どうも、おと虫です。
数あるブログの中の僻地で細々と発信しているこのブログに来ていただき、ありがとうございます。
昔は、町には古本屋や、中古レコード屋がひっそりとあったものです。
このブログはそんなお店が好きだった私が、そんなお店のようにやっているブログで気ままに音楽を紹介し、暇を持て余して猫と戯れているというというものです。
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『きょうの一枚、そのなかの一曲』本日、取り上げるのは、こちら。
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ジャズ・ギタリスト、バーニー・ケッセルの『ケッセルズ・キット』です。
1969年録音で、別名『ギターラ』と呼ばれることもあるケッセルの60年代を代表する一枚です。
元々、ケッセルはチャーリー・クリスチャンに強い影響を受けジャズ・ギタリストになった『ポスト・クリスチャン第一世代』と言われています。その中でも群を抜いて屈指のテクニシャンだったケッセル。
早弾といった超絶技巧はもちろんのこと、ダイナミックなスウィング感があり「歌心」のあるフレージングなど、ジャズギターの楽しさをあますことなく体現したギタリストです。
60年代に入ると、ケッセルの活動スタイルは一変します。
スタジオ・ミュージシャンとしてポップスや映画音楽の仕事をメインにするようになっていき、徐々にリーダー作を発表しなくなっていきます。私の推測ですが、60年代に入るとジャズ界自体のスタイルが大きく変貌していき、スピリチュアルに重きを置いたフリー・ジャズの台頭があったのも一つの要因ではないだろうかと思っています。
スタジオ・ミュージシャンとしてのケッセルは引手あまたの大変な売れっ子になり、例えばビーチボーイズの名盤『ペット・サウンズ』冒頭で聞こえるチャーミングな弦楽器の音はケッセルが12弦ギターで弾いたものです。
そんなケッセルですが、1968年に入ると突然、今までの溜まったものを噴出するかの如く、リーダー作を発表しだします。その多くの作品は、1969年までヨーロッパに滞在したときに現地のミュージシャンたちとセッションしたものになります。
今日紹介する「ケッセルズ・キット」もその中の一枚。
イタリアのミュージシャンたちを従え、やっているサウンドはブラジリアン・ミュージックという心地よい一枚に仕上がっています。
そもそも、50年代のケッセルの演奏は当時のブラジルのミュージシャンに多大な影響を与えたと言われており、60年代初頭には数枚の「ブラジル物」を出しています。そこから見ても、以前からブラジリアンやラテンサウンドへの関心は高かったのがわかります。
このアルバムのユニークなのは、ブラジルの作曲家の曲が一つもなく、イタリアの作曲家と作っているところです。全体的にはブラジリアン・サウンドのフレーヴァーに南ヨーロッパの明るさを加えた軽いポップなサウンドになっており、爽やかでとてもお洒落な一枚に仕上がっています。
今日はその中の一曲『Malibu』をご紹介します。
僕のライブラリーから一枚を抜き取って紹介する『きょうの一枚、その中の一曲』、いかがだったでしょうか。
音楽は形のないラグジュアリー・アイテム。
実際、研究では聴く音楽で味覚が変わったりする結果も出ています。食事の際に聴くと「おいしく感じる」ジャンルがジャズだそうです。
これからも、様々なジャンルの音楽を紹介していきますのでお楽しみに。
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