廃棄物処理コラム☆中和剤として用いられるアルカリの性状
<排出元向け>中和剤として用いられるアルカリ性状
以前のコラムでは、『伝導受熱型乾燥の種類と特徴』『乾燥機の種類と特徴:その他』『廃酸、廃アルカリの中和』をご紹介しました。今回は『中和剤として用いられるアルカリの性状』をご紹介します。
■中和剤として用いられるアルカリの性状■
中和剤として用いられるアルカリの性状に、『苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)』『ソーダ灰(炭酸ナトリウム)』『消石灰(カーバイトかす)』『石灰石(炭酸カルシウム)』があります。ここでは、それぞれの化学式や溶解度、酸との適応、反応時の注意、貯蔵時の注意、経済性、取扱い、到達pHを紹介します。
◆苛性ソーダー(水酸化ナトリウム)
化学式(分子量):NaOH(40)
溶解度(g/100g水):40°(※)
市販純度(%):液状45
酸との適応:すべての酸に可
反応時の注意:濃度が高いと発熱、反応速度大
貯蔵時の注意:寒冷時凍結
経済性:高価
取扱い:高濃度のもの危険、便利
到達pH:14以上
※0℃、20℃における溶解度
◆ソーダ灰(炭酸ナトリウム)
化学式(分子量):NaCO₃(106)
溶解度(g/100g水):7.1°(※)、21.6 °20(※)
市販純度(%):98(粉末)
酸との適応:弱酸には不向き
反応時の注意:CO2発生、ばっ気必要
貯蔵時の注意:溶解時固化することあり、寒冷時結晶析出
経済性:やや高価
取扱い:やや不便
到達pH:11以下
※0℃、20℃における溶解度
◆消石灰(カーバイトかす)
化学式(分子量):Ca(OH)2(74)
溶解度(g/100g水):0.117°20(※)
市販純度(%):70~80粉末 約15スラリ
酸との適応:硫酸、燐酸、フッ酸では沈澱生成
反応時の注意:溶解度で低く、スラリで注入、強い攪拌必要、沈澱発生量大、反応速度大
貯蔵時の注意:沈降性のため攪拌機付貯槽、寒冷時凍結
経済性:安価
取扱い:不便
到達pH:13以下
※0℃、20℃における溶解度
◆石灰石(炭酸カルシウム)
化学式(分子量):CaCO₃(100)
溶解度(g/100g水):0.0065 °20(※)
市販純度(%):90(細石、粉末)
酸との適応:弱酸の中和のみ、硫酸の場合は微粉
反応時の注意:CO2発生、取扱不便、石灰床で中和、反応速度小
貯蔵時の注意:スラリ寒冷時凍結
経済性:地域により安価
取扱い:最も不便
到達pH:5~6
※0℃、20℃における溶解度
以上、中和剤として用いられるアルカリの性状でした。
◆中和剤として用いられるアルカリの性状一覧◆
■廃棄物の適正処理体系(体系図)■
以下の図は、適正な廃棄物処理の7つ方法とその体系図です。
<今までのコラムの一例とお問合せ先>
★伝導受熱型乾燥の種類と特徴
★乾燥機の種類と特徴:その他
★廃酸、廃アルカリの中和
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