河野公平の、「奇蹟の一撃」の背景を想う… | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?


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いやぁ、これ、ボクシングビート誌からの一枚、実にいい写真だなぁ…


大晦日、ボクシングファンの多くが「圧倒的不利」の予想の烙印を押さざるを得なかったタイの強豪チャンピオン、テーパリット・ゴーキャットジムを、まさかの左フックカウンターを痛打、結果3度のダウンを奪って近年まれに見る大番狂わせを演じて念願の世界タイトルを獲得した、WBA世界スーパーフライ級河野公平選手…


大番狂わせ…


いやいや、この言葉は少し失礼であります…


河野選手、世界タイトル奪取は3度目の正直でありまして、2度目の世界タイトルは時のWBCチャンピオン、エリオ・ロハスでありましたが、判定負け必至の背水の陣的状況で、最終回、チャンピオンからダウンをもぎ取るも、詰めきれず人生を変える大チャンスは目前でその手からすり抜けてしまった…


詰め切れなかった…


再起後は散々…


時の日本チャンピオン、佐藤洋太選手(現WBC同級世界チャンピオン)に敗北、そして、デビュー間もないアマエリートの戸部洋平選手とまさかの連敗…


この時点で、河野公平の時代は終わってしまった…と多くのボクシングファンが実感したのは否めない…


日本と東洋太平洋の2冠チャンピオンとして一時代を築くも、世界には届かなかったボクサー…としてキャリアを閉じてしまうのだと多くのボクシングファンが感じていたに違いない…


世界まであと一歩のボクサー…


が、不撓不屈の再起を果たして世界ランクを獲得、テーパリットへの挑戦が発表されるも、しかし、この充実のチャンピオンに勝てるイメージがなかなか沸かなかったのが多くのボクシングファンの見立てでありました…


しかし、大晦日、蓋を開けてみたら3度ダウンを奪うKO勝ちの大殊勲!!!


最初の左フックカウンターで奪ったダウン後、最後の詰めが素晴らしかった…


パンチを上下に散らしながら一気呵成で追い込んだわけですが、この「奇蹟の王座奪取」の背景には、あの、目の前ですり抜けたいつかの失敗、ロハス戦の最終回に奪ったダウンがあった…という話がボクシングビートで触れられているわけですが、この一節に思わず震えちゃいましたねぇ…


あのロハス戦におけるダウンがあったからこその、「奇蹟の王座奪取」…であった…


大晦日の大殊勲は、そう、単なる「大番狂わせ」などではない…


あのロハス戦でダウン奪取したにもかかわらず、ベルトを奪い損なった苦悩が再起を促し、国内選手に連敗するもそれでもなお戦い続けて来たからこそ、あの、テーパリット戦における「完璧な詰め」が生まれたわけでありますねぇ…


河野公平選手の、その、苦難の道程に、無駄はなかった…


感動しちゃいますねぇ…


山中選手の豪快KO、内山選手の痛快KOももちろん痺れますが、しかし、僕の胸をじんっ…っと暖めるのは、あの、河野選手のテーパリットKOでありますねぇ…


これまでボクシングに捧げた全ての瞬間が凝縮された一発…


これを世界戦の舞台で見事開花させた河野公平選手の幸福と、これを味合わせて貰ったことへの感謝の気持ちが思わず溢れます…


ううむ…


いい写真だなぁ…


本当、何度思い出して感動しちゃいますねぇ…


あの「奇蹟の一撃」が偶然の産物であろうはずがない…


不撓不屈の延長上に燦然と輝く「執念」の一撃であり、それは単なる「大番狂わせ」と片付けられない背景があったことを、我々はもう一度思い出して再認識すべきでありますねぇ…


おおっ、これぞ、「執念の結実」…


努力は報われる…と河野選手が身をもって教えてくれたわけですね…


御愛読感謝


つづく