今日の「ふいに無性に」は…
トム・ウェイツ
♫ダウンタウン・トレイン
1985年発売のアルバム「レインドッグ」に収録
酔いどれ詩人
しがなく、退廃的にして、しかし、とにかく人間味が溢れていて…
トム・ウェイツのしゃがれ声はなんというか、他人とは思えない切実さを湛えていて、つい、ふいに無性に聴きたくて堪らなくなるのである
マニアックな存在であったトム・ウェイツに脚光が当たったのはあのイーグルスが ♫オール55 をカヴァーしてからだと言われ…
また、この ♫ダウンタウン・トレイン もまたあのロッド・スチュワートのカヴァーヒットが有名である
ロック界のスターの多くが、トム・ウェイツのしがない哀愁と剥き身の人間臭さにほだされてしまうのも、非常によくわかる
その剥き身の生き様に、我々の魂は震わされてしまうのである
トム・ウェイツの曲を聴いていると、退屈で変化のないこの人生が、まだまだ「旅の途中」なのだ…と思えてくるのだから不思議だ
まだまだ「旅の途中」なのだから、まだまだ何が起こるかわからんぜ⁇ と、ささやかな期待とときめきが滲んでくる…ような気がするから不思議だ
ふふふ
その変化やときめきは、シャツについたコーヒーの染みみたいなわずかなものだとして、でも、そんなささやかなる「発見」や「実感」が新鮮に感じられるのだから、トム・ウェイツの歌声は、実に不思議だ
その魅力は、まさに、底なし…である
さて、俳優トム・ウェイツもまた味わい深い…
ジム・ジャームッシュ監督の秀作
「ダウン・バイ・ロー」
これまた、実に味わい深い作品なのである
御愛読感謝