中年の星、西沢ヨシノリさん引退を想う… | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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47歳 西沢ヨシノリ引退 元王者「自分の可能性は使い果たした」スポニチ


>日本ボクシングコミッション(JBC)から引退勧告を受けながら海外で活動を続けていた元日本ミドル級、元東洋太平洋スーパーミドル級王者の西沢ヨシノリ(47)が、かつて所属したヨネクラジムで会見し、現役引退を表明した。

 11年12月に獲得したJBC非公認団体のクルーザー級世界王座など3つのタイトルは8日付で返上する。昨秋に防衛戦の打診を受けたが、金銭面で折り合わず断念し、引退の意思を固めていた。「自分の可能性は使い果たした。やりきりました」と語った。


西沢やったー!!!


…おつかれさまです


ついに、ご自身の口から「引退」の二文字が出ましたか…


日本と東洋太平洋を獲得、そして、2度に渡る世界挑戦では、それぞれ世界チャンピオンからダウンを奪うも敗戦でした…


しかし、その諦めない精神と生き様は世の中年男子を大いに勇気つけましたねぇ


日本未公認のマイナー団体ではありますが、執念で世界チャンピオンになりましたね、それも45歳で!!!


これ、多くの批判も集まったわけですが、しかし、日本での戦いを強制的にNGとされ(強制引退勧告)、それでもなお戦うと決めた西沢さんの生き様を感じてしまうエピソードでありまして、なんともぐっと来ちゃうところあります…


はい…


僕は西沢さんの国内での晩年の東洋太平洋タイトルを幾度か生観戦してますが、実に厳しい内容が多かったのは確かですねぇ…


でも、その頑張る雄姿に大変感動いたしました…


試合開始前には尾崎竜童さんが登場して一曲披露してくれましたよねぇ…


あれもよかったなぁ…


思い出、たくさんありがとうございます!!!


中年の星、西沢さん本当にありがとうございました!!!


--- 58戦31勝18KO21敗6分


おおっ


神々しき、この戦績っ


ありがとうございました…


いつかの東洋太平洋スーパーミドル級タイトルマッチ、生観戦記再収録しておきます!!!


2005 10 18 東洋太平洋スーパーミドル級王座決定戦 


東洋太平洋前スーパーミドル級王者 

西澤ヨシノリ 

現同級3位 47戦26勝14KO16敗5分 39歳

×

同級4位WBOアジアパシフィック同級王者 

ピーター・ミトレフスキー 

16戦12勝5KO3敗1分 26歳(豪)


 シンガーソングライター・宇崎竜童氏の生歌で入場した前王者・西澤さん。39歳か…。限界を超えてどこまで挑戦し続けられるのか!?前回はL・ヘビー級のOPBFタイトルマッチで世界挑戦失敗後の再起を飾ろうと目論むも判定負け…。3連敗…となれば流石に「進退」にかかわる大一番である。


 ピーターって若いな。でも腹筋は西澤さんの方が鍛えられてる感じ。しかし、WBOのアジアンパシフィック王者だって言うし…。身体は西澤さんの方が一回り大きい印象だが、ピーターは足が細く、早そうな感じはした。…どうかな?…で、ファンの間では西澤と呼び捨てにするのはマナー違反らしいので、西澤さんで通します。

 

R1 カーン!! 立ち上がり、様子見のピーターに対し、西澤さんの左が思いのほか当たる。お、いいねぇ。ボディフック、3連打!! このピーター、だぶだぶのボディーが弱そうだな、文句なし!! 西澤さん10-9


R2 西澤さんのボディーフックは相変わらずいい…が、ピーターのフリッカー気味なへそ位置から繰り出されるリードジャブが思いのほか早い。3連、4連と繰り出される。…と、ここで西澤さん得意の頭を下げての密着作戦!! ゴツン!! ああ、頭をぶつけたかな?…あ、なんか西澤さん左目を気にしてる。切れた。ピーターのジャブが好打。ピーター10-9 ※公式の裁定で西澤さん左目の瞼のカットは有効打によるカット。


R3 おお、西澤さん渾身のラッシュ!! ピーターをロープ際に追い詰めてのボディーから左ストレートが綺麗にヒット!!来た来た、これを待っていたんだ!!ブッタオセー!! 西澤さん10-9 …が、再三のクリンチ、接近戦の攻防で額の右側がポコンとコブが出来てしまった。痛そうだな…。 …が、この3Rには小さかったコブタンが、おいおい「恐怖」の急成長を始めるとはこの時点では知るよしもなかった…。


R4 ピーターのエンジンが掛かり始める。ドカッ!!…と、ピーターの左ストレートが西澤さんに炸裂!! 必死に体を密着させる西澤さん…、もつれる二人…は絡み合うようにして両者倒れる。…スリップ。…お?…ここで西澤さんはレフリーに両手を引いてもらって起き上がる。…効いてるのか?…それとも、スタミナ?…明らかに成長するコブ…。不安要素の兆候が現れた4Rであった。ピーター10-9


R5 ピーター、明らかに足を使い始める。ダブついてるわりにフットワークがいい。さらに左ジャブの中間距離からの早い連打がことごとく西澤さんにヒット!!…ぐ、これは西澤さんの密着作戦封じと見た。有効打を浴びる西澤さん。…ああ、額は止めて、コブが大きくなる…。ピーター10-9


R6 アウトボックスするピーターに対し、被弾するも果敢に連打ラッシュを見せた西澤さん。ここが勝負どころと前進!! 細かなピーターの有効打よりも見せ場を作った西澤さんのRとした。でも、もっとボディーを打って欲しかった。中盤以降、ボディー打ちが減ってきたような… 西澤さん10-9


R7 ピーターの有効打が炸裂しまくる。西澤さんの額はもう倍以上大きくなった。鼻の頂点に届きそうなくらいそのコブの頂点は高くなっている。大きな面積、全体がボックリと膨らんでいる。内藤大助の顔面右半分が倍ぐらいになっちゃった写真を思い出して欲しい。それに近い状態で額全体が晴れ上がって盛り上がってしまった。触れただけで痛いんだろうな…、やばい。動きも悪い。スタミナが、もう…。ピーター10-9


R8 もうパンチが出ない。ピーターに背中が向いてしまう場面もしばしば。必死のクリンチを多用。…しかし、頭を下げてもぐればもぐるほど額のコブが大きくなって行く。悪循環な展開。3分刻みのボクシング…。こんなにも腫れって成長して行くのか!? もう、別人の顔になってしまった。ピーター10-9


R9 アウトボックスするピーターについて行けない。手も出ない。足も動かない。 被弾する。厳しい。事故も起こりえそうな流れ…。だって、あの額はもう人間のものではない…くらいな腫れ方なのだ。危険だ…。と、ここでピーターのグラブのテープをレフリーが直すようセコンドに指示。ニュートラルコーナー、で休む西澤さん…。スタミナを蓄えろ…!! …で、再開後、西澤さんラッシュする。意地のラッシュ。有効打が生まれたわけではないが、押した。ピーターは連打で打たれると動かなくなる兆候があった…が、エンジンの掛かった今、打ち返してくる。しかし、西澤さんの『魂』を見た!! ネバー!!(西澤さんの著作 自伝のタイトル)…が、しかし、ピーター10-9


R10 勝負に来たピーター、西澤さんにはもうスタミナもない。頭は腫れて膨らんでいる。両目ともカットしているようだ。ああ、厳しい!! …と、レフリーここで3度目のドクターチェックを挟む…。視界を失った西澤さんに対して、続行不可能を宣言。早かったので互角とする。10-10 試合終了、負傷判定!!


HIGEGE91の採点 97-94 で、ピーターの勝ち!!


公式の採点  96-96 96-94 97-93 2-0の判定で、新チャンピオン、ピーター・ミトレフスキー!!


 …残念だった。しかし、試合終了してくれてほっとした部分もある。ピーターのスタミナは切れそうになかったし、終盤も早いジャブは切れていた。あのまま行ってたら危ない…って正直思った。でも、グッと来た。あの腫れた顔で闘う西澤さんは『ネバー』だった。


西澤さんの試合後


…あああ、早く静養してください!!


進退についての発言はまだわからない。3度もOPBF王座についた39歳・西澤ヨシノリ…、今夜はお疲れ様でした。先ずは怪我をゆっくり治してください。


…西澤さんの娘さんだろうな、あの子供の声援は…。あの「ガンバレー!!」には本当にグッと来たな。


以上はいつかの観戦記ですが、そう、この一戦の西沢さんの「お化けこぶ」だけは忘れられません…(汗)


西沢さんといえば、僕は後楽園ホールの帰り道に水道橋駅へ続く外堀通りをまたぐ橋の上で2度ほど握手していただいたことがあるのですが、僕が手を差し出すと、ちょっと緊張した様子でご自分のズボンで掌を拭いてから握手してくださったことを思い出します…


髭の似合う、永遠のナイスガイ…


本当にありがとうございました!!!


御愛読感謝


つづく