朝から季節外れの雷雨。
僕は雷の音が異常に好きでたまらない。
特に地響きがするほどのやつ。
今朝からの雷が、まさにそういう雷だ。
こういう時、どんな音楽を聴くべきか、僕はライブラリーの前に立って考えた。
雷の音を邪魔してはならない。
雨音になじんで心地よい曲が聞きたい。
そこで、取りだしたのがドナルド・フェイゲンの「ザ・ナイトフライ」。
スティリー・ダンのときと違って、力の抜けた気をてらってない、それでいてアーバンな音が心地いい。
本来なら、ナイトドライブにもってこいの作品だが、今日みたいな日に聴くのも悪くないなと直感的に難じた。
ヴォリュームをいつもより小さめにして、音を鳴らす。
ソファーに座って入れたてのコーヒーとタバコを吸いながら何も考えずにボーっとする。
雷鳴と屋根を叩く雨音。そして、フェイゲン。
うん、やっぱり悪くないなと満足し、読みかけの本に目を通す。
もうすぐ12月だというのに、雨のせいか寒くない。
Tシャツの上にニット一枚で十分だ。
フェイゲンのこの作品がリリースされたのは1982年。
クロスオーヴァーミュージックが花盛りのころか。
この頃のエレピの音と言うのはなぜこんなに心地いのだろう。
今では技術が進歩して、色々な音がクリアすぎるほど作れる。
しかし、この頃の音のように柔らかさがないのだ。
機械が優先されているとそうなるのだろう。
音楽にはどこかしら人のぬくもりがあってこそ心地よいのだ。
雷鳴がどんどん遠のいていく。
きのせいか、その分雨脚が増したような気がする。
今日は、オフィスにこもってのんびりと仕事をしよう。