『リング禍』…の記事を見つけて  また、名城信男VSプロスパー松浦の世界挑戦者決定戦について  | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

6回戦ボクサーが開頭手術  日本ボクシングコミッションは1日、10月29日の試合で判定負けしたスーパーフライ級の岩村仁式(岐阜ヨコゼキ)が、急性硬膜下血腫のため奈良県生駒市内の病院で開頭手術を受けたと発表した。大阪府立体育会館で井階甲基(森岡)と6回戦を戦った。


…と、あった。気になるニュースだ。安全性を追求し、ワンテンポ早いレフリーストップを実践すると、観客は物足りなさを感じさせてしまい、人気低迷中のボクシングの醍醐味を損なう可能性がある。しかし、これはある程度仕方のないことだ、とも思う。


 最近、これは「危ない」と感じた試合と言えば、日本スーパーライト級タイトルマッチの木村VS大嶋戦(…大嶋は滅多打ち、逆転の見込みがなさそうだったら、早いストップがあってもいい)、バレロVS坂東の1Rもったら100万円賞金マッチ(坂東が2度目のダウンを喫した時、頭が取れそうな凄いパンチだった。これはレフリーストップできない決定打の1っ発だったが怖かった)、真鍋VSジャガー(ジャガーの打たれ強さが際立つも、あまりも打たれ過ぎだったので恐ろしかった)、有永VS丸山(丸山は距離を奪われ、スピードにもついてゆけず、サンドバック状態になってしまった)、音田VS丸元(ウェルターの重いパンチでの連だの激しい交換、音田はダウンするも起き上がり、最後まで血だらけで闘い続けた)、内藤大助の世界戦前座の4回戦第1試合、小室VS田部井(1R39秒、田部井の左フックカウンターで小室がダウン、失神KO)…等々、たくさん思い出される。


 闘うことで客を喜ばせる職業である以上、危険は免れない…、にしても、こうも「開頭手術」に至るほどの事故が続くと胸が痛む。


 闘うことでしか「自分」を表現できないボクサー、闘うことでしか「自分」を保てないボクサー、闘うことでしか「自分」を確かめることの出来ないボクサー…。


 我々観客が望むものは一体何なのだろうか?興奮?恐怖?壮絶?逆転?克服?恍惚?美?燃焼?…そのどれもが僕たちが見たいものであるが、リングが『聖域』である以上、観客は声援は送ることが出来ても、それ以上でもそれ以下でもない存在なのだ。鍛錬された肉体同士が戦い、それでも起こってしまう『リング禍』…。とにかく、岩村選手の早い回復を望む。がんばれ。


 …で、先月、カツバイ(…亀田が返上したOPBF・フライ級のベルトを小松則幸と争うらしい…)と10回戦を行い、壮絶なKO負けを喫してやはり『開頭手術』を受け、入院していた藤掛選手は間もなく退院できそう…とのニュースを読んだ。ほっとした。確かに凄まじい負け方だった。消耗に消耗、被弾に被弾した挙句、最終10Rに決定的なパンチを食らって自分で立てなかった藤掛選手は「勇気」が禍してしまった。勝利への執念が本来ボクサーファイターの彼を・ファイターに変えた。勝負に出た矢先の豪快なカウンター被弾…。しかし、藤掛選手は生死をさまようも「現世」に帰ってきた。このような手術を受けた選手はもうリングに立てない…という。本人は辛かろうが、新しい『道』をいち早く見つけてがんばって欲しい。ボクサーとしてやってきたわけだから、『根性』『努力』の重みと、『精進』することの大切さは誰よりも分かっているはずだ。どんな『道』を選んでもきっと『成功』できる…と思う。無責任な言い方かもしれないが、少なくとも、目的をもたない世間一般の人たちよりも、目的の為に物事を突き詰め、さらに追求していく為の『素質』『経験』はきっと充実しているに違いない。がんばって欲しい。僕はあの最終10Rの、藤掛選手が『己』に喝を入れた『声』とその『勇気』の証人である。絶対に忘れない。


 しかし、ボクシングと『事故』が無縁にはなり得ない分だけ、戦う側も、観戦する側も『燃焼』できるわけだが、事故に関しては、なるべく起こらないよう願うほかないことが、歯がゆいのは確かだ…。


2005_11_22 トリプルタイトルマッチdaxa


…が、この秋、注目の目玉興行はなんと言っても上記ポスターのトリプルタイトルマッチだろう…。なかでも日本スーパーフライ級王者・WBA4位 名城信男VS元日本王者・WBA2位 プロスパー松浦 の世界挑戦者決定戦ではなかろうか? 


 …名城信男はこれが初防衛戦だ。王座奪取は激闘の末、前王者・田中聖二をKOしての載冠だった。…が、名城の強打が田中聖二選手を死に至らしめてしまったのは記憶に新しい。その『事故』後の初防衛戦が世界挑戦者決定戦で、さらに日本王座初防衛の大一番となる…。


 闘うことが「恐怖」とならなければいい。田中選手もフェアな戦いとその結果を待っていることと思う。名城には期待したい。罪の意識もあろうが、がんばって乗り越えて欲しい…。…が、一方のプロスパー松浦もまた苦労人なのだ。


 苦節12年。うなぎ店で働く松浦にビッグチャンスが舞い込んできた。22日の日本タイトル戦を控え「年齢的にもこれが最後のチャンス。惜しいとか、ドローはいらない。どんな形でも勝つしかない」。この一戦にはWBAが勝者に世界挑戦権を与えることを内定し、1日の総会で正式承認される。松浦のモチベーションは日増しに高まっている。
 再出発だ。03年4月に日本スーパーフライ級王座を奪取したが、同年9月の初防衛に失敗。相手のローブローの反則が認められ、04年2月に再戦となったが判定負けした。その後、外国人選手3人を下し、再挑戦の準備を進めてきた。王者名城は世界ランク4位で、2位松浦が格上。最強の挑戦者としてリングに上がる。

 …以上新聞記事抜粋。

 

 「うなぎ店」かぁ…。痺れちゃうなぁ。なんだか、メチャクチャやさしい顔してるんだよな、プロスパーって…。

プロスパー松浦 …ね?いい感じな顔つきでしょ?


北海道出身、反対する両親を押し切って15歳の春に旭川から上京…、デビューまで3年、日本王座挑戦まで10年を費やして登り続けた28歳、最後の挑戦…。


 …どっちもがんばれ!!


つづく