色々な表現と出会う事が好きです。

自分で表現する事も好きです。



この声に出会ったとき、それは私の心を見ていました。

私の心は、驚き、気付き、その声を見つめました。



以来、心を浸しに通っています。

シャンソン歌手、江川真理子さん。








2013年は、仕事納めの日に、星野愛加さんのフラメンコで、堪能納め。



2014年は、仕事始めの日に、江川真理子さんのシャンソンで、堪能始め。


最高の年末年始です。



フラメンコだけでなく、シャンソンも、心求める表現。

ベテランのシャンソンを、聴いたことありますか?

「心に流れてくる」という感覚を、「頭」ではなく「心」で意識したことは、ありますか?



銀座「月夜の仔猫」。





このお店に行ったのは、真理子さんの表現を求めるため。

ただ、もう一人。

YouTubeだけではなく、直接聴きたかった歌手に会うのも、今回の目的。



「シャンソン」について、あなたは何をイメージしますか?

「古い歌」?

それとも、聴いたことがないから、何のイメージも無いかな。


20代、30代の歌手も、いるんですよ。


シャンソンは、深みが増すことがあっても、古くなることはありません。

何故ならば、心紡ぎ、編み出されているから。

そこに歌い手の人生が染め込まれ、同じ歌でも歌い手によって、全く異なる世界が浮かぶ。


平成の人生が伝える歌。

琴音ちゃん。




彼女の歌は、この二十数年を生きてきた、琴音という人生。




では、50年以上も熟成された歌になると、古いのか。

そんなことはありません。

人の心は、思いは、時代を経ても変わらない。

歴史を重ねた歌手の凄みが、ここにあります。


その最たる方が、歌謡界の大ベテラン、ジェリー藤尾さん。

生で聴いたあの「マイ・ウエイ」は、言葉で説明できないほどの出会いであり、最高のひとときであり、生涯にわたる喜びでした。



今、シャンソンのお客さんが少ないのです。


シャンソンに限らず、とても素晴らしくて、嬉しくて、心求める表現が存在しているのに、お客さんが少ない。

これは明らかに、出会う「窓」が無さすぎるのが原因。

自分から探しに行かないと、シャンソンもフラメンコも、日常に入ってきません。

アンテナを張ると、自分がよく通っている場所に、いくつもの会場があることに気づきます。

同じ風景なのに、存在する世界が変わりました。



私は、長年ゲーム製作を続けていて、つくづくこう思います。

どれだけ商品が素晴らしくても、広報を失敗したら、売れない。

そして、広報に資金を注いでも、商品力が無ければ、売れない。



大切な両輪。

バランスが、とても難しい両輪。



シャンソン界に再び花を咲かせられるのは、私は琴音ちゃんをはじめとした、若手だと考えています。


受け継がれてきた歴史を学び、そこから新たなものを生み出す。

必要な形に変える。

臨機応変に対応する。


同世代、そして学生層にアピールできる。


勢いで、失敗を恐れず、良くも悪くも多方面の変化にチャレンジできる。



歌い手が続いていけば、常に今のシャンソンが存在し続けることができます。




書活動を続けていても、感じます。

歴史ある世界で、トップを走り続けている方々。

本当に素晴らしい感動を創り出せる方々。


伝統に誇りを持っていらっしゃる。

だから、それを崩す必要性を感じない。

書道界、非常に狭い。

身内だけの世界です。



「自分が伝えたいことは何か」
「市場が求めているのは、何か」

「この差を繋げるために、必要な事は何か」
「費用対効果が高い方法は、何か」


と、羅列するのは簡単。

効果を出すのは難しいけれど、この考えに基づいて動かないと、広大な宇宙を方向感覚なしに進んで、いつか疲れはててしまいます。



シャンソン、フラメンコ、書道、ゲーム、共通して言えることは、「味わうためには、心のゆとりが必要」ということ。

出会えても、消化しなかったら、本当の味は分かりません。


今流行りのスマホゲームは、ゲームではありません。

一時話題になったパフォーマンス書道は、書道ではありません。

最近の歌、特にダンス、振り付けが賑やかな歌は、歌だけではもたないから、それを補うための賑やかしです。

「そこに何の思いがあるの?」と、不思議に思う歌も、テレビから流れています。


それでも、ビジネスとしては正しい。

多くの人が求めているのは、味わいの深さではなく、瞬間的な爆発力を得られる刺激物なのだから。


この市場において、本物の表現、フラメンコとシャンソンへの架け橋を、どう作ろうか。

2014年の課題です。