もういいやろか? いいよ… 越本親子の「絆」のついて | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

 2006 7 30 WBC世界フェザー級タイトルマッチ…


 35歳という日本人最高齢世界王者の歴史的な快挙を達成した王者・越本隆志が、挑戦者で世界ランク14位のルディー・ロペス(メキシコ)の前に7RTKO負けを喫した…のは昨日書いた。


越本、崩れる


 新聞記事の報道によれば、6年前に故障していた右肩のみならず、サウスポーである越本隆志の利き腕、その左肩も故障していた…と言う。


 僕はその映像を見ていないからその感想は活字に頼るところとなるが、相当に厳しい状況であった…ようだ。


 両肩の上がらないボクサー…


 左アッパーを無意識のうちに繰り出していた…とあるが、そのパンチは数年ぶりであった…と言う。


 故障と年齢との戦い…


 技術的にも優れている越本が若い22歳のメキシカンに敗れるはずはない…と多くの方が信じていたが、結果、その若さと勢い、さらに死に物狂いで打って出た挑戦者ロペスを捌けずにマットに沈んだわけだが、その原因は年齢と故障だけではないようにも思う。


 しかし、それは気迫の欠如…ではないことは確かだ。


 出だしは好調だった、と言うから、背水の陣…で常に戦い続けてきた越本隆志にあって、自我のコントロールはこの際原因ではないように感じる。


 中学生のときにジム会長である父親・英武さんと世界奪取を誓い、苦節21年間の苦労(…九産大九州高時代のアマ戦績は6勝(6KORSC)6敗。92年11月、1回KO勝ちでプロデビュー。同年全日本フェザー級新人王。96年11月、日本フェザー級王座獲得。6度防衛。2001年9月、東洋太平洋同級王座獲得。7度防衛。2001年に当時の世界王者・フレディー・ノーウッドに挑戦失敗も含まれる)が報われての今年初めの世界王座戴冠…の達成感は確かに大きすぎたのかもしれない。





 もうええやろか…?


 


 いいよ…


 

 これは試合後の親子の会話だそうだ。


 壮絶に散って、担架で運ばれた越本隆志が、試合後の検診中に父親であるジム会長・英武さんと交わした言葉…


 


 僕は仕事に追われているが、このたった一言二言の会話が頭から離れない…


 こんなブログを書いている暇はないのであるが、この胸にこみ上げる激情を噛み砕かないと次に進めないのだ。



 今朝、コンビニで手にした日刊スポーツの「写真」が頭から離れない…


 それはレフリーストップされた直後、リング上で仰向けに倒れた息子である隆志を抱きかかえた父・英武さんの写真だ…


 最愛の息子と手に入れた「約束の世界王座」を失い、それ以上にその苦悩と挫折を二人三脚で歩んできた息子が目の前でノックアウトされたわけだが、僕はその張り裂けんばかりの父・英武さんの「心の中」を想像して涙が込み上げて込み上げてどうにもならないのである…


 胸が締め付けられる…


 苦しい…


 世界王座奪取を誓った21年前から始まり、宿願を果たした世界王座奪取から昨日の王座陥落・・・・


 親子…と言う関係性を考える。


 その絆…と言うモノを考えてみる。


 両腕の上がらないボクサーである息子をリングに上げなければならない気持ちはどのようなものであったのか?


 また、それでもリングに上がらなければならなかった息子の気持ちはどのようなものであったのか?



 さらに、二人の気持ちが交わった「部分」は、どのようなモノであったのか?


 とてもではないが「活字」になどならない…


 勝利を信じていた…とは思う。


 その喜びを分かち合うために戦ってきたのだ。


 しかし、結果は残酷なほどの壮絶さで二人を待ち構えていたのだ。


 ボロキレ…のように粉砕された息子を抱きしめる父・英武さんの姿が、どうにも僕の心に強烈に焼きついて離れない…。


 これは「感動」と言えば「感動」なのだが、単なる「感動」ではない…


 そこにあるものは、人間と言う存在がいかに儚く、さらに曖昧なものであるか…と言う前提にあって、それでもなお、何ものにも代えがたい「絆」…と呼ばれる尊い関係性を作り上げることができる…と言う人間という生き物の『真髄』を見たような気がしている…


 眩いライトに照らされた地元福岡の初防衛戦のリングで、夢…は一旦終止符が打たれた…


 しかし、この「親子の絆」…が僕たちに示したものは計り知れないほど巨大なものである。


 僕の中にあって、それは世界王座と並び賞されるものである…


 衝突もあったはずだ。


 それも単なる喧嘩から人生を左右する決断と挫折の克服も常に共にあった二人の「写真」…


 そして、この「親子鷹」が辿り着いた場所…を僕たちは見せてもらったわけだが、この「絆」…というモノについて少し考えてみてはどうか?


 みなさんそれぞれに大切にされているはずの「絆」…について、少しばかり顧みられてはどうか?


 僕、higege91の両親はお蔭様で健在である。


 いかにしてこの「絆」を確かめ合い、その深さを共に分かち合ったらいいものか?


 親子関係に限らず、「絆」は数多く存在してますね。


 大切なものを自分は「大切なもの」としてちゃんと噛み締めていますか?


 これ、意外と難しい…ですよね。


 オウチャク禁止!!!!


 では、先陣を切ってどうしようもないhigege91こと、出来の悪い『放蕩息子』から両親に、先ずは感謝の気持ちをひとこと…


 僕を作ってくださって、また、育てていただいて、本当にありがとうございます…


 また、たくさんの思い出、たくさんの言葉、心を注いでいただきまして、本当にありがとうございます。


 では、ここで僕の母が僕がまだ小学生だった頃詠んでくれた「俳句」を記して、仕事に復帰しようと思います。



 子の語る 夢に夢のせ 春炬燵(はるごたつ) 



 お父さん お母さん ありがとうございます。


 越本親子、本当にありがとうございました。


 御愛読感謝


 つづく