写真は、25日、記者会見当日の夜のNHKニュースを撮ったものである。

ニュースでは会見内容も細切れだし、
菅官房長官の八つ当たりのような個人評も継ぎ足されていて、

前事務次官が官邸にたてつくことの「意味」が、私にはよく伝わらなかった。

 

ただ、第一印象として、この人は噓を言う人ではなく、

また、損得で動く人でもないようだ、という感触は得た。

ネットでは、前川は「出会い系バー」で女の子に小遣いを渡した不届き者と

得々と書くものがいて、驚く。

 

問題の本質とは、全く関係がない。
前川氏は、このリークを政権側からの牽制とは思わないか、と問われて
「そういう国ではないと信じたい」と答えた。

彼らが、前川氏の発言の重さを否定しようと躍起になるほど、
私にとって、発言の重みは増す一方だ。
 

かつての「ネトウヨ」は、

サヨクの不用意な発言にかみついて、それはガセだ証拠を出せ、とやったものだが、

今回は発言の内容に触れることがない。
発言内容には、「ツッコミどころ」がないのだ。

前川氏の発言は、簡単にいえば、

官房長官が「怪文書のたぐい」と評した文章が、行政的に「有効」なものであって、

官僚が、政治の圧力で、判断と手続きをゆがめた、と、
自ら認めたものである。

 

行政的に無効なものであれば、そもそも存在する「意味」がない。

官僚は、政治家と結託して、ろくでもない判断をしたというだけのことになる。
 

だが、普通の人は、「あったものをなかったとはいえない」ものだ。


つまりは、この国の中枢で、事実が隠され、嘘がまかり通っていたのだ。

今回のことは、前川氏にとっては、何の得もない告発である。

人としての倫理観、正義感から語ったとしか、理由が思いつかない。
だから、信頼に足るのである。

 

国会喚問があろうとなかろうと、
現時点で、私は、前川氏を信じ、支持するものである。

 

キッズドアの渡辺由美子氏は、下のように書いている。

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これは、私の推察であり、希望なのかもしれないが、彼は、日本という国の教育を司る省庁のトップを経験した者として、正しい大人のあるべき姿を見せてくれたのではないだろうか?

 

私は今の日本の最大の教育課題は「教育長や校長先生が(保身のために)嘘をつく」ことだと思う。

 

(中略)

 

前川氏が、自分には何の得もなく逆に大きなリスクがあり、さらに自分の家族やお世話になった大臣や副大臣、文部科学省の後輩たちに迷惑をかけると分かった上で、それでもこの記者会見をしたのは、

「正義はある」

ということを、子どもたちに見せたかったのではないだろうか?

 

「あったものをなかったものにはできない。」

 

そうなんだ、嘘をつかなくていいんだ、正しいものは正しいと、間違っているものは間違っていると、多くの人を敵に回しても、自分の意見をはっきりと言っていいんだ。

 

子どもたちとって、これほど心強いことはない。

 

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私にだって心強い。

これこそまさに、
私の言った「チルドレンファースト」だからである。


子供を助けるのではない。
 

子供に恥ずかしくない行動をとり、

子供が、憧れ、真似たいと思うような人であろうとすること。
それが、唯一、子供たちに「道」を伝える方法なのである。

 

他国のありかたを信頼できず、
法の解釈を権力の都合に合わせて変えたり、
また、権力の都合で運用できるような法律を作る、

子どもに語るのも恥ずかしい、この国の総理大臣には

さっさと辞めていただきたいと思う。

 

27日、久しぶりに開いた「九条救助隊」の集まりで、

とある方が、こう言った。

「北朝鮮の核やミサイルの開発を止めるには
 何を言い聞かせても、どんな武器で脅しても、無駄だろう。

 彼らは、アメリカのマネをしているだけだからだ。

 

 子どもというものは、親の言うことなど、ききはしない。

 ただ、親のやっていることを見て、真似ているだけなのだ」

 

ここで声を上げなければ、

子供たちは、人は損得で生きるしかないと知るばかりか、

ついには、損得で生きることが「正しいことだ」と思うようになるだろう。