このニュースでありますが、正直を申し上げれば、さて、いかがなものか? と首を傾げずにいられない…
この向井選手、アマチュアキャリア抜群にして、さらに、国内で強豪を破り、世界ランカーを撃破してランクを獲得しているのは全く持って素晴らしい実績でありますが、いかんのは前の敗戦、無敗で挑んだ東洋太平洋フライ級タイトルマッチ、チャンピオンのロッキー・フェンテスの前に大差判定負けを喫しての、再起戦にあたるのがこの「世界タイトルマッチ」という背景が、ボクシングファンには受け入れづらいものになってしまいますよね、正直なところ…
仮にKOこそ一つもないが、しかし、無敗の東洋太平洋チャンピオンとして世界チャンピオンから指名を受けるのと、世界ランク上位者であった東洋太平洋チャンピオンに敗れたものの、辛うじて世界ランク15位に生き残っていたために「安全牌」として挑戦者指名を受け、やはり、チャンスは逸したくないと言う一心から敵地挑戦を承諾…っていうのではファンの「期待感」も雲泥の差…であります
また、昨今は敵地挑戦連敗記録もが一向に止まる気配もない上に、「安易なる世界挑戦」(これ、厳しい見方と表現を容赦下さい)に対してファンンの目線も厳しくなっており、また、業界的にも「世界挑戦資格の条件」を明確にすべき、なんて気運も多少なりともあって、そういう意味ではレールから外れた世界挑戦…って見え方をどうしてもしてしまうのであります…
そして、そんな背景もさることながら、それ以上に、一時はその「劣化」「衰退」を囁かれていたチャンピオンのポンサクレックでありますが、亀田興選手を「大差判定」(公式的にはスプリットでしたが、誰が見ても大差でしょうね、あの内容は)で下して王座統一を果たした後も精力的に防衛を重ね、ちょっと危ないんじゃないか?なんて思われていた元ライトフライ級チャンピオンのエドガル・ソーサを迎え撃つと熟練の技巧を発揮、これを素晴らしい内容で退け、まだまだの健在振りをアピールした、という状況もあり、ざっくばらんに申し上げれば、あまりにも「勝機」が見出しづらいタイミング…との見立ても多かろう…
ロッキー・フェンテスはかなりの好戦的ファイターで打ち合いを好む東洋太平洋チャンピオンでありましたが、これを捌けなかった技巧派が、その上を行くポンサクレックにまともにぶつかっても…と、これ、ボクシングが好きな方ならばどうしてもそう思っちゃうのが大多数だと思います…
難しいですねぇ…
予想は厳しい… かなり、いや、相当に厳しい…
これは、向井選手のボクサーとしての資質に意義を唱えるものではなく、世界挑戦のタイミングとキャリアに対して、いかがなものか? という疑問であります…
しかし、決まったからには頑張っていただくしかありません…
御本人も大番狂わせを起こす気概と気迫に満ち溢れていることでありましょう…
頑張っていただきたい…
しかし、その一方で、この敵地挑戦が残念な結果に終わり、それ見たことか…な状況になると、ボクシング業界としては一考せざるを得ない気運が再び高まる可能性もありますね…
世界挑戦資格…については以前より多くの皆様と語ってきたので、記録ありますね…
上記リンクのテーマ記事は2007年から始まってますねぇ…
最初の記事は、当時、亀田大選手が国内タイトルも東洋太平洋タイトルも獲っていないのに、内藤大助選手に挑戦するっていうんで、どうなの…!? って状況だったみたいですね…
※あ、これ、テーマ別になっているページにリンクされてますが、一番手前に来ている記事が最新扱いなので、古い記事からお読みいただく場合は一番下まで下がってから上に戻っていただければ、と思います…
もちろん、厳しい厳しい条件が前提の、敵地挑戦の前提を承服した上で挑む向井選手と陣営を応援はいたします…が、浮かびくる疑問に蓋をすることはできません…
さて、同門の先輩に当たる元WBA世界スーパーフライ級チャンピオンの名城信男選手が、敵地タイにて先日WBCチャンピオンのスリヤンに敵地挑戦して敗れたばかりですが、その経験を生かすことは出来るかもしれませんねぇ…
頑張ってください!!!
御愛読感謝
つづく