今日の「ふいに無性に」は…
レオン・ラッセル
♫ア・ソング・フォー・ユー
1970年発売のアルバム「レオン・ラッセル」に収録
静寂と鼓動…
空間と旋律…
息遣いと真空…
なんと言いますか、装飾の一切を排除し、まさに「剥き身」の歌声とメロディが露わなる状態で差し出されたような感触を僕は感じるのだ
ちょっとグロテスクなる表現をさせていただけば…
取りだしたばかりの、鮮血のしたたる、鼓動を続ける心の臓を差し出されたかのような…
まぁ、こんなイメージは僕だけのものだと思うけど、僕にはそれほどの切迫と切実を感じる
なんというか、まるで「真空状態」の、異様なる空間的奥行きを感じてしまう
あまりに生々しい、脈打つ鼓動と息遣い…
その僅かな振動さえもがヒリヒリと伝わってくる…
レオン・ラッセルの歌声は嗄れながら裏返り、まさに、空間を浮遊しながら響き、漂う…
我々はその漂う歌声の前で無力となり、縛られてしまう
神経を根こそぎ束ねて引き剥がされ、奪われてしまう
取り込まれてしまう
その、あまりに張りつめた悲壮と切実の渦中に、幽閉されてしまう
…なんか、オーバーだけど、僕はそんな感覚に陥ってしまうのだ
ま、真空状態ならば音は振動しないんだけど、あくまで詩的表現としてね
^_^
トム・ウェイツのピアノ弾き語りにもそういう吸引力を感じることあるけど、レオン・ラッセルのこの ♫ア・ソング・フォー・ユー はちょっと群を抜いてる感じあるかなぁ〜
先にも書いたけど…
この、「真空状態の剥き身」感は歴代ロック史上最強クラスかと
つまり、その赤裸々なる表現力があまりにも切実だと…
まさに、痛みを強要されるほどの吸引力を備えていると…
これ、単なる歌謡ロックに分類したらいかん名曲だと思う
堅苦しいかもしれないけど、額に入れて珍重すべき芸術性を備えた名曲かと
まぁ、レオン・ラッセルご本人のお気持ちは分かりませんが、僕は畏まった気持ちで向き合っております
ふいに無性に聴きたくなるけど、腹を決めてからじゃなければ聴かない
軽い気持ちでは聴かないし、聴けない
そういう崇高なる孤高に佇む名曲だと思う
怖いほどの、美しき名曲…だと思う
ありがたや〜
ライブ映像も貼る
御愛読感謝