2011 8 6 ダイナミックグローブ 後楽園ホール
注目は何と言ってもメインイベントの「ザ・サバイバルマッチ」っ!!!
今年初めに虎の子のWBA世界スーパーバンタム級タイトルのベルトを初防衛失敗で失った李洌理選手と、元日本スーパーバンタム級チャンピオンにして怪我を克服するも、しかし、2度にわたる日本・と東洋太平洋タイトルの王座決定戦に出場するチャンスを得るも、立て続けに奪取失敗の福原力也選手による、まさに、文字通りの『背水の陣対決』…
フェザー級10回戦
元WBA世界スーパーバンタム級チャンピオン
現WBA5位 李洌理 17W8KO2L1D
×
元日本スーパーバンタム級チャンピオン
現日本スーパーフェザー級6位 福原力也
24W18KO5L1D
1R 両者右構え、非常に緊迫感ある静かな立ち上がりも、リードブローをやや的確に当てたのは李か? しかし、福原のいい意味での張りつめた印象と動きは悪くない… 李10-9
2R 不意にぶち抜かれたのは福原のいきなりの右で、これが元世界チャンピオンに命中、さらに、出入り激しく踏み込んでは右アッパーを突き上げたのは福原、李はやや固いか? 福原10-9
3R 李は手数も少なく迎撃カウンター戦法もいま一つか? 一方の福原は持前の機動力を生かし、さらに右アッパーカットを再び強打、李、思わずいきり立つも空転… これは、番狂わせあるかっ!? ラウンド全体像で採点すると福原かなぁ… 福原10-9
4R アップセットの期待感膨らむも、それまで優位に試合を進めていた福原が李の右アッパーからの右ストレートをまともに喰ってしまいピンチに陥る… 李10-0
5R しかし、福原の波状攻撃が功を奏する… その素早い飛び込みと防御感に優れた李の意表を突く右アッパーを効果的に散りばめた出入りが再び観客をどよめかせる… いいぞ、福原のペースだっ!!!
ガツンッ!!!
なんと尻もちをついたのは攻勢だった福原、距離が縮まったその刹那、李のカウンターがその顔面を直撃していたようだっ!!! 相打ち気味だったが、李は立ったまま福原を見下ろしていた…
福原、苦笑いして立ち上がるも、しかし、その足元が定まらない…
おおっ!!
ダメかっ!?
レフェリー、カウント以内に身体の平衡感覚を取り戻せなかった福原にTKO負けを宣告…
5R 2:39 TKO勝ちで勝者、李洌理っ!!!
見事再起戦をKOで飾った李選手、勝利者インタビューを通じて結婚報告、おめでとうでございます… その技巧で再び世界の頂上を目指す…
一方、敗れた福原選手、その出来が良かっただけに無念でありますねぇ… あまりにも筋骨隆々すぎて、さらに、ハンサム過ぎてそのことばかりが取りざたされて不本意でありましょうが、しかし、僕はその「なりふり構わない勝利への執着心」に胸を撃たれておるのであります…
今回、勝利の予感が僕にはありました… その根拠は、前の日本王座決定戦おける岡田選手との戦いのように徹底的なる消耗戦に陥る心配がなかったことと、李選手のカウンターは切れ味抜群であったとしても、ワンパンチで相手を倒す一撃必殺タイプではないこと、つまり、消耗の果てにスタミナと耐久性を失うことが福原選手にとってもっとも不利な要素と考えていたので、このマッチメーク、可能性あるんじゃないかな?なんて想像していたのですが、しかし、李選手の剃刀のごときクロスカウンターが見事に決まってしまいましたねぇ…
さて、これでタイトルマッチ2試合を含む3連敗となってしまいましたが、福原選手の進退やいかに…
むむむっ…
実に惜しかったなぁ…
さて、同じリングで行われたのは…
東洋太平洋ミドル級タイトルマッチ
チャンピオン 佐藤幸治
19W17KO1L
×
挑戦者 同級東洋太平洋8位 氏家福太郎
16W11KO8L1D
この試合、チャンピオン優位の予想は当たりましたが、しかし、挑戦者氏家選手のベテランらしい落ち着きと、この一戦にかける勝負の鬼と化した撃ち合いに応じる緩急が非常に試合を面白くしましたね…
結果こそ6R1:33TKOでチャンピオン佐藤選手の3度目の防衛成功でありましたが、しかし、4R終盤には激しい至近距離での打ち合いからあの佐藤選手が一瞬棒立ちになるほどの連打を氏家選手が炸裂させましたねぇ…
王座交代ありえる瞬間かなりありました…
しかし、流石は剛腕のチャンピオン、最後は一気に連打ラッシュで挑戦者を粉砕、チャンピオンの意地を見せつけました…
とはいえ、佐藤選手、ちょっと豪快すぎて防御甘くなりましたね…
デビュー当時のようなブンブン丸に逆戻り、観客としては大いに楽しめるわけですが、しかし、ボクシングマニアの目線としては、「世界」を目指す以上、それはあんまりじゃないのっ!? って瞬間多かったような…
とはいえ、氏家選手のベテランらしい腹の据わった戦いが渋く輝いた一線でした…
また、注目の日本バンタム級のホープ、岩佐選手はインドネシア1位を2R左ストレート一発で倒し、また、無敗対決となった三浦×松本による77㌔契約8Rは大熱戦となりましたが、総合格闘技から転身したという三浦選手がテクニシャンの松本選手を判定で退けました…
さて、立ち見で4千円は果たして高かったのか、あるいは、安かったのか?
…安かった、安かった、でありましたっ
ああ、久々の生観戦オールタイムスタンディングでありましたが、全く疲れる暇もなく、文字通り、あっという間でした…
御愛読感謝
つづく