藤掛真幸選手(日本フライ級6位)、頼むから回復してくれ!! | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

 昨日(9・17)のダイナミックグローブのメインで同級フィリピン王者と戦った藤掛真幸選手が、10回TKO負けを喫した。危険なKOシーンだった。対戦相手のフェデリコ・カツバイは腕の太いハードパンチャーで、藤掛はテクニシャンタイプのボクサー型。試合は拮抗していた。レフリーも難しいタイミングでのストップを迫られていたが、格段に「やらせすぎ」た、とは思わなかった。適切なストップとは思う。…が、10回開始時、気合を入れて声を発して赤コーナーから飛び出した藤掛は気迫も、集中力もはっきりしていたように見えた。しかし、同R30秒前後にカツバイの大きなパンチが命中。中盤以降、かなり貰っていたからすでにダメージも深かったのだろう。藤掛は力の入らない膝で堪えたがコーナーに追い詰められたところでレフリーがストップ…。試合直後のリング上では「意識」はあったそうなのだが、自分で立つことは出来なかった。担架で退場後、控え室で意識を失い、病院へ搬送され「開頭手術」を行ったそうだが、未だ意識不明の重態であるという…。

 

 …ボクシングはショービジネスである。本来ならばメインは世界挑戦経験もアル「長嶋健吾」選手が登場する予定だったのだが、長嶋選手が怪我で首を負傷、急遽の代打出場となった経緯があった。セミの宮田芳憲選手もそうだったと聞く。世界戦の中止、対戦相手変更、一度回収してしまったチケット料金のこともあろうが、このような準備期間のないなかでランカークラスの強打を持った選手同士のマッチメイクは見ているほうも「なんだか怖い」。…個人的には1週間前に代打を告知され、セミで10回戦戦った宮田選手の試合もなんだか怖かった。ファイタータイプが乱打戦を繰り広げる。スタミナと勘を取り戻せず、対策も曖昧なまま殴りあう…。ボクシングというスポーツは「勝ち星」の重みが他のスポーツと違って大きいのは事実だ。選手生命も長いとはいえない。「青春」と呼ばれる「瞬間」に、いかに「自分」を燃焼させるか…。いかに、自分の目指す「自分」に近づくか、そして、「強く」なれるか、を最短距離で突き進むスポーツである。その分、危険をとなう。それは分かっている。しかし、他のスポーツ、あるいは手段では違うと感じる人間だけが「拳」だけを信じて闘う…。僕はその「情熱」にほだされ、目が離せなくなった単なる「ファン」、「マニア」に過ぎない。…が、このような事故を耳にするたび、「どうにもならない」気持ちになる。それは手の届かない、「リング」の上での出来事であり、それは『聖域』での出来事、『雲の上』での出来事である。余計、胸が痛い。戦いに歓喜する自分が恐ろしくもあり、それなしでは生きていけない自分が嫌になることもある…。


 藤掛選手は以前はバンタムで日本ランクも手にしていたほどのテクニシャンタイプ(…しかし、バンタムウェイトから、2回級下のフライでやっていたというのもこの世界の厳しさと、異常さを痛感せずにはいられない。辛かったろうな…)。藤掛選手は距離をとって戦うタイプ。しかし、後半は敵の正面に立つ場面も多く、拮抗したポイントを積極的に取りに行こうと決死の応戦を覚悟し、前へ出て行った矢先の、ほんの一瞬の出来事であった。ガッツのある、価値への執念を感じさせるファイトを展開していた。最終10R、僕はテレビのブラウン管の中の、藤掛選手が自分を奮い立たせる為に叫んだ「声」が頭から離れない。念願の日本王座挑戦を視野に入れての勝負であった。挑戦するには結果が必要なのだ。18古河ジムへ移籍して3連勝中だった。もうすぐタイトルへ手の届く場所に彼はいた。負ければ先がない。ボクシングほどその「勝ち星」の重みのあるスポーツはない。基本的に、次はない。もう1度やれば…、は叶ったとしても、それは限られた選手にのみ与えられる権利であって、通常、常に「今この一時」に全てをかけるしかないスポーツである。よって、その「命」さえもかけて闘う。人間に与えられし、究極の財産をかけて闘うって…。一体…?


 先日も4回戦のデビュー戦で似たような事故があったばかり。高校のボクシング部では、「マスボクシング」での加撃が原因とされる死亡事故もあった。胸が痛いとしか言いようがない。命あってのスポーツであるはずだが、燃え尽きるのは「早すぎる」。無事回復して、人生の続きを最後までまっとうできる様、祈るしかない。

 

藤掛選手、がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。

       がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。
       がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。             

       がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。
       がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。             

       がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。

つづく