…眠い目をこすりながら早朝の外環自動車道から三郷JCTを経由して常磐道へ。
昨晩の東名集中工事にはまいった。厚木からベタ混み。睡眠不足。
午前2時に家に帰って、風呂に入って、ちょっと仕事して、6時前には家を出る。
…で、常磐道を走っていた。いろいろなことが頭に浮かぶが、基本的に仕事嫌いなので、そうでないモノの方が多い。
…嗚呼、15年前の初めての口づけ…、って言うのは嘘だ。
…嗚呼、佐竹政一。
あのう、…早朝からボクシングですか?
…あいすいません。
2年、3年前?…トリプル世界戦の前座、当時東洋太平洋スーパーライト級王者・佐竹の世界前哨戦、対するはベネズエラの国内チャンピオン、確か、13勝12KOだったような、リチャード・レイナ…。
もう世界挑戦秒読み段階、というか、「今が旬」なぷりぷりの状態の佐竹政一…。
危険な前哨戦だったよなぁ。当時も今もビッグネームの坂本を破り、勢いに乗っていたはず…(?)。
対するレイナの戦績は凄まじい。このオールKOに近い戦績。
…眠い目をこすりながら、記憶をたどる…
1R、ガンガン押してくるレイナに対して、身長、リーチ、スピードで上回る佐竹。しかし、そのプレッシャーがあまりにもきつく、フットワークを生かして軽いジャブで応戦するも、そのレイナの突進を止めるには至らない。…捕まっちゃうんじゃないか?…とても捌ききれない。…と、佐竹は顔面にクリーンヒットを受けてしまう。…が、深刻なダメージではなさそうだ。…が、ココロが萎縮しそうな嫌なパンチ。
カーン!!
…これはまずい。「マタドール」とあだ名される佐竹ではあるが。厳しい。嫌な相手だ。レイナは倒す気マンマン。勢いに乗っている。…ぐ。
2R 同じ展開。レイナが突進してきて、佐竹がサークリングしながらジャブで牽制する展開。レイナは「ハードパンチャー」だ。パンチが空を切る『音』が聞こえてくるようだ。…と、佐竹がロープに詰まる。ここぞとばかりにレイナが連打を振りかざす。…佐竹、ガードを固めて防戦一方。勢いに乗るレイナ。…やばぁ。
…スッ
佐竹がレイナの連打を掻い潜って、そのサイドから背後へ回り込む。
レイナ、振り返りながら大きな右を振りかざす。
ドシュッ!!
佐竹の『左フック』がカウンターとなって振り向きざまのレイナの顎先に突き刺さり、それは振り抜かれた。
レイナは受身も取らずにバタンと倒れた。それは、砂の城がくずれるが如く、まるで、スローモーションのように倒れた。
レイナは真っ白だった。意識が完全に飛び、レフリーはノーカウントで両手を交錯させた。
…これは『芸術的な』カウンターパンチだった。
問答無用、言語道断…であった。
佐竹はその後、あのまさかの世界王者・カルロス・マウーサに前哨戦でダウンを奪うも、判定負け。虎の子の東洋太平洋のベルトを韓国の金にKO負けで奪われる…。
佐竹が地方の比較的小さなジムでなかったら…。軽量級と違い、スーパーライト級はそうやすやすとチャンスはめぐってはこない。…あと一歩、あともうひとふん張りできたら…。
…とは、あの強烈で美しすぎるカウンターKOを見た人だったら、みんなそう感じてしまう。
金に、どんな風にKOされたかは知らない。早いRだったみたいだなぁ…。
…そんなことを考えながら、映画のロケ場所を探して、そのシーンに相応しい風景を探して、車を走らせるHIGEGE91であった。
…佐竹VSレイナ、…もう1度みたいなぁ。凄いKOだったなぁ。
元東洋太平洋スーパーライト級王者・佐竹政一は、今、「プロゴルファー」を目指していると言う…。
追伸、なにも確かめず、思い出しながら書いたので、事実と食い違っている点もあるかと思いますが、早朝の常磐道を走っていた頭の中の『風景』なので、あしからず…。
御愛読感謝
つづく