特別管理廃棄物とは?わかりやすく説明☆背景は?いつから?区分や種類は?など<特別管理廃棄物コラム>東新一
特別管理廃棄物とは?わかりやすく説明☆背景は?いつから?区分や種類は?など<特別管理廃棄物コラム>東新一
今回のコラムでは、特別管理廃棄物とは何か?特別管理廃棄物の種類とは?具体的に特別管理廃棄物にはどのような種類があるの?など、基本をおさらいしたい排出事業者(排出元)や行政担当者、また、廃棄物会社の新人向けにわかりやすくご紹介します。
1.特別管理廃棄物とは
廃棄物のうち、爆発性や毒性や感染性その他、人の健康または生活環境に被害が生じる恐れのある性状を有するものを特別管理廃棄物といいます。
廃棄物には、産業廃棄物(産廃)と、産廃以外の廃棄物、つまり一般廃棄物(一廃)があるだけではと思われがちですが、実は違います。廃棄物には、産業廃棄物と一般廃棄物、そして特別管理廃棄物があります。
2.特別管理廃棄物ができた背景は?いつから?
廃棄物処理法は1970年に制定、1971年に施行されたものですが、特別管理廃棄物は1971年施行時では存在しませんでした。それでは特別管理廃棄物はどのような背景でできたのか?また、いつできたのか?につきましては、1990年、有害性・爆発性・感染性などの特性を有する廃棄物としてその処理・処分にあたって特別な配慮が必要になってきたことや、不法投棄などにつながりやすい廃棄物が増大している状況を踏まえ、廃棄物処理法で「人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するもの」と定義され、1992年から施行されることになりました。
3.特別管理廃棄物の区分と種類とは
特別管理廃棄物は、排出形態などによって「特別管理一般廃棄物」と「特別管理産業廃棄物」に区分されています。
「特別管理一般廃棄物」の種類には、「ポリ塩化ビフェニルを使用した部品」「廃水銀」「ばいじん」「感染性一般廃棄物」「燃え殻/ばいじん/汚泥」の5種類があります。
「特別管理産業廃棄物」の種類には、「廃油」「廃酸」「廃アルカリ」「感染性産業廃棄物」「廃PCB等」「PCB汚染物」「PCB処理物」「廃水銀等」「廃石綿等」「有害産業廃棄物」の10種類がありますが、うち「廃PCB等」「PCB汚染物」「PCB処理物」「廃水銀等」「廃石綿等」「有害産業廃棄物」は「特別管理産業廃棄物」の中で「特定有害産業廃棄物」と定義されたりしています。
4.特別管理一般廃棄物の種類と性状や具体例とは
「ポリ塩化ビフェニルを使用した部品」
・一般廃棄物である廃エアコン・テレビ・電子レンジから取り出されたもの
「廃水銀」
・水銀またはその化合物が使用されている製品が一般廃棄物となったものから回収したもの(廃水銀)
・廃水銀を処分するために処理したもの(環境大臣が定める方法により処理したものを除く)
「ばいじん」
・一時間あたりの処理能力が200㎏以上、または火格子面積が2㎡以上の焼却施設のうち、焼却灰とばいじんが分離して排出されるものに設けられた集じん装置で捕集されたばいじん及びこれらを処分するために処理したもの(環境大臣が定める方法により処理したものを除く)
「感染性一般廃棄物」
・医療機関等から排出される、血液の付着したガーゼなどの感染性病原体を含むまたはそのおそれのある一般廃棄物
「燃え殻/ばいじん/汚泥」
・廃棄物焼却施設である特定施設(「ダイオキシン類対策特別措置法」第2条第2項に規定する特定施設をいう)で生じる燃え殻、ばいじん、汚泥(排ガス洗浄施設から排出されるもの)でダイオキシン類の基準に適合しないもの及びこれらを処分するために処理したものでダイオキシン類の基準に適合しないもの
5.特別管理産業廃棄物の種類と性状や具体例とは
「廃油」
・揮発油類、灯油類、軽油類で燃えやすい廃油
「廃酸」
・pH2.0以下の酸性廃液
「廃アルカリ」
・pH2.5以上のアルカリ性廃液
「感染性産業廃棄物」
・感染のおそれのある産業廃棄物(廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず及び陶磁器くず他)
「廃PCB等」
・廃PCB等、PCBを含む廃油
「PCB汚染物」
・汚泥(PCBが染み込んだもの)
・紙くず(PCBが塗布され、または染み込んだもの)
・木くず(PCBが染み込んだもの)
・繊維くず(PCBが染み込んだもの)
・廃プラスチック類(PCBが付着し、または封入されたもの)
・金属くず(PCBが付着し、または封入されたもの)
・陶磁器くず(PCBが付着したもの)
・がれき類(PCBが付着したもの)
「PCB処理物」
・廃PCB等またはPCB汚染物を処分するために処理したもので、省令に定める基準に適合しないもの
「廃水銀等」
・特定の施設において生じた廃水銀等
・水銀もしくはその化合物が含まれている産業廃棄物または水銀使用製品が産業廃棄物となったものから回収した廃水銀
・廃水銀等を処分するために処理したもの(基準に適合しないものに限る)
「廃石綿等」
・建築物その他の工作物から除去した飛散性の吹付け石綿、石綿含有保温材、断熱材、耐火被覆材及びその除去工事から排出されるプラスチックシート等で、石綿が付着しているおそれのあるもの、大気汚染防止法の特定粉じん発生施設で生じた石綿で集じん施設で集められたもの等
「有害産業廃棄物」
・政令が定める施設から排出される水銀、カドミウム、鉛、有機燐化合物、六価クロム、砒素、シアン、PCB、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、四塩化炭素、1.2-ジクロロエタン、1.1-ジクロロエチレン、シス-1.2-ジクロロエチレン、1.1.1-トリクロロエタン、1.1.2-トリクロロエタン、1.3-ジクロロプロペン、チウラム、シマジン、チオベンカルブ、ベンゼン、セレン、1.4-ジオキサンまたはその化合物、ダイオキシン類が基準値を超えて含まれる汚泥、鉱さい、廃油、廃酸、廃アルカリ、燃え殻、ばいじん等
如何でしたか?特別管理廃棄物をご紹介しましたが、何となくイメージがわきましたでしょうか?
以上、「特別管理廃棄物とは」「特別管理廃棄物ができた背景は?いつから?」「特別管理廃棄物の区分と種類とは」「特別管理一般廃棄物の種類と性状や具体例とは」「特別管理産業廃棄物の種類と性状や具体例とは」をご紹介しました。
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