廃棄物処理法の制定(昭和45年)と基本的な体系は当時のまま(清掃法→廃棄物処理法→現在)
廃棄物処理法の制定(昭和45年)と基本的な体系は当時のまま(清掃法→廃棄物処理法→現在)
廃棄物の処理は「廃棄物処理法」制定以前は「清掃法」(昭和29年制定)の規定に基づき、市街地における汚物の処理として実施され、住民の居住環境を防疫上の見地から清潔に保つことによって公衆衛生の向上を図ることを主たる目的とされていました。
しかし、昭和30年代から40年代は、経済活動の拡大に伴い、大都市圏を中心に膨大な廃棄物が排出されるようになり、いままでのは法律では対応が難しくなったきたようです。
そのような中、昭和45年の第64回臨時国会(公害国会)において、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的に「清掃法」を全面改正し、「廃棄物処理法」が制定されました。その主な内容は以下の3点で、現在の廃棄物処理の基本的な体系は昭和45年に整備されました。
①廃棄物を一般廃棄物と産業廃棄物に大別し、産業廃棄物以外のものを一般廃棄物とした。
②一般廃棄物については、市町村は区域内の一般廃棄物が適正に処理できるよう一般廃棄物処理計画を策定しなければならないとし、その処理責任は原則として市町村にあるとした。
③事業活動に伴って生じた廃棄物は、産業廃棄物の場合も一般廃棄物の場合も事業者が処理責任を有するとした上で、産業廃棄物については事業者の処理責任を明確にし、事業者はその産業廃棄物を自ら産業廃棄物処理基準に従って処理するか、若しくは都道府県知事等の許可を受けた産業廃棄物処理業者に施行令で定める基準に従って委託処理しなければならないこととした。
基本的な体系(一廃と産廃区分、一廃の処理責任は市町村、産廃の処理責任は排出事業者)ができて54年、策定された方々の先見の明を感じますね。
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