7月14日に聖地・後楽園ホールで行われるWBC世界フェザー級タイトルマッチ、チャンピオンの粟生隆寛選手の初防衛戦が迫ってきた…
迎え撃つは同級1位のドミニカ人のオーソドックス…
エリオ・ロハス 26歳
【アマ戦績】 208戦206勝2敗 【プロ戦績】21勝13KO1敗
対するチャンピオンの通算戦績も振り返ってみる…
粟生隆寛 25歳
【アマ戦績】 79戦76勝3敗 【プロ戦績】19戦17勝8KO1敗1分
さて、アマチュアキャリアは粟生選手の2倍以上あって、さらに、世界選手権で銅メダルも獲得したと言うロハス、どうですか、この褐色の肌、そして、この唇を尖らせた精悍な表情…
はっきり言って、危険な相手でありますねぇ…
「高校6冠」という快挙をやってのけた粟生選手の国内デビューはボクシングファンの大きな注目を集めましたねぇ…
そのデビュー戦から日本王座獲得、榎洋之選手との日本人最強対決、僅差敗北の世界戦ラリオス①、そして、ついに世界奪取を果たしたラリオス②と、いくつかの戦いを思い浮かべる…
そのキャリア序盤に海外遠征をした一試合があった覚えがありますが、そういえばそれ以外の試合は全て見ている…
屈辱の苦戦、リング上で度々後悔の激情に駆られて惜しげもなくその目に泪を湛えた粟生選手でありますが、しかし、世界チャンピオンとなった今、そのボクシングは完成の域に達しているのか? まだまだ発展途上か? なんてことを考えると、やはり、まだまだこれから…という感触が残る。
つまり、その技巧は申し分ないとして、しかし、その技巧に「勝利への爆発的渇望」が宿り、ある種の、「神懸り的な強さ」を発揮した試合…というのを、僕はまだ粟生選手の全キャリアにおいて目撃したことがない…と感じる。
もちろん、ラリオス②がもっともそのような「領域」に肉迫した試合であるとは思いますが、そのような「領域」での戦いを幾度も幾度も潜り抜け、歴代の名世界チャンピオンたちはその「神懸り」を自在に操る術を体得していったのだろう…と考えた時、粟生選手の「強さ」は、まだ未成熟であるという印象は拭えない…
では、世界1位のドミニカ人の強さを想像する…
世界挑戦者決定戦を制してその挑戦者の座を奪い取った実力と、潜り抜けてきた修羅場を想う…
さらに、その「貪欲」と世界王座獲得への「想い」と「執念」を想い、これと、粟生選手の「世界チャンピオンとしての意地」、「勝利への渇望」とその「執念」を天秤に掛けてみる…
はっきり言って、かなり「危険」な印象を受ける…
初防衛成功はかなり際どい…という印象を僕は受ける。
粟生選手に期待したいもの、それはラリオス②以上の「気迫の充実」と、その技巧との「融合」…
これがなくして、初防衛成功は叶わない…と感じている。
粟生選手はまだ、「チャンピオン」と呼ばれることが「恥ずかしい」のだ、と言う…
まだ、どうしても「慣れない」のだと言う…
このあたりの「心の形」に、正直、「不安」を感じるのは確かだ…
粟生選手よ、君は「WBC世界フェザー級チャンピオン」なのだ…
その「重圧」と「責任」を背負いきり、それを「闘魂」と「勝利への執念」の爆発で跳ね返してくれ!!!
などと、僕は感じ、そして、期待ている…
御愛読感謝
つづく