9月30日 大阪府立第2競技場
WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ
チャンピオン 名城信男 13W8KO1L
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挑戦者1位 ウーゴ・カサレス 30W22KO6L1D
１R 両者オーソドックススタイル…が頻繁にスイッチすると言われるカサレス、距離を残して様子を見ている…と、早速スイッチ!! 名城のダイレクトの右ストレートがヒット!! 名城、自分から攻める!! さらに、そのディフェンスも立ち上がりは冷静だった… 名城10-9
2R カサレス、サウスポースタイルから、前のRよりも思い切って振ってくる… そのワンツーは鋭く長い… 名城、単発だが左を打ちぬく… 名城の踏み込みに左フックを合わせた!!! カサレスは身体を軟らかく使って名城のコンビネーションを際どくかわす… 終了間際、名城の右クロスが命中したか？ しかし、有効打数はカサレスか？ カサレス10-9
3R 前に出た名城にカサレスの右アッパーがカウンターになって命中、名城よろめく… カサレス、ボディー連打!!! 名城、クリンチで凌ぐ… サウスポースタイルからの右アッパー、これ、確かに危ない… 名城、なんとか持ち直して後半は攻め込むも、ポイントは奪われた… カサレス10-9
4R 名城がジリジリと距離を詰める… 名城得意の連打を観たいが、しかし、そこで危険なカウンターを浴びてしまう流れに不穏が漂う… 名城、距離を潰して単発パンチを打ち込むも、ジャブの刺し合いはカサレスが優位か？ カサレスの左アッパースイングに合わせて、名城の左フックがカウンターで命中!!! 僅差でこのRはポイントを奪ったか？ 名城10-9
5R しかし、カサレスは右に左にスイッチしまくる… 名城、アグレッシブに攻める… が、ロープに追い込む場面も見えるが、決定打はないか…？ 互角10-10
6R ゴングと同時に左ボディー!! さらに、ロープを背負わせて左右を打ち抜いた!!! カサレス、今まで有効だった長いワンツーの距離感であるが、名城、これに慣れてきたか？ 名城、被弾も少なくうまくパンチを当てた… 終了間際、カサレスの左アッパーに左フックカウンターを命中させた!!! 名城のRでしょ!? 名城10-9
7R 名城のペースになってきた…はずだった、のだが、カウンター狙いのカサレスに名城は勇敢に攻め込むものの、ボディーフックを浴び、さらにいきなりの右アッパーを顎を打ち抜かれる… 名城、攻めるが、やや空転、被弾がやや多かったか…？ カサレス10-9
8R カサレス、腹を括ったか？打ち合いに応じてきた… いや、スタミナが消失し始めているのか？ カサレスのコンビネーションが当たる!!! 名城、それをまともに浴びる… 名城効いた!!! が、カサレス、身体が流れ、駆使していたフットワークが減ったのはダメージと疲れの表れとも感じられる… が、ポイントはカサレス… カサレス10-9
9R 名城の右が当たる!!! カサレスはやや力なく下る… 名城がカサレスにロープを背負わせて連打!!! カサレスも執念のアッパーカットで応戦…!! アグレッシブで名城が上回ったか？ 名城10-9
10R カサレスの左アッパーをまともに浴びる立ち上がり… カサレスの右オーバーハンドクロスが名城を捉える!!! いかん… ここで怯んだら負ける!!! 気迫だ!!! 名城、距離を詰めてカウンターを打ち抜く!!! が、有効打数で上回ったのはカサレスか？ カサレス10-9
11R 名城のワンツーにカサレスの頭が跳ね上がった!!! カサレス、下った… 名城の右に再びのけ反った!!! カサレス、左目が切れた… カサレス、下る、下る… 疲れてるぞ… 得意の猛打ラッシング爆発…とは言えないが、キッチリとクリーンヒットを捻じ込み続けた!!! 名城10-9
12R 名城、グローブを叩いて前に出る!!! 名城、守る気はない… 倒す気だ… カサレスもこれに応じて打ち合う!!! 名城の右にカサレスはのけ反りながらも相打ちのカウンターを放つ!!! うううむ… 見栄えが良かったのは名城の右か？ 僅差で名城… 名城10-9
HIGEGE91の採点 115-114で、チャンピオン名城信男の勝ち!!!
公式の採点 116-112 カサレス 116-112 名城 割れた… 114-114… 「１－１」でドロー防衛!!!
いやぁ、厳しい戦いでありましたねぇ…
そして、世界の採点…ってのは、こういうことがあるのですね…
勢いやアグレッシブだけではポイントにならない…
カサレスの的確なパンチ数発と名城の捻じ込むような一発…をどう評価するか？
カサレスの勝ち…も充分ありえる内容でありましたが、しかし、これが日本のボクサー…っていう根性と闘魂を見事に発揮、これは以前のベストバウト、カスティーリョ戦以上の内容とも評価できるのではないでしょうか？
日本人選手との連戦が続き、それでも「世界チャンピオン」の肩書きってどうなの？…なんて厳しい目線に晒され、さらに、苦戦も続いていたわけですが、ドロー防衛とは言え、元WBO世界ライトフライ級王座を5度防衛した指名挑戦者のカサレスを退けた…ってことは、非常に高く評価されるべきだと思いますね。
まさに、ミスター「朴訥」というか、ミスター「真面目」というか、実に味わい深いボクサーですねぇ、名城選手は…
しかし、ボクシングマニアの方ならばご存知のはずですが、かつて、名城選手は巨大なる悲劇と遭遇しており、その「心の戦い」も今なお続いているのでありますね…
かつて、日本王座を獲得した試合で当時の日本チャンピオンが試合後にお亡くなりになってしまったのだ…
虚脱、絶望、無気力…との壮絶な戦いをくぐり抜け、そして、チャンピオンになったのでありますね…
従って、名城選手の強さはその強靭なるフィジカルや右ストレート以上に、この「心の強さ」があるのだ…とは、常々感じている…
長谷川選手や内藤選手のような「華やかさ」とは無縁かもしれない…が、しかし、実に心に沁みる味わいを持つチャンピオンなのだ…
そういえば、大阪へボクシング観戦で遠征した際、偶然名城選手を見つけたので、僕は声を掛けたのだ…
----名城さん、頑張って下さいよっ!!!
と、そんな僕の声に振り返った名城選手はペコリと頭を下げて、そして、恥ずかしそうに笑ってくれたのですが、その人の良さそうな笑顔ですが、今もなお目を閉じれば浮かんできます…
そうそう、実に味わい深い笑顔だったなぁ…
V2防衛達成、おめでとうございました!!!
御愛読感謝
つづく