【ジャズ入門】アルバート・アイラー/スピリチュアル・ユニティ【名盤】 | ongaku:キョウノイチマイby『飄逸庵』

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どうも、おと虫です。

 

ご拝読頂きありがとうございます。

今日は先日YouTubeチャンネルでも紹介した
アルバート・アイラーの『スピリチュアル・ユニティ』です。

https://www.youtube.com/watch?v=bUSA68japAc&t=75s



1965年ESPからリリースされた、フリージャズの名盤ですね。

60年代に入るとインプロヴィゼーションを基調とした
アヴァンギャルド・ジャズ、

いわゆる、フリージャズが生まれるんですが、その中で外すことのできない一枚がこれです。

オーネット・コールマンによって切り開かれたフリージャズの一つの頂点がこの作品だと言えます。

まず、ジャケット。

アイラーの魂がサックスと同化したかのようなこのイラスト。

いいですよね。
アイラーのスピリットをよく表してますね。

で、ここで注意点。
ジャズってよく入り口を間違えるとアレルギーになるって言われるんですけど、
ジャズ初心者の人には本作はおすすめしません。
なぜならば、フリージャズって難解なんですよ。
まだ、この作品はその中でもメロディーがある方なんで聞きやすい方ではあるんですけど、
まぁ敢えてここからじゃなくてもいいんじゃないかと。
もっと、聞きやすいところから入って、そのプレイヤーから枝葉を広げて聞いていった方が自分に合ったジャズが見つかると思います。

だけど、掘り下げていくと立ちはだかるアーティストって出てくるんですよね。
チャーリー・パーカーだったり、コルトレーンだったり。
そして、フリージャズではエリック・ドルフィーとかオーネット・コールマン、
そしてこのアルバート・アイラーなんかが擁壁となって立ちはだかります。

なので、聞き始めに苦手意識もってしまうと、折角の良さを知ることが出来ないともったいないので、初めのうちは聞かなくてもいいと思います。

とは言え、コルトレーンとかにも当時影響を与えたミュージシャンですから、避けては通れないでしょうけどね。

アイラーの紹介をざっとしておくと、
いま、コルトレーンに影響を与えたって言いましたが、元々はアイラーがコルトレーンの影響を受けてます。
出身は、オハイオ州クリーヴランドです。
最初に父親からサックスを習ったのがきっかけで、教会で演奏したりしてました。
ハイスクールを卒業して地元の音楽学校に入って音楽を学んでおります。
当時のあだ名が「リトル・バード」で、チャーリー・パーカーにちなんだ呼び名だったそうです。
1952年アイラーが16歳の時、ブルースシンガーのリトル・ウォルターと一緒に酒場でライブ活動を始めたのが活動のきっかけ。
その時はジャズというより、R&Bのスタイルだったそうです。
この辺もコルトレーンに似てますね。
そして、高校を出た後、軍隊に入隊し、そこで即興演奏を数多くして、インプロヴィゼーションに磨きをかけていったわけです。
その頃の仲間にスタンリー・タレンタインがいたそうです。

で、除隊後、音楽で身を立てようと頑張ってましたが、なんせ独特な感性で初めのうちは苦労をしてました。
そして、1962年にスウェーデンに移住。
そこで、録音を積み重ね、セシル・テイラーのバンドにノーギャラで参加したりして研鑽を重ねていきました。

そして、アメリカに戻り、
ベースのゲイリー・ピーコック、
ドラムのサニー・マレイと活動をします。
そして、産まれたのが
本作『スピリチュアル・ユニティ』。
これを聞いたエリック・ドルフィーが
「これまでに出会ってきた中で最も優れた演奏家だ」と絶賛しています。
そうして、ベテランアーティストたちの間でも騒がれ始め、一気にアイラーの認知度が上がっていくわけです。

本作で演奏している『ゴースト』はまさにアイラーの代表曲です。

そして、1966年。
コルトレーンの強い勧めもあって、インパルスと契約。
そして、その翌年コルトレーン死去。
コルトレーンの遺言から、コルトレーンの葬儀でアイラーは演奏し御霊を送りました。

その後、アイラーは当時台頭し始めたロック、そして自分のルーツに立ち返ったR&Bのファンキーなサウンドとの融合を模索し始めます。
しかし、どれも評判があまりよくなく、70年再びフリージャズの演奏方へ立ち戻ります。

そんな折に彼は姿を消します。
1970年11月5日、アイラーの消息がつかなくなり、11月25日にニューヨークのイーストリバーで遺体で発見。
自殺と言われていますが、遺書等は見つかってません。
天才のあまりにも早すぎる死。そして、彼の代表曲ともいえる『ゴースト』。なんて皮肉的なんだ。