であり、この一曲でパウエルのファンになった人も多いのではないでしょうか。
全曲、パウエルのオリジナルというのも特徴です。レコーディングされたのは、1958年12月29日で、サイドにベースがポール・チェンバース、ドラムはアート・テイラーで、ルディー・ヴァン・ゲルダーの自宅にて録音されています。
有名なルディ・ヴァン・ゲルダーのスタジオが作られたのが1959年の7月なので、まだ自宅の居間をレコーディング・スタジオとして使っていた頃の作品になります。この居間では、ブレイキーの「モーニン」や、ドナルド・バードの「オフ・トゥ・ザ・レイシズ」など数々の名盤が産まれていて、まさにブルー・ノート・サウンド発祥の地といった感じですね。
本作はパウエルにとっても一つの節目となる作品で、この作品を最後にアメリカを去る覚悟をしていたそうです。実際、1959年に入ってすぐ彼はパリに渡っています。この頃からパウエルの体調及び精神状態は不安定で好不調の波が激しくパリにわたっても改善されることはなかったんですね。その原因と言われてるのが前にも言いました、警官による暴行事件があります。その事件があったのが1945年で、その後彼は、意識喪失や精神分裂の症状に悩まされます。その後の治療に電気ショック療法を用いられたり、薬物療法で次第に彼の独創的で超絶的なフレイジングが失われていきます。そんな中で、本作は奇跡的と言えるほど調子がいい作品であります。しかし、以前とは全く違うアプローチをとっており、第二のバド・パウエルとよく評されたりします。本作を含めたブルー・ノート盤3枚が例外的に名盤と言われるのはプロデューサーであるアルフレッド・ライオンがバドの状態を見極めて録音をしたからと言われています。
超名曲「クレオパトラの夢」で他の曲が霞んでしまっている向きがありますが、もし、「クレオパトラの夢」がなかったとしてもこの作品は名盤だったことは間違いないでしょう。
ちなみに、ジャケットの写真でバドの肩越しにひょっこり顔をのぞかせているのは彼の息子であります。
実際の楽曲の方はストリーミングサービスのSpotifyのリンクを貼っておくので是非そちらから聴いてみてください。
https://open.spotify.com/album/1LTKBZNFRu4f6dnlJuH3wh?si=K81MqwiaT4GBcdJPdSgLUQ
そして、是非ご感想やご意見をコメントで頂けたらと思います。
こういう形で僕のライブラリーにある作品をレビューしていくので、気に入ってくれたら是非フォローをお願いします。
最後まで、ご覧いただきありがとうございます。また次回、お会いしましょう。