生観戦!! 佐々木×サンティリャン、洋介山×方波見…!!! | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

2008 12 6 ダイナミックグローブ 

後楽園ホール


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東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ

チャンピオン 佐々木基樹 30W19KO7L1D

×

挑戦者 レブ・サンティリャン 25W18KO4L1D 


通産4度この王座を獲得した前チャンピオンを迎え撃つ佐々木選手の2度目の防衛戦…


チャンピオンの佐々木選手がこのサンティリャンから王座を獲得した試合は1Rゴングと同時に突進の奇襲作戦を敢行、また、随所にダウンを奪う見せ場を作るもいきなり失速…で、これは飛ばし過ぎたか、息切れか、それとも本当に効いちゃったのか…!? なんて展開からいきなり息を吹き返す強烈なKO王座奪取…


物凄い「緩急」…をつけた作戦勝ちのボクシングでした…


頭脳派…と呼ばれる高学歴ボクサーとしても有名である…


初防衛を無難に大差判定で飾り(大きな試合の後は負けてしまう…なんて汚名を返上する確実な勝利)、このV2戦…


世界ランクもWBA・WBCそれぞれ15位に乗っけたようです…


一方、前チャンピオンのサンティリャンは日本の石神井Sジム所属になった日本でもお馴染みの強豪… なんといっても現東洋太平洋スーパーウェルター級チャンピオンの日高和彦選手をボロボロになるまで打ち込んで倒した試合が僕には印象的な選手ですね…


1R サウスポーのサンティリャン、その滑らかなワンツーを的確に繰り出す立ち上がり… 懐も佐々木選手よりも深い上々の立ち上がり… 一方のチャンピオン佐々木、左ボディーストレートをロープを背負って喰い、うっ…と足が止まったように見えたが大丈夫か…!? 残り10秒は果敢に攻め込んだが、やや硬い印象の残る立ち上がりか…? サンティリャン10-9


2R 佐々木の手数が増えた… サンティリャンが前に出てきたところに強烈な左フックを見舞い、それが当たる… さらに、長いワンツーが武器のサンティリャンの腹に右ボディーストレート!! そして、いきなりの右ストレートが直撃し始めた… 前のKO奪取の再現はあるか…!? 佐々木10-9


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3R 佐々木のいきなりの右ストレート、さらに飛び込みながらの左フックがサンティリャンを捕らえる… サンティリャンも左ボディーストレートで佐々木をくじくも、しかし、佐々木の攻勢とクリーンヒットが上回る… 佐々木10-9


4 5 6R リーチが長いはずのサンティリャンだが、佐々木の大胆な飛び込みの前にペースを握れず、さらに奇妙なことに非力に見える… 佐々木は固いガードでそのサンティリャンのワンツーをきっちりブロック、その左が戻るタイミングで大胆に飛び込んで打ち込んで行く… 時々決まるサンティリャンのボディーストレート以外、あまり危険な被弾は見えなかった… サンティリャンのワンツーが決まってもそれは浅く、すぐに打ち返して積極的な攻勢を印象付ける佐々木… が、6R終了間際、やや被弾、左瞼をカット、これは有効打によるもの… それぞれ佐々木10-9


7R と、この7Rの立ち上がり、いきなり佐々木失速… 体が重そう… 手数が極端に減った… ぐっ…!? サンテリャンが攻め込む!!! 佐々木、ロープを背負い、その猛攻を腰を曲げ、体を捻って必死のディフェンス…!! これ、僕はちょっと理解できなかった… 何かその失速のきっかけとなる被弾があったのか…!? カメラのファインダー越しだとよく見逃しちゃうんですよねぇ… っていうか、物凄いピンチに見えます… サンティリャン、5度目の同王座獲得なるか…!? 


ビクッ!!!


え!?


…と、さっきまで苦しそうだった佐々木、いきなり眼光鋭く蘇ると左フックから右ストレート!!! 


サンティリャンだけじゃなくて、観客も「きつねに化かされたような」一瞬を味わったのではなかろか…?


サンティリャン、コーナーを背負い、ここで堪らずダウン…!!!


辛くも立ち上がるも、再開後、佐々木、怒涛の猛攻連打で再びサンティリャンは倒された…


ここでレフェリーはノーカウントで両腕を交差させた…


7R 2:43 TKOでチャンピオン・佐々木基樹選手の2度目の防衛成功!!!



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びっくりしましたねぇ…


まさに「頭脳派」、「知将」…とでも申しましょうか…!?


あの「失速いやいや」…は作戦、すなわち演技…だったということでしょうか?


そういえば、前の両者の戦いも、効いてしまった(?)佐々木選手、いきなり蘇って強拳爆発連打でTKO勝利…!!! 


って、勝ち方でしたよね…!?


その勝利者インタビューでありますが、その言葉にちょっと痺れちゃいましたねぇ…


「…例え、この命を削ってでも、もっと高みに、少しでも高い場所に行きたい!!!」


と、涙ながらに仰ってました…


勝っても負けても「意外性の男」…であります。そういえば、いつかさいたまスーパーアリーナで無敗の世界ランカーだったダウディ・バハリを完全シャットアウトして世界ランクを奪った…と思ったらその後はノーランカーの選手に引き分けたり負けたり…っていうんで僕もがっかりしたことありました…


あの名チャンピオン・湯場選手から日本タイトルを奪う大番狂わせを演じるも初防衛失敗… 日本王座もそのように手放したり、たくさんの苦渋を味わいつくしたからこそ…な「強さ」を感じますが、さて、これからが楽しみであります…


三十路ボクサーですしね…


で、気になるセミファイナル、僕はこの試合が観たくて足を運んだのですね…


スーパーライト級8回戦


方波見吉隆 13W10KO3L1D

×

小野寺洋介山 17W7KO1L1D 日本2位



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方波見選手、先月まで日本ランク入ってたのですが、ちょっと消えてしまったようですが、意味としては非常に興味深いランカー対決…


方波見選手といえば、日本人ボクサーには珍しい長いリーチとフットワークを生かした目で見て判る技巧派…っていうんで、凄く印象的なボクサーなんですね…


一方、現在日本2位につけている洋介山選手、こちらは日本人ボクサーとしては非常に典型的ともいえそうな手数と圧倒的前進が武器のファイタータイプ、ラッシャー型っていうんでしょうか…?


1R 方波見はサウスポー、懐深く保った距離感で勝負… 洋介山、慎重な立ち上がりで手数もあまり出ず… フットワークと柔らかいボディーワークを駆使しながら適度なワンツーをヒットさせた方波見のRか… 方波見10-9


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2R 洋介山のダイレクトライトがクリーンヒットするも、これは単発… しかし、洋介山、方波見をコーナーに詰めて重いボディーブローをヒットさせた… が、試合巧者の方波見、コーナーを背負ってもするり…と体を入れ替えるとクリンチをうまく使って洋介山の追撃を断ち切ってしまう… 洋介山10-9


3R 距離を残し、遠距離からワンツーを打ち込む方波見に対して洋介山はガードを固め、方波見の退路を断つといきなりの右をヒット!!! 方波見、のけぞるもあまりダメージはないようだ… つまり、そのパンチの威力を殺し、見切っている…ということか? が、ここはアグレッシブの洋介山… 洋介山10-9



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4R 方波見、距離を詰めてくる洋介山に右アッパーをカウンターで合わせ、さらに左ストレートを突き出すコンビネーション!!! これは浅かったが凄い攻撃… その試合巧者振りで前進が最大の武器の洋介山を捌く方波見であったが、しかし、ガードの上からでも強烈なパンチを打ち込む洋介山のアグレッシブを比べると、両者決定打はなくともやはり洋介山にポイントは流れるか…?


5R 洋介山がやや空転気味な印象… 決定的ではなかったが、ここは方波見が洋介山を空転させ、その技術とジャブが光った印象でした… 方波見10-9


6R ここも決定的な場面が見えなかったが、印象としては洋介山のフルスイングが頭に残るも、しかし、方波見はこれらをクリーンヒットで被弾しているようにも見えない… 非常に悩ましく見えました… 単発とはいえ、方波見の左ショートカウンターが飛び込み際の洋介山に命中したように見えたのでここは方波見としましたが、アグレッシブは洋介山になるのかな…? 方波見10-9


7R 洋介山が方波見にロープを背負わせる… この場面は実は度々あるのですが、しかし、その柔らかなボディーワークとクリンチで洋介山の攻撃はいつも尻切れの単発に終わっちゃうんですよね… が、この試合の山場は不意に訪れたのだ…


方波見のいきなりの右アッパーカットが洋介山のガードを割って突きあがられた…!!


洋介山、さらに追撃のコンビネーションを喰って足が止まった… 効いた!!!


これ、僕にはKOチャンスに見えました…が、慎重でクレバーな方波見、「猛攻」までその後の追撃が及ばずゴング… クリンチして窮地を凌いだ洋介山であった… 方波見10-9


8R 最終ラウンド!!! 僕にはポイント的にも拮抗しているように見えましたが、採点はどうなっているのか…?試合運びの巧さで優位に立つも、しかし、決定打不足の方波見に、その巧さの前に最大の武器である猛攻手数が発揮しきれない洋介山… と、洋介山の出鼻をくじく有効打、方波見の右アッパーが炸裂… が、ここから洋介山本来の全身全霊アグレッシブの火が点いた… これを方波見は器用に捌くも、しかし、残り30秒、洋介山の右フックが炸裂、さらに追撃も有効、方波見、あまり効いてはなさそうだがクリンチで凌ぐ… 


洋介山、このラウンドは攻めきった… 洋介山10-9


HIGEGE91の採点 76-76のドロー


公式の採点 78-76 78-75 78-75 3-0のユナニマスデシジョンで、勝者、小野寺洋介山!!!


そのトランクスに「感謝」の文字と「なにくそ」の文字を縫込み、さらに、黄色い「ヒマワリ」の刺繍を施した洋介山が僕は凄く好きなんです…


よかった… しかし、方波見選手、凄く気になる巧さを発揮する選手であります…


僕には引き分けに見えたけれど、採点結果は「アグレッシブの差」…が出たということなのでしょうね…


久しぶりの後楽園ホールでしたが、面白かったです…


洋介山選手、この勝利で次はついに日本タイトルマッチ見えてきましたが、年明けチャンピオンカーニバル出場はあるのでしょうか…?


日本チャンピオンは敵地ウクライナでの世界挑戦こそ敗れたものの、はっきりいって国内敵なし感漂う続ける木村登勇選手…


もうすぐ世界戦再起後第1戦目の防衛戦ですよね…


こちらも注目であります…


御愛読感謝


つづく